
人生100年時代といわれる今、60代以降の時間は「余生」ではなく、新たな人生のステージです。
けれども、年金はいくらもらえるのか、老後資金は足りるのか、病気や介護になったらどうすればいいのか――考え始めると不安は尽きません。
特にひとり暮らし、あるいは将来ひとりになる可能性がある人にとっては、頼れる人が身近にいない状況も想定して備える必要があります。
『この1冊で賢く備える おひとりさまの老後大全』は、老後資金・年金・働き方・健康・介護・生きがい・終活までを一冊にまとめ、Q&A形式でわかりやすく解説した実用書です。
制度の仕組みやお金の考え方、いざというときの具体的な行動まで、専門家の視点から丁寧に整理されています。
難しい話をかみ砕きながら、実生活にどう落とし込むかを示してくれる構成が特長です。
老後は誰にとっても長い時間です。
その時間を不安に支配されるものにするのではなく、自分らしく安心して過ごすために、何を知り、何を準備すればよいのか。本書はその道しるべとなる一冊です。
元気なうちから備えることで、将来の不安は「対処できる課題」へと変わっていきます。
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書籍『この1冊で賢く備える おひとりさまの老後大全』の書評

本書は、老後に直面する不安を「ジャンルごと」に整理し、それぞれの専門家がQ&A形式で答える実践的なガイドです。扱うテーマは、老後資金、年金、退職金、働き方、健康、介護、防犯、防災、そして終活まで。いわば“老後の総合相談室”を1冊にまとめた構成になっています。
この書評では、以下の4つの観点から本書の価値や本質を解説していきます。
- 著者:國松典子のプロフィール
- 著者:池田直子のプロフィール
- 著者:保坂隆のプロフィール
- 著者:武藤頼胡のプロフィール
- 著者:大杉潤のプロフィール
- 著者:古山隼也のプロフィール
- 本書の要約
- 本書の人気の理由と魅力
それぞれ詳しく見ていきましょう。
著者:國松典子のプロフィール
國松典子さんは、ファイナンシャルプランナーとして長年第一線で活動してきた実務家であり、CFP®資格と1級FP技能士資格を持つ資産設計の専門家です。相談業務を中心にキャリアを積み重ねてきた人物で、机上の理論ではなく「生活者が実際に困る場面」を熟知している点が大きな特徴です。老後資金の問題を単なる貯蓄額の話にとどめず、家計の流れ全体を設計する「キャッシュフロー分析」を重視している点に専門性があります。
キャッシュフロー分析とは、将来の収入と支出を時系列で並べ、どの年に資金が不足する可能性があるかを可視化する手法です。たとえば年金受給開始年齢、退職金受け取り時期、医療費が増える年代、住宅修繕のタイミングなどを一枚の設計図に落とし込みます。これは家計を「長距離マラソン」に例えると理解しやすく、どの地点で給水が必要になるのかを事前に把握する作業だといえます。
特に60代以降の資産運用では「順番リスク」という概念が重要になります。これは運用開始直後に大きな下落が起きると、その後回復しても資産寿命が短くなるという現象です。國松さんの設計思想は、この順番リスクを考慮しながら取り崩しと運用を組み合わせるという実務的な視点に基づいています。老後の資金計画は感覚ではなく構造で考えるべきだという姿勢が、本書の資金パートの土台を支えています。
著者:池田直子のプロフィール
池田直子さんは社会保険労務士として、年金制度、退職金制度、雇用保険制度といった社会保障の実務に精通しています。制度の条文を解説するだけでなく、それを生活者の判断に落とし込む力が強みです。年金の繰上げ受給や繰下げ受給の判断、在職老齢年金の調整、雇用保険の高年齢継続給付など、複数制度が絡み合う場面での実務設計に強い専門家です。
年金制度は複雑で、単純に「遅らせた方が得」「早くもらった方が安心」という二択では語れません。繰下げ受給を選べば月額は増えますが、その間の生活費をどう賄うかという問題が発生します。ここで重要になるのが「損益分岐年齢」という考え方です。これは繰上げと繰下げで総受給額が逆転する年齢を指します。しかし実務では、この年齢だけで判断するのは危険で、健康状態、就労可能性、資産残高といった複数要因を組み合わせて考えます。
また、退職金の受け取り方にも一時金と年金形式があり、税制上の優遇措置が異なります。退職所得控除や公的年金等控除の仕組みを理解しないまま選択すると、不要な税負担が発生することがあります。池田さんの専門性は、こうした税制と社会保障の接点を横断的に整理できる点にあります。
著者:保坂隆のプロフィール
保坂隆さんは精神科医として高齢者医療に長く携わり、心と身体の両面から老後の問題を研究してきた専門家です。老後不安の本質は経済問題だけではなく、孤独感や喪失体験、認知機能の低下といった心理的要因に強く影響されます。保坂さんは「健康寿命」という概念を重視しています。健康寿命とは、介護を必要とせず自立して生活できる期間を指します。平均寿命との間には差があり、その差の期間に医療や介護が集中する傾向があります。
老後の医療費は予測が難しいため、多くの人が漠然とした不安を抱えます。しかし実際には高額療養費制度や後期高齢者医療制度といった公的支援があり、自己負担額には上限があります。制度を知らないことが不安を増幅させているケースも少なくありません。
また、認知症予防については単一の特効策は存在しませんが、運動、社会参加、十分な睡眠、バランスの取れた食事が発症リスクを下げるとされています。重要なのは「継続できる環境」を整えることです。意志の強さではなく、生活の中に自然に組み込む仕組みづくりが鍵になります。
著者:武藤頼胡のプロフィール
武藤頼胡さんは終活カウンセラーとして、おひとりさまの老後支援に特化した活動を続けてきた実務家です。終活という言葉は広く知られていますが、その中身は多岐にわたります。葬儀や墓の準備だけでなく、財産の整理、デジタル遺品の管理、身元保証の問題、死後事務委任契約など、生活の最終段階に関わる実務が含まれます。
特に単身者の場合、入院時の保証人や緊急連絡先がいないことが深刻な問題になります。身元保証会社の活用や地域包括支援センターとの連携など、現実的な選択肢を事前に知っておくことが重要です。また、スマートフォンやネット銀行、サブスクリプション契約などのデジタル資産は、死後に発見されにくく、相続手続きの障害になることがあります。生前に一覧化しておくことが、家族や関係者の負担を大きく軽減します。
終活は「死の準備」ではなく「トラブル回避の設計」です。準備があることで、老後の日常生活そのものが安心感に包まれます。
著者:大杉潤のプロフィール
大杉潤さんは銀行勤務や経営企画の経験を経て独立した経営コンサルタントであり、定年後のキャリア再設計を専門としています。老後の働き方は収入確保だけが目的ではありません。社会との接点を維持することは、認知機能の維持や生活リズムの安定にも大きな影響を与えます。
60歳以降の就労には、再雇用、パートタイム勤務、業務委託、起業など多様な選択肢があります。重要なのは「体力」と「心理的負担」を考慮した設計です。収入が高くても負荷が大きければ継続は困難です。逆に、週数日の軽い業務であっても、社会参加の効果は十分にあります。
また、年金との併給ルールや在職老齢年金の仕組みを理解することも不可欠です。一定以上の収入があると年金が調整される場合があり、制度を知らないと誤解が生じます。大杉さんの専門性は、経済合理性と心理的満足度の両方を踏まえた働き方の提案にあります。
著者:古山隼也のプロフィール
古山隼也さんは相続問題を中心に扱う弁護士で、高齢者関連の法律問題に詳しい専門家です。相続は金額の大小よりも、情報不足や意思表示の曖昧さから紛争に発展することが多い分野です。遺言書の作成、遺留分の理解、負債の相続放棄など、基礎知識の有無が結果を左右します。
法定相続人という概念は民法で定められており、配偶者や子、直系尊属など順位があります。遺言がない場合は法定割合に従って分割されますが、感情的対立が起きやすいのが実情です。遺言書は形式を守らなければ無効になるため、法的要件を理解した上で作成する必要があります。
また、連帯保証人の地位は死亡によって消えるとは限らず、債務が相続人に引き継がれる場合があります。プラスの財産だけを受け取ることは原則できず、限定承認や相続放棄という制度を適切に利用する必要があります。こうした法的リスクを事前に把握することで、トラブルは大幅に減少します。
本書の要約
本書は、ひとり暮らし、あるいは将来的にひとりになる可能性のある人が直面しやすい老後の課題を、経済・制度・健康・介護・生きがい・終活という複数の側面から体系的に整理した実践的なガイドです。単なる読み物ではなく、「困ったときに開く実用書」という性格が強く、Q&A形式によって具体的な疑問に直接答える構成になっています。
構造としては、まず老後資金の全体像を押さえ、その次に年金と退職金という収入の柱を理解し、さらに働き方の選択肢を検討します。そのうえで、健康管理や医療制度、介護保険の仕組みへと進み、最終的に相続や遺言、デジタル遺品といった終活の領域まで網羅しています。つまり、生活の土台から「もしも」の備えまでを一冊で俯瞰できる構成です。
本書の大きな特徴は、「不安を抽象論で語らない」点にあります。たとえば「老後が不安」という感情を、「毎月の生活費はいくらか」「年金はいくらか」「不足は何年後に生じるか」といった具体的な数字に置き換えます。感情を数値に変換することで、漠然とした恐れが計画に変わります。
また、健康や介護の章では制度の概要説明にとどまらず、どこに相談すればよいか、どの順番で動くべきかという実務の流れまで踏み込んでいます。終活の章では、遺言書の形式要件や相続人の範囲といった法律の基礎を平易に解説し、デジタル資産の整理といった現代的な課題にも触れています。
このように本書は、人生後半を「余生」として受け身で過ごすのではなく、「新しい人生の時間」として主体的に設計するための実務マニュアルといえます。知識を得るだけでなく、具体的な行動に移すための足場を提供する内容になっています。
本書の目的
本書の目的は、不安を完全に消すことではありません。不安を「分解」し、「管理可能な課題」に変えることです。老後の不安は、寿命の長さ、収入の変化、健康状態の不確実性など、予測しづらい要素が重なって生じます。そのため多くの人は考えること自体を先送りしてしまいます。
本書は、その先送りを防ぐために設計されています。具体的なQ&A形式を採用することで、「自分はどこから手をつければよいのか」を示しています。たとえば、年金の繰上げ受給か繰下げ受給かという選択も、単なる損得ではなく、生活資金の流れや健康状態といった条件を整理することで判断できるようになります。
また、目的の一つは「知らないことで損をしない」状態をつくることです。医療費の自己負担には上限があること、介護保険には支給限度額があること、相続には法定割合が定められていることなど、制度の基礎を理解するだけで、不安は大きく減少します。知識は安心の材料であり、行動の起点になります。
さらに本書は、「家族に迷惑をかけない」ための準備という側面も重視しています。自分の意思を明確にし、情報を整理しておくことで、残された人の負担を軽減できます。これは単なる自己防衛ではなく、周囲への配慮でもあります。
人気の理由と魅力
本書が支持される理由は、テーマの幅広さと専門性の両立にあります。お金、年金、働き方、健康、介護、終活という分野は通常、別々の専門書で扱われます。しかし本書では各分野の専門家が監修し、一冊に統合されています。そのため内容に深みがありながら、全体像も見失いません。
また、Q&A形式が採用されているため、通読しなくても必要な部分から読むことができます。これは高齢期の読者にとって大きな利点です。辞書のように使えるため、「困ったときにすぐ調べられる安心感」があります。
さらに、おひとりさま特有の問題に真正面から向き合っている点も魅力です。入院時の身元保証、孤独死への備え、デジタル遺品の扱いなど、家族前提の老後本では触れにくいテーマが丁寧に扱われています。現代社会の変化を反映した内容になっています。
加えて、「不安を煽らない」姿勢も評価できます。危機感だけを強調するのではなく、制度や選択肢を示し、冷静に判断できる材料を提供しています。読者は恐怖ではなく理解によって行動を起こせます。
本書の魅力は、読み終えたときに漠然とした不安が整理され、「次に何をすればよいか」が明確になる点にあります。それは単なる情報量の多さではなく、構造化された説明と専門家の実務視点によって実現されています。
本の内容(目次)

本書は、老後を「点」ではなく「線」として捉え、生活全体を段階的に整えていく構成になっています。いきなり終活から入るのではなく、まずは資金の土台を固め、制度を理解し、健康と生活基盤を整え、そのうえで最終準備へ進む流れです。
ここでは、次の7つの章に沿って内容を整理します。
- 第1章 老後資金についてのQ&A
- 第2章 年金と退職金についてのQ&A
- 第3章 働き方についてのQ&A
- 第4章 シニアの健康についてのQ&A
- 第5章 介護についてのQ&A
- 第6章 生きがいについてのQ&
- 第7章 終活についてのQ&A
それぞれが独立しつつも、全体として一つの設計図を形成しています。順番に詳しく見ていきましょう。
第1章 老後資金についてのQ&A
この章では、まず「そもそも老後とは何か」という問いから始まり、漠然とした不安を具体的な問題へと分解していきます。老後への不安には、生活費の不足、資産の把握不足、予想外の支出などがあることを整理し、何が不安の正体なのかを一つずつ確認していく構成になっています。おひとりさまと夫婦暮らしの違いにも触れながら、必要なお金の考え方が丁寧に示されています。
次に、老後資金はいくら必要なのか、老後にかかる経費の目安はどれくらいか、自分の資産をどう把握すればよいかといった、実践的なテーマへ進みます。ここでは単に金額を示すのではなく、「収入と支出のバランス」を確認することの重要性が示唆されています。老後資金が足りなくなる場面や、困ったときの公的支援制度にも触れ、現実的な備えの視点を持たせてくれます。
さらに、投資やNISA、iDeCoといった制度についても取り上げられています。60代からの投資の考え方や初心者向けの選択肢、制度の違いなどがQ&A形式で整理されており、制度の概要を理解する入口になっています。攻めるためではなく、守るための資産管理という視点が貫かれている章です。
第2章 年金と退職金についてのQ&A
この章では、年金と退職金という老後収入の柱について扱っています。みんなはどれくらい年金をもらっているのかという素朴な疑問から入り、特老厚の経過措置のような制度的な話題まで取り上げています。まずは制度の全体像を知ることが大切だという構成です。
年金の繰上げ受給と繰下げ受給の違いについては、それぞれどんな人に向いているかという観点で解説されています。どちらが得かという単純な比較ではなく、自分の状況に当てはめて考えることが促されています。年金を増やす方法や、自営業者の年金対策についても触れられています。
退職金については、平均額や受け取り方の種類、運用方法まで扱われています。自営業者の退職金づくりの方法にも言及されており、会社員と自営業の違いを踏まえた内容になっています。老後収入を多面的に捉える章です。
第3章 働き方についてのQ&A
この章では、定年制度の現状や、56歳以降も働くべきかといった現実的な問いから始まります。週何日働くのがよいのか、シルバー人材センターの活用はどうかなど、具体的な選択肢が提示されています。収入だけでなく、生活リズムや体力とのバランスも視野に入れた内容です。
雇用保険や給付金の制度についても解説されています。60歳以降の加入条件や、賃金が低下した場合の給付、65歳以降の基本手当など、制度面の情報が整理されています。制度を知っているかどうかで受け取れる支援が変わることを示しています。
さらに、資格取得や教育訓練給付、シニア起業や補助金制度、マイホームの活用方法や賃貸問題など、多様なテーマが扱われています。老後の働き方は一つではなく、選択肢が広がっていることを伝える章です。
第4章 シニアの健康についてのQ&A
この章では健康寿命の意味から始まり、定年後の健康診断、かかりつけ医の探し方、高齢者がかかりやすい病気について解説しています。がん治療の費用、目の病気、ひざや腰の痛み、入れ歯とインプラントの違いなど、身近な医療テーマが並びます。
健康保険制度の変化や保険料、生命保険や医療保険の必要性、持病がある場合の保険加入、先進医療特約なども取り上げられています。長期入院の費用や要介護を防ぐための取り組み、運動習慣、突然死や認知症予防など、多面的に扱われています。
健康は老後生活の土台です。この章では、体と上手に付き合いながら長い時間をいきいきと過ごすための視点が整理されています。
第5章 介護についてのQ&A
この章では介護保険制度の基本と利用方法が説明されています。介護認定とは何か、自分は介護が必要かどうか、誰に相談すればよいかという初歩的な疑問から解説が始まります。
介護費用の目安や支給限度額を超えた場合の扱い、医療費との兼ね合い、受けられるサービスの種類、自宅サービスと施設利用の違いなどが具体的に示されています。ヘルパーに頼めないことや自治体独自サービス、保険外サービス、高齢者施設の種類や看取りの意味も扱われています。
介護は突然始まる可能性があります。この章は、制度を知り、慌てずに行動できるようにするための備えを整える内容です。
第6章 生きがいについてのQ&A
この章では、おひとりさまが増えていく社会背景を踏まえ、孤独への向き合い方が語られています。ひとり暮らしの注意点、地域のつながりの重要性、人付き合いが苦手な人の孤独解消法などが紹介されています。
習い事やボランティアの探し方、マッチングアプリの安全性、大学での学び直しやオンライン講座、SNSでの交流の注意点なども取り上げられています。さらに節約術、固定費の見直し、シニア割引、車の必要性や免許返納、防犯・防災対策、孤独死や身元保証の問題、移住の可否まで幅広く扱われています。
生きがいは老後の質を左右します。この章では、不安を減らし、日々の暮らしを楽しくする視点が提示されています。
第7章 終活についてのQ&A
この章では、家の片付けからデジタル遺品、クレジットカードや口座整理、暗号資産、証券口座、ローンの扱いまで具体的な問題が扱われています。法定相続人や遺産分割、遺言書の書き方や形式、遺留分、相続放棄、連帯保証人の問題など法律面も整理されています。
動物保護団体への寄付や死後事務の依頼、ペットの行方、認知症対策や後見人制度、葬儀や墓の準備、墓じまい、エンディングノートの書き方、延命治療の意思表示まで幅広く触れられています。
終活は特別なことではなく、安心して人生をまっとうするための準備です。この章では、自分の意思を明確にし、後悔のない最期を迎えるための視点が整理されています。
対象読者

本書は、老後を「特別な人の問題」ではなく、「誰にでも訪れる現実」として捉えています。人生100年時代といわれる現代では、60歳以降の時間は20年以上続く可能性があります。その長いセカンドライフを安心して過ごすためには、早めの準備と正しい知識が不可欠です。
ここでは、本書が特に役立つ読者層を整理します。
- ひとり暮らし(または将来ひとりになる可能性がある)60代〜の人
- 年金・退職金・資産運用を“今のうちに整理したい”人
- 介護や入院、身元保証、孤独死など「もしも」に備えたい人
- 終活(相続・遺言・エンディングノート・デジタル遺品)を始めたい人
- 親の老後対策を手伝いたい子世代(プレゼント含む)
それぞれについて、どのような悩みに応えてくれるのかを具体的に見ていきます。
ひとり暮らし(または将来ひとりになる可能性がある)60代〜の人
ひとり暮らしの老後では、生活費の管理、病気への備え、介護や入院時の対応、防犯や防災まで、あらゆる判断を自分で行う必要があります。本書は、老後資金や年金の受け取り方、医療や介護制度、身元保証や孤独死の問題まで幅広く扱っているため、単身世帯に特有の不安を一つひとつ具体化し、対策へと落とし込むことができます。「いざというとき、誰に頼ればいいのか」という漠然とした心配を、制度理解という形で整理できる点が大きな強みです。
また、近年は単身高齢者が増加しており、将来的にひとりになる可能性は誰にでもあります。本書は配偶者がいる人にとっても無関係ではありません。老後を“自分ごと”として捉え、早い段階から備えるための視点を与えてくれるため、これからの生活設計を主体的に考えたい60代以降の人にふさわしい内容です。
年金・退職金・資産運用を“今のうちに整理したい”人
老後の安心は、収入と支出のバランスが見えているかどうかで大きく変わります。本書は、年金の繰上げ・繰下げ受給の違いや退職金の受け取り方法、NISAやiDeCoといった資産形成制度まで取り上げており、複雑な仕組みを整理するのに適しています。単なる知識紹介ではなく、「自分の場合はどう考えるか」という視点で読み進められる構成になっています。
資産運用は増やすことだけが目的ではありません。老後では、資産を守りながら長期間にわたって取り崩す設計が重要になります。本書は、投資初心者にも理解できる形でリスクと選択肢を示しているため、これから家計の再点検をしたい人にとって有効な指針となります。
介護や入院、身元保証、孤独死など「もしも」に備えたい人
介護や入院は突然訪れる可能性があり、事前に制度を理解しているかどうかで対応の負担が大きく変わります。本書では介護保険制度や介護認定の仕組み、医療費と介護費の関係、施設の種類などを整理しており、実際に直面する前に全体像をつかむことができます。準備不足からくる混乱を避けたい人にとって、実務的な内容が役立ちます。
さらに、身元保証人の問題や孤独死への不安など、単身世帯が抱えやすい課題にも触れています。こうしたテーマは話題にしづらいものですが、本書はQ&A形式で自然に学べるため、「もしも」に備える第一歩として適しています。
終活(相続・遺言・エンディングノート・デジタル遺品)を始めたい人
終活は人生の締めくくりの準備であると同時に、家族への負担を減らす行為でもあります。本書では遺言書の基本や法定相続人の考え方、遺留分、デジタル遺品、口座整理など具体的なテーマを扱っているため、どこから手をつければよいか分からない人でも段階的に取り組めます。難解になりがちな法律用語もQ&A形式で整理されています。
また、エンディングノートや延命治療の意思表示など、自分の希望を明確にするテーマも含まれています。終活を“特別な作業”ではなく“日常の延長”として捉えたい人にとって、本書は実践的な入門書となります。
親の老後対策を手伝いたい子世代(プレゼント含む)
親の老後について心配していても、具体的に何を確認すべきか分からない子世代は少なくありません。本書は、年金や退職金、介護制度、終活まで幅広く網羅しているため、親の生活設計を総合的に理解する助けになります。知識があることで、感情的にならず冷静に話し合うことが可能になります。
また、Q&A形式で構成されているため、親子で一緒に読みながら確認できる点も大きな利点です。プレゼントとして渡すことで自然に話題を切り出せるため、家族間の情報共有を促すツールとしても適しています。
本の感想・レビュー

不安の正体が“見える化”される
これまで「老後が不安」という言葉を口にすることはあっても、その中身を具体的に説明することはできませんでした。本書を読み始めて最初に感じたのは、その漠然とした不安が一つひとつ言語化されていく感覚です。第1章では「そもそも老後とは何か」「老後への不安にはどんなことがあるのか」という問いから始まり、老後資金の目安や不足するケース、支援制度の存在までが整理されています。不安をそのままにせず、構造として見せてくれる構成が印象的でした。
目次に並ぶ問いを追っていくだけでも、自分が気にしていたことが網羅されていると感じます。資産の把握方法や融資の年齢制限、投資の考え方など、普段は断片的にしか触れないテーマが、老後という文脈の中で並べられていることで、「何が分からなかったのか」がはっきりしてきます。不安の正体が見えないときは想像ばかりが膨らみますが、本書はそれを具体的な課題に変えてくれました。
読み進めるうちに、不安が消えるというよりも、向き合える状態になる感覚がありました。老後を必要以上に恐れるのではなく、何に備えるべきかを理解する。その第一歩を与えてくれる一冊だと感じました。
必要なところだけ読めるQ&Aの便利さ
本書は全体がQ&A形式で構成されており、この形式が非常に読みやすいと感じました。疑問がそのまま見出しになっているため、自分の気になる項目から読み進めることができます。「老後資金はいくらあればいいのか」「繰上げ受給と繰下げ受給はどちらが得なのか」「介護にはどのくらいの費用がかかるのか」など、問いが具体的で現実的です。
章ごとにテーマは分かれていますが、問いが細かく区切られているため、途中で話が難しくなっても立ち止まりやすい構成になっています。専門用語が並ぶのではなく、「どうすればいいのか」という視点で整理されているため、制度の話も理解しやすいと感じました。読者の疑問に直接答えるスタイルが、安心感を生み出しています。
順番に読んでもよいですし、目次を見ながら必要な部分だけを確認することもできます。老後のテーマは一度で理解しきれないことも多いですが、この形式なら繰り返し読み返すことができると感じました。
お金・健康・介護・終活が一冊でつながる
老後に関する本は、資金に特化したものや健康に特化したものなど、テーマが限定されている印象がありました。本書は、老後資金から始まり、年金・退職金、働き方、健康、介護、生きがい、終活へと続きます。その流れを追っていくと、人生後半がいかに多面的であるかを実感します。
お金の問題を考えると、年金や退職金の受け取り方に行き着きます。そして働き方の選択があり、健康の問題が現れ、介護や看取り、相続へと話題がつながっていきます。章立てそのものが、老後の時間の流れを示しているように感じました。単独の問題としてではなく、人生の連続性の中で説明されている点が印象的でした。
一冊を通して読むことで、部分的な対策では足りないことに気づかされます。老後は一つの課題ではなく、いくつものテーマが重なり合う時間なのだと理解できました。
年金・退職金の整理が進む
年金や退職金については、制度が複雑なため、どこかで理解を止めてしまっていました。本書では、みんなはいくらくらいもらっているのか、繰上げ受給と繰下げ受給の違いは何か、年金を増やす方法はあるのかといった具体的な問いが提示されています。その順番が整理されていることで、知識がつながっていく感覚がありました。
退職金のもらい方や運用法、自営業者の場合の備えなども取り上げられており、自分の立場に置き換えて考えやすい構成になっています。単に数字を示すのではなく、「どう選ぶか」という視点で書かれているため、受け身の知識では終わりませんでした。
読み進めるうちに、制度は難しいものではなく、理解すれば判断できる材料になるのだと感じました。年金や退職金は避けて通れないテーマだからこそ、整理しておく意味があると実感しました。
働く/辞めるの判断軸が持てる
定年後の働き方については、年齢や体力の問題だけで考えていました。本書では、定年制度の現状や雇用保険の給付、賃金が低下した場合の給付金、教育訓練給付など、具体的な制度が紹介されています。働くかどうかという単純な二択ではなく、どのように働くかという視点が示されています。
「シルバー人材センターで働くのはどうか」「シニア起業は可能か」「補助金や助成金はあるのか」といった問いもあり、選択肢の広さを知ることができました。老後の働き方は、収入だけでなく、生きがいにも関わるテーマであることが、第6章ともつながって理解できます。
仕事を続けるかどうかの判断は簡単ではありませんが、制度を知ることで基準が生まれます。本書を通じて、老後の働き方を現実的に考える土台ができたと感じました。
医療費・保険のモヤモヤが減る
年齢を重ねるにつれて、健康や医療の問題は現実味を帯びてきますが、制度の仕組みまでは理解できていないという状態が続いていました。本書の第4章では「健康寿命とは何か」「高齢者がかかりやすい病気はあるのか」「がんはお金がかかるのか」といった問いが丁寧に並び、漠然とした不安を具体的なテーマに分解してくれます。読みながら、自分が心配していたのは病気そのものだけでなく、その後の費用や制度の複雑さだったのだと気づきました。
健康保険制度が高齢になるとどう変わるのか、医療保険や生命保険に入っておくべきか、持病がある場合はどう考えればよいのかといった疑問にも触れられています。先進医療特約や保険適用外の治療についての問いもあり、聞き慣れない言葉が少しずつ整理されていきました。長期入院の費用が払えない場合の不安にも向き合っていて、現実を避けない姿勢が印象に残ります。
読み終えたとき、医療と保険は何となく選ぶものではなく、制度を理解した上で検討するものだと感じました。モヤモヤしていた部分が、確認すべきポイントへと変わり、落ち着いて考えられるようになりました。
介護の“最初の一歩”が具体化する
介護の問題は、いずれ必要になると分かっていても、どこから考えればよいのか分からず、距離を置いてきました。本書の第5章では「介護保険とは何か」「介護認定とは何か」「どこに相談すればいいのか」といった基本的な問いから始まります。その順番が自然で、身構えずに読み進めることができました。
介護にかかる費用の目安や支給限度額、利用できるサービス、自宅で受けられる支援、高齢者向け施設の種類などが整理されています。さらに、看取りについての問いもあり、老後の終盤まで視野に入れた構成になっています。知識がなければ不安が膨らむテーマだからこそ、丁寧に説明されていることに安心感を覚えました。
介護は突然始まる可能性がありますが、最低限の仕組みを知っているだけで心構えが違うと感じました。何も分からない状態から一歩前に進めた感覚があります。
防犯・防災まで視野に入る安心感
老後の備えというと、お金や健康ばかりを考えていましたが、本書では防犯や防災の視点もきちんと扱われています。詐欺や強盗の凶悪化、自然災害への備えなど、日常生活の安全に関わるテーマが取り上げられており、視野が広がりました。
運転免許証の返納や認知機能検査の話題もあり、生活の中で直面する判断について考えさせられます。ひとり暮らしの場合の不安や、もし倒れたらどうなるのかといった問いも並び、単身世帯の現実に寄り添っている印象を受けました。老後は長い時間だからこそ、日常の安全も重要だと実感しました。
お金や医療だけでなく、暮らし全体を守る視点があることで、安心感が増しました。生活を総合的に整えるという意味が、この章を通してよりはっきりしました。
まとめ

本記事では、『この1冊で賢く備える おひとりさまの老後大全』の内容と魅力を、章立てやテーマごとに整理してきました。老後資金や年金、健康や介護、終活まで幅広い領域を扱う本書は、「何から始めればいいのかわからない」という人にとって、全体像をつかむための地図のような一冊です。
ここであらためて、本書から得られる価値と、読み終えた後に意識したいポイントを振り返ります。
- この本を読んで得られるメリット
- 読後の次のステップ
- 総括
それぞれ詳しく見ていきましょう。
この本を読んで得られるメリット
ここでは、本書から得られる主なメリットを詳しく解説します。
老後の不安を「見える化」できる
最大のメリットは、漠然とした心配が具体的な論点へと整理されることです。老後資金はいくら必要なのか、年金はどのタイミングで受け取るのがよいのか、介護が必要になったらどこに相談すればいいのかなど、普段は後回しにしがちな疑問が明確な問いとして提示されています。問いが明確になると、感情ではなく情報に基づいて考えられるようになります。これは不安を減らすうえで非常に大きな効果があります。
お金の全体像を立体的に理解できる
老後資金、年金、退職金、投資といったテーマは、それぞれ単独で考えられがちです。しかし本書では、それらを一連の流れとして捉えられる構成になっています。たとえば、資産の把握から不足リスクの確認、受給方法の選択、制度の活用までを横断的に理解できます。点ではなく線で考えられるようになるため、場当たり的な判断を避けやすくなります。
医療・介護への備えを現実的に考えられる
健康や介護の問題は、直面してからでは選択肢が限られることが少なくありません。本書では、健康寿命、医療費、介護認定、サービスの種類、施設の選択肢など、実務的な視点で整理されています。具体的な仕組みを知ることで、「もしも」の状況を想像しやすくなり、事前準備の重要性を理解できます。これは精神的な安心感にもつながります。
ひとり暮らしのリスクを具体化できる
近年増加している単身高齢者の現実を踏まえ、防犯や防災、孤独死、身元保証といった問題にも触れられています。誰でも将来的にひとりになる可能性があるという前提に立つことで、今のうちにできる対策を考えられます。リスクを過度に恐れるのではなく、具体的な備えに落とし込める点が大きな価値です。
終活を前向きな準備として捉え直せる
相続や遺言書、デジタル遺品、エンディングノートといったテーマは重く感じられがちですが、本書では「後悔しないための整理」として紹介されています。終活は死の準備ではなく、これまでの人生を整え、残される人への配慮を形にする行為です。視点が変わることで、怖い話から建設的な話へと印象が変わります。
読後の次のステップ
本書を読み終えたとき、多くの人は「やるべきことが見えてきた」という感覚を持つはずです。しかし、知識は行動に移してこそ意味を持ちます。老後の備えは、一気に完璧を目指すものではなく、優先順位をつけながら段階的に整えていくものです。
ここでは、読後に取り組みたい具体的なステップを整理します。
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1現在地を把握する(資産と支出の棚卸し)
最初に取り組みたいのは、自分の現状を正確に知ることです。預貯金、保険、証券口座、不動産などの資産を一覧にし、毎月の生活費や固定費を書き出します。これは家計簿をつけるというよりも、「老後の設計図を描くための材料集め」です。曖昧だった数字が明確になることで、漠然とした不安が現実的な課題へと変わります。
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2年金と退職金の受け取り方を確認する
次に行いたいのは、公的年金の受給見込み額や受け取り時期の選択肢を確認することです。繰上げや繰下げの違いを理解したうえで、自分の健康状態や就労予定と照らし合わせて検討します。退職金がある場合は、一時金で受け取るのか年金形式にするのかを再検討することで、将来の資金計画がより具体的になります。
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3医療・介護の備えを家族と共有する
健康や介護の問題は、本人だけでなく家族にも影響します。かかりつけ医の有無、保険の内容、介護保険制度の仕組みなどを整理し、信頼できる人と共有しておくことが重要です。延命治療や施設入所の希望など、自分の意思を言語化しておくことで、将来の判断がスムーズになります。
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4終活の第一歩を踏み出す
いきなり遺言書を書く必要はありませんが、エンディングノートの作成やデジタル資産の整理から始めるのがおすすめです。銀行口座やクレジットカード、ネットサービスの情報を一覧にしておくだけでも、残される人の負担は大きく軽減されます。小さな整理が、将来の大きな安心につながります。
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5生活の質を高める行動を選ぶ
最後に意識したいのは、「守り」だけでなく「攻め」の準備です。働き方の見直しや学び直し、地域活動への参加など、これからの時間をどう充実させるかを考えます。老後は縮小の時期ではなく、再設計の時期です。楽しみや生きがいを意識的に組み込むことで、人生後半の満足度は大きく変わります。
読後の行動は“完璧さ”よりも“着手の早さ”が重要です。
老後対策は一度の決断で終わるものではなく、定期的に見直すライフプランニングの継続プロセスであることを意識しましょう。
総括
本書は、老後に関する不安を一つひとつ丁寧に言語化し、「知らないことが不安の正体である」という事実を読者に気づかせてくれる一冊です。年金や退職金、医療や介護、働き方や終活といったテーマは、それぞれが独立しているようでいて、実際には密接につながっています。本書はそれらを断片的な情報としてではなく、人生後半を支える“全体設計図”として提示している点に大きな価値があります。
特に印象的なのは、専門家によるQ&A形式の解説によって、難解になりがちな制度や法律、金融の話題が現実的な選択肢として理解できるようになっていることです。単なる知識の羅列ではなく、「自分の場合はどうか」と考えられる構成になっているため、読み進めるうちに自然と自分ごと化が進みます。その結果、老後を受け身で迎えるのではなく、自ら設計する意識へと変化していきます。
また、ひとり暮らしの高齢者が増加する社会背景を踏まえ、「誰にでも起こり得る未来」として問題を提示している点も重要です。今は配偶者がいても、子どもが近くに住んでいても、将来の環境は変わる可能性があります。本書は、特定の人のための本ではなく、すべての人にとっての“備えの教科書”として機能します。
老後は「余生」ではなく「新たな人生の時間」であるという視点を軸に、本書は守りの準備と同時に、これからをどう充実させるかという前向きな問いを投げかけます。
不安を整理し、必要な知識を身につけ、行動へと移す。その一連の流れを支えてくれる本書は、これからの時代における実践的な人生設計ガイドといえるでしょう。
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