生活保護は「健康で文化的な最低限度の生活」を送れない人が対象になる保護制度です。
しかし、いくら「私には生活保護が必要です」と言っても簡単に生活保護の支給対象になるわけではありません。
支給を受けるには、本当に自助努力を尽くしても生活が困窮しているということを証明しなければいけません。
この記事を読めば、生活保護の支給を受けるために必要な交渉の仕方を知ることができます。
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仕事がないことを理解してもらう
くまなく探しても自分のできる仕事がなく、生活費も底をついてきているのでやむを得ず福祉事務所に行ったとしても、右から左へ生活保護を受けることはできません。
本当に仕事がないことを理解してもらい、生活保護を受けるのは簡単ではありません。
生活保護を受ける資格があるのかどうかを判断するのは福祉事務所ですから、仕事を探しをしたにもかかわらず、仕事を見つけることができなかった状況を理解してもらわなければなりません。
さらに、現時点では本当に困っているから生活保護を申請したいが、将来的には仕事を探して自立してやっていくつもりであることを示せれば申請がとおる可能性があがります。
これは「就労自立」と呼ばれています。
就労自立とは、収入が生活保護基準以上となったため、福祉事務所が生活保護を廃止することをいいます。
「せっかくもらった生活保護を廃止した後にまた生活が困窮してしまったらどうしたらよいのか」という危惧を抱く人はたくさんいると思いますが、この場合は生活保護を再申請することで対応が可能です。
福祉事務所の人も「この人は本当に困ったときにだけ生活保護を頼りにするのだな」と理解してくれますから、再申請の際にはプラスに作用するので心配する必要はありません。
年齢と生活保護の関係
一般的に、生活保護は働き盛りの年齢ではもらえないと思われているようです。
たとえば、65歳以上の高齢者や、介護が必要なほど大きな障害を抱えているような人の場合は、働くことができないのも納得してもらいやすいといえます。
一方、生活保護の申請者がまだ若く、特に大きな障害を抱えているわけでもないのであれば、まずは本人の能力に応じた労働を行うことや、就職先を探す努力をすることが求められます。
事実、15歳~ 64歳までを行政用語では「稼働年齢」と呼んでおり、この年齢に該当する人は働けるのが当たり前とされています。
稼働年齢の人は生活保護を受けることが難しいというのは否定できない事実です。
ただ、この働く能力を持つ人と持たない人を明確に線引きすることは、そう簡単なことではありません。
たとえば、まだ働くことができる年齢の人であったとしても、長年働いていない場合や住所を持たないような状態であれば、仕事を見つけることも困難であるのが現状です。
特に最近は若年の未就労者の生活保護申請をどう判断するかが問題となっています。
能力的に働くことができないわけでもないのに、生活保護の受給を許してしまうことは、その人の自立を妨げてしまうことにもなりかねませんし、まず働き口を見つけるための努力といっても、どれほどのことまでを指すのかが具体的に示されているわけではありません。
すべては個々の社会福祉事務所の判断に委ねられているわけです。
つまり、やむを得ない状況であれば、たとえ稼働年齢であっても生活保護が適用されることもありますので、最初からあきらめてはいけません。
仕事を探していることを証明する
本当にあらゆる手を尽くして仕事を探したかどうかを見分ける判断基準は存在しません。
そこで、あらゆる手を使っても仕事を得ることができなかった、と言って職員に泣き落としをかけて生活保護を受けることも不可能ではありません。
しかし、ここでお勧めしたいのは、職探しについて詳細に記録しておく方法です。
ハローワーク(公共職業安定所)に何回訪れたかなどのデータを年月日を含めてきちんと記録したノートを職員に見せれば、「仕事が見つからない」という言葉に説得力をもたせることができます。
さらに、ハローワークで作成した求人カードも確実な証拠ですから、大事に保管しておくようにしましょう。
実際に仕事の面接を受けた場合には、その会社名、住所、面接日、面接の簡単な内容、面接の結果、備考などをわかりやすく一覧表にして示すことができると、さらに説得力をもたせることができます。
備考欄には、「ハローワークでは保険完備となっていたが、面接の時点で違う条件を示された」など、どうして面接に通らなかった、あるいはその職場を選ばなかったのかについての説明を書き入れておきましょう。
仕事についている人も可能性がある
以外と思われるかもしてませんが、仕事をしていても生活保護を受けることができます。
朝から晩まで働いても生活をしていくための十分な収入を稼ぐことができない場合には、生活保護を受けることができます。
「仕事をしていると生活保護は受給できない」と勘違いしている人も多いので注意が必要です。
日本の雇用形態は近年大きく変化しており、正社員の比率は契約社員や派遣社員、アルバイトなどと比べるとかなり下がってきています。
このような状況ではアパート代も満足に払えない仕事で我慢するしかない人も多いため、仕事についていても生活保護を受けることができるような配慮がなされています。
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