
いつかはみんな、おひとりさま。
結婚しているか、子どもがいるかに関係なく、人生の後半では「自分で決める」「自分で動く」場面が確実に増えていきます。
親の介護、住まいの選択、病気や仕事の問題、そして親が亡くなった後の手続きまで、誰もが直面しうる現実はある日突然やってきます。
そのときになって慌てないためには、事前に全体像を知っておくことが何よりの備えになります。
『おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド』は、こうした人生後半の不安を「準備できる不安」に変えるための一冊です。
終活という言葉に身構える必要はありません。この本が伝えているのは、今すぐ何かを決断することではなく、何が起こり得るのか、どんな選択肢があるのかを知ることの大切さです。
介護やお金、住まい、病気、相続といった複雑なテーマを、順序立てて理解できる構成になっています。
不安を感じているからこそ、読む意味があります。
将来を悲観するためではなく、前向きに人生を選び続けるために必要な知識を整理することが、この本の役割です。
人生後半を安心して歩むための「地図」として、本書を手元に置いてみてはいかがでしょうか。
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書籍『おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド』の書評

本書は、「人生の終盤に“自分で判断する局面”が増える」という前提に立ち、介護・お金・住まい・墓・病気・離婚・死後手続き・相続までを実務ベースで俯瞰できるガイドです。
編集元の強みと、本書が何を解決するために作られているのかを、次の流れで整理します。
- 著者:日経WOMANのプロフィール
- 本書の要約
- 本書の目的
- 人気の理由と魅力
それぞれ詳しく見ていきましょう。
著者:日経WOMANのプロフィール
日経WOMANは、日経BPが発行する月刊誌『日経ウーマン』の編集ブランドで、「働く女性の人生を、仕事と暮らしの両面から支える」ことを長年の編集理念としてきました。創刊は1988年で、当初から一貫して、単なる成功談や精神論ではなく、再現性のあるノウハウ、数字や制度に裏打ちされた実用情報を重視してきた点が大きな特徴です。
日経WOMANが対象としてきた読者は、仕事を持ち、生活の意思決定を自分で行う女性たちです。キャリア形成、資産管理、メンタルケア、家族との関係、老後の設計など、人生のあらゆる局面を「自分の判断で選び取る」ことを前提に編集されています。そのため、記事づくりにおいては、専門家の知見と同時に、一般の読者が直面しているリアルな悩みや体験談が重ねられます。
また、日経WOMANは編集部名義でムックや別冊を多数刊行しており、その多くが「何から始めればいいかわからない」という初心者層を強く意識した構成になっています。一つの分野を深掘りするというより、複数のテーマを横断しながら、読者の時間軸に沿って整理し直す編集力に定評があります。本書『おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド』も、その編集スタイルが色濃く反映された一冊です。
本書の要約
本書は、「人生の終盤にひとりになる可能性」を特別なケースではなく、多くの人に起こりうる前提条件として捉えています。未婚か既婚か、子どもがいるかどうかに関係なく、女性は配偶者との死別や家族構成の変化によって、晩年を一人で迎える確率が高いという現実を出発点にしています。
内容は、人生後半に起こりやすい出来事を時系列で整理し、それぞれの段階で「知っておくと困らないこと」「先に整えておくと楽になること」を具体的に示しています。前半では、生き方やお金、記録の残し方といった基礎的な準備を扱い、中盤では親の介護や住まい、墓といった家族に関わる問題を掘り下げ、後半では病気や離婚といった人生の危機、そして死後の手続きや相続へと進みます。
初心者が誤解しがちな点として、「終活=死の準備」というイメージがありますが、本書が扱っているのはむしろ「判断力があるうちに、選択肢を整理しておくこと」です。たとえば、医療や介護の希望を言葉にしておくこと、重要な情報の置き場所を明確にしておくことなど、日常生活の延長線上にある行動が中心です。そのため、読む側に過度な心理的負担を与えず、現実的な一歩を踏み出しやすい構成になっています。
本書の目的
本書の目的は、将来への不安を無理に消すことではありません。不安の原因を分解し、「何が分からないのか」「どこで判断が止まりやすいのか」を可視化することで、備えられる不安へと変えていくことにあります。人生後半の問題は、知識が足りないからではなく、情報が整理されていないために混乱が生じるケースが多く見られます。
例えば、相続や介護、医療制度などは、それぞれに期限や条件、相談先が異なります。これらを場当たり的に調べようとすると、専門用語や例外規定に振り回され、かえって不安が増してしまいます。本書では、そうした混乱を避けるために、「まず何を確認するか」「次に誰に相談するか」「どの段階で決断が必要か」といった判断の流れを意識した構成が取られています。
終活を「死の準備」として捉えるのではなく、「これからの人生を安心して選択するための準備」と再定義している点が、本書の根本的な目的です。すべてを決めきることを求めず、考え始めるきっかけを与えることに重きを置いているため、終活に抵抗感のある人でも読み進めやすくなっています。
人気の理由と魅力
本書が多くの読者に支持されている理由は、現実との距離感にあります。将来の不安を過度に煽ることも、楽観的に片づけることもなく、「起こり得ること」を冷静に整理しているため、読者は感情的に振り回されにくくなります。
扱うテーマの幅が広い点も大きな魅力です。介護や相続といった定番の話題に加え、メンタル不調、がん治療、離婚、デジタル遺品など、現代の女性が直面しやすい課題を一つの流れで捉えています。そのため、「これは自分には関係ない」と思って読み飛ばしてしまう箇所が少なく、自然と自分事として考えられる構成になっています。
また、読者の状況に応じて、必要な章から読める点も評価されています。すべてを最初から順番に読む必要はなく、今まさに関心のあるテーマから入っても全体像がつながるよう設計されています。雑誌編集で培われた情報整理力が、実用書としての使いやすさにつながっています。
読み終えた後に残るのは、不安ではなく「分かっている」という感覚です。完全に安心できるわけではなくても、何をすればよいかが見えている状態は、人生後半を考えるうえで大きな支えになります。その感覚こそが、本書が「お守りのように手元に置かれる」理由だと言えるでしょう。
本の内容(目次)

本書は、人生後半に直面しやすい出来事を「考え方の整理」から「実際の手続き」まで、段階的に理解できる構成になっています。いきなり介護や相続といった重いテーマに入るのではなく、まずは自分の立ち位置を確認し、その後に現実的な課題へ進む流れです。
全体像は次の4つのパートで構成されています。
- Part1|おひとりさまの人生後半の生き方&終活
- Part2|親と私の介護・墓・住まい対策
- Part3|人生後半の「危機」の乗り切り方
- Part4|親が亡くなった後にやるべきこと
これらは独立した章でありながら、順に読むことで「今は何を知っておく段階なのか」「次に備えるべきことは何か」が自然につながるよう設計されています。
以下では、それぞれのパートが担う役割を初心者にも分かる形で解説します。
Part1|おひとりさまの人生後半の生き方&終活
この章では、「いつかはひとりになる可能性が高い」という現実を前提に、人生後半をどう生きるかを考えるところから始まります。シングルか既婚か、子どもがいるかどうかに関係なく、女性は配偶者との死別や家族関係の変化によって、最終的に一人で判断を下す場面が増えていきます。そのときに慌てないための考え方を、早い段階から整えていく重要性が語られています。
具体的には、「ひとり力」というキーワードを軸に、自分の生活やお金、選択を自分で把握しておくことの大切さが紹介されます。ここでいう力とは、特別な能力ではなく、自分の状況を説明できる状態を指します。収入や貯蓄の詳細を暗記する必要はなく、「何がどこにあるか」「困ったときに誰に頼れるか」を言葉にできることが目標です。
さらに、エンディングノートやデジタル遺品の整理といったテーマも扱われますが、完璧に書き上げることは求められていません。時間のあるときに少しずつ書き留め、情報の所在を明らかにするだけでも、将来の混乱は大きく減ります。日常の延長線上でできる準備を積み重ねる章だと言えるでしょう。
Part2|親と私の介護・墓・住まい対策
この章では、親の介護という避けて通れないテーマと、自分自身の老後を同時に考える視点が示されます。実際の介護体験をもとに、「頑張りすぎないこと」「一人で抱え込まないこと」が重要であると説明され、介護の場面では工夫や割り切り、制度の活用が必要であることが語られます。感情だけで動くと共倒れになりやすい現実を、具体的な視点から整理しています。
続いて、介護とお金の関係について詳しく触れられます。やってはいけないこと、確認すべきポイント、親のお金をどう使うかという考え方、そして介護離職を避けるための制度利用など、介護を「生活の一部」として続けるための視点が示されます。ここでは、正しさよりも現実性が重視されており、無理のない判断をするための材料が並べられています。
また、老後の住まいについては、元気なときと支援が必要になったときを分けて考える発想が紹介されます。墓についても、「家」単位から「個人」単位へと価値観が変わりつつある現状を踏まえ、親と自分それぞれの選択を考える視点が示されます。この章全体を通して、将来の負担を減らすためには、早い段階で選択肢を知っておくことが大切だと伝えられています。
Part3|人生後半の「危機」の乗り切り方
この章では、病気や心の不調、離婚といった、人生の流れを大きく変える出来事への備えが扱われます。こうした出来事は誰にでも起こり得るにもかかわらず、事前に学ぶ機会が少なく、実際に直面したときに強い不安を感じやすい分野です。
中年期のうつについては、気持ちの問題として片付けるのではなく、休むことや治療を続けるために必要な支援や準備が紹介されています。復職を見据えた考え方や、治療が長引いた場合に頼れる制度を知っておくことで、必要以上に自分を追い込まずに済むことが示されています。
がんや離婚についても同様に、感情面だけでなく、お金や手続きといった現実的な側面が整理されています。検診から治療までの流れ、離婚の進め方とお金の整理など、「何が起こるのか」を事前に知ることで、危機を乗り切るための見通しが立てやすくなります。
Part4|親が亡くなった後にやるべきこと
この章では、親が亡くなった後に発生する一連の手続きが、順を追って説明されます。葬儀は亡くなった瞬間から始まるという考え方を軸に、最初に必要な届け出や書類の取得、そしてその後に続く煩雑な手続きが整理されています。感情的に余裕のない時期に対応しなければならない現実を踏まえ、流れを把握することの重要性が示されています。
続く相続のパートでは、誤解しやすい点をクイズ形式で確認しながら、生前にできることと亡くなった後に行う手続きを区別して説明します。相続が発生してからの一定期間ごとに、何をすべきかが整理されており、「いつまでに何をするのか」が見える構成になっています。専門知識がなくても、全体像をつかめるよう配慮されています。
この章は重く感じられがちですが、知っていることで救われる場面が多い内容でもあります。何も分からないまま直面するのと、流れを理解している状態で向き合うのとでは、精神的な負担が大きく異なります。事前に知ること自体が、親と自分を守る行為であることが伝えられています。
対象読者

この本は、「終活」という言葉に漠然とした不安を抱えている人に向けて、人生後半を現実的に整えていくための視点と知識を提供しています。特定の立場の人だけを想定した内容ではなく、家族構成や現在の状況が異なる人でも、自分に引き寄せて読める構成になっているのが特徴です。
ここでは、本書が特に役立つと考えられる読者像を五つに分けて紹介します。
- 将来ひとりになる可能性に不安を感じている女性
- 親の介護や老後の問題が現実になりつつある人
- 独身・子なしで老後の備えを知りたい人
- 終活を何から始めればいいかわからない人
- 親が元気なうちに準備しておきたい人
それぞれの立場で、どのような不安や疑問に応えてくれるのかを具体的に見ていきましょう。
将来ひとりになる可能性に不安を感じている女性
本書がこのタイプの女性にふさわしい理由は、「ひとりになること」を特別なリスクや失敗として扱っていない点にあります。結婚や出産の有無に関係なく、人生の後半では自分で判断しなければならない場面が増えるという前提に立ち、その状況で何が起こり得るのかを順序立てて示しています。不安の正体を「将来そのもの」ではなく、「分からない状態」にあると整理してくれるため、気持ちを落ち着けて読み進めることができます。
また、「ひとり力」や「ひとりマネー力」といった考え方を通して、誰かに依存しない生き方ではなく、必要なときに頼れる選択肢を持つ生き方が提示されています。ひとりで生きることを前向きに捉え直す視点があるからこそ、将来への漠然とした不安を、具体的な準備へと変えやすい構成になっています。
親の介護や老後の問題が現実になりつつある人
この本は、親の老いを感じ始めた段階の人にとって、判断の軸を与えてくれる構成になっています。介護や老後の問題は、突然直面すると感情に流されやすく、何が正解か分からないまま動いてしまいがちですが、本書では事前に知っておくべき視点や確認ポイントが整理されています。そのため、現実味を帯びてきた不安を、冷静に考える材料として扱うことができます。
さらに、親の問題を「親だけの話」と切り離さず、自分自身の将来と重ねて考える構成になっている点も、この層に向いている理由です。親の介護をきっかけに、自分の老後も同時に見直す流れが自然に組み込まれており、場当たり的な対応に終わらせない設計になっています。
独身・子なしで老後の備えを知りたい人
独身や子どもがいない人にとって、老後や死後の備えは「誰に頼れるのか分からない」という不安と直結しやすいテーマです。本書は、その前提を否定せず、「家族がいない場合でもどう備えるか」という視点で情報を整理しています。そのため、一般的な家族モデルを前提とした終活本に違和感を覚えてきた人にも読みやすい内容です。
また、「すべてを一人で抱え込む」のではなく、制度や仕組みを利用するという考え方が繰り返し示されています。人に頼るのではなく、仕組みに支えられる状態をつくるという発想は、この立場の人にとって現実的で再現性が高く、本書が適している理由の一つです。
終活を何から始めればいいかわからない人
終活に興味はあるものの、どこから手を付ければよいのか分からない人にとって、本書は入口として非常に適しています。その理由は、「最初から全部やらなくていい」という前提で構成されているからです。考え方の整理から始まり、必要になったときに具体的な準備へ進める流れが示されています。
エンディングノートやデジタル遺品といった項目も、「やるべき作業」としてではなく、「知っておくと役立つ情報」として紹介されています。そのため、終活に対する心理的なハードルが下がり、無理なく第一歩を踏み出しやすくなっています。
親が元気なうちに準備しておきたい人
親が元気な段階で準備をしておきたいと考える人にとって、本書は話し合いの土台をつくる役割を果たします。介護や死後の話題は切り出しにくいものですが、本書はそれらを「将来の選択肢を増やす準備」として位置付けており、重くなりすぎない視点を提供しています。
また、元気な時期だからこそ可能な確認事項や整理の重要性が示されているため、「後回しにしない理由」が明確になります。親子双方が冷静に話せるタイミングで準備を進めることが、結果的にトラブルを減らすという考え方が、この層に本書が適している理由です。
本の感想・レビュー

「いつかはおひとりさま」という前提に納得できた
この本を読んで、まず心に残ったのは「いつかはみんな、おひとりさま」という前提を、避けずに真正面から示している点でした。これまで私は、結婚しているかどうか、子どもがいるかどうかで将来の安心度が決まるような感覚をどこかで持っていましたが、本書ではその考えを静かにほどいていきます。感情を煽ることなく、人生の流れとして自然に語られているので、怖さよりも「そういう可能性は確かにある」と腑に落ちました。
Part1で語られる人生後半の生き方は、「ひとり=孤独」という短絡的な捉え方ではありません。自分で判断し、自分で選ぶ場面が増えるという現実を受け止めたうえで、どう備えるかが丁寧に説明されています。読んでいるうちに、「ひとりになるかもしれない未来」を過度に恐れる必要はないのだと感じるようになりました。
読み終えたあと、不安が消えたわけではありませんが、「考えないまま怖がっていた状態」からは確実に抜け出せたと思います。この前提を受け入れられたことで、先の章に進む心の準備が整ったような感覚がありました。
終活を前向きに考えられるようになった
正直に言うと、終活という言葉には重たい印象がありました。人生の終わりを意識させられるようで、できれば避けたいテーマだったのが本音です。でもこの本では、終活を暗いものとして扱っていません。人生後半をどう生きたいかを考えるための整理として描かれていて、その距離感がとても読みやすかったです。
内容説明や冒頭部分でも繰り返されているように、この本は「今からできること」と「いざというときに必要な知識」を分けて示しています。そのため、今すぐ何かを決めなければならないという圧迫感がありません。終活を一気にやり切るものではなく、人生の延長線上にある準備として捉えられました。
読み進めるうちに、終活は人生を縮める行為ではなく、むしろこれからを前向きに生きるための土台なのだと思えるようになりました。終活という言葉に対する抵抗感が薄れたこと自体が、この本を読んで得た大きな変化です。
親の問題と自分の将来を同時に整理できた
これまで親の介護や老後について考えるとき、私はそれを「親の課題」として切り分けていました。しかしPart2を読んで、その考え方が少し変わりました。親の介護、住まい、墓の問題は、どれも親だけの話ではなく、自分自身の将来の姿とも重なっていることが自然と伝わってきます。
本書では、親と自分を対立させるような書き方はされていません。むしろ「親も私も」という視点が一貫していて、両方を同時に考えることの大切さが語られています。そのため、読みながら「もし自分だったらどうだろう」と考える流れが自然に生まれました。
親の問題を通して自分の将来を考えられる構成は、気持ちの整理にもつながりました。親のことを考えることが、そのまま自分を守る準備になるのだと理解できたのは、この本ならではの視点だと思います。
お金と制度の話が現実的で役立つ
お金や制度の話は、どうしても難しそうで身構えてしまいます。この本もそうしたテーマを扱っていますが、読んでみると意外なほど現実的で、地に足のついた内容だと感じました。知識をひけらかすような書き方ではなく、「人生後半で判断が必要になる場面」に焦点を当てている点が印象的でした。
特に、介護や病気、生活が変化する場面とお金の関係が整理されていることで、将来を具体的に想像しやすくなります。数字や制度の名前を覚えることよりも、「どんな考え方で向き合えばいいのか」が伝わってきました。そのため、読み終えたあとに「全部は理解できなくても大丈夫」と思えたのが正直な感想です。
お金の話が怖くなくなった、というよりも、「知らないままの方が怖い」という感覚に変わった気がします。現実から目をそらさずに向き合えるようになった点で、この章はとても実用的でした。
介護を一人で背負わなくていいと知れた
介護については、「家族が何とかするもの」という思い込みが自分の中にありました。本書を読んで、その考えが必ずしも正解ではないと知り、気持ちが少し楽になりました。Part2では、介護の大変さを過度に強調するのではなく、長く続く現実として冷静に描いています。
特に印象に残ったのは、介護を頑張り続けることが必ずしも良い結果につながるわけではない、という視点です。一人で抱え込まないこと、無理をしないことが繰り返し語られていて、「そう考えてもいいのか」と感じました。介護を美談にしない姿勢が、かえって信頼できました。
この章を読んだことで、介護に対する恐怖が完全になくなったわけではありませんが、「一人で背負わなくてもいい」という考え方を知れたのは大きな収穫でした。将来に向けて、少し現実的な目線を持てるようになったと思います。
デジタル遺品という新しい視点が得られた
この本を読んで、これまで意識していなかったテーマに目を向けるきっかけになったのが、デジタル遺品についての章でした。終活というと、書類や財産、住まいといった「形のあるもの」を思い浮かべがちですが、本書ではデジタルの情報も人生の一部として扱われています。その視点がとても自然で、現代の生活に即していると感じました。
本人が亡くなったあとにどうなるのか、という問いかけは決して大げさではなく、今の生活を振り返るきっかけになります。日常的に使っているものほど、当たり前すぎて整理の対象として意識しにくいことに気づかされました。難しい話に寄せることなく、「知っておくべきこと」として淡々と書かれている点も読みやすかったです。
終活の中にデジタルの視点が含まれていることで、この本が単なる一般論ではなく、今の時代に合わせて作られていることが伝わってきました。新しいテーマでありながら、浮いた印象がなく、全体の流れの中にきちんと収まっているのが印象的でした。
エンディングノートの第一歩として最適
エンディングノートについては、興味はあっても手を付けられずにいました。きちんと書かなければ意味がないのではないか、途中で止まってしまったらどうするのか、そんな気持ちが先に立っていたからです。この本では、そうした迷いを前提に話が進んでいくため、読んでいて気持ちが楽でした。
本書で語られているのは、完成させることよりも、書き留めることの意味です。時間のあるときに少しずつ向き合えばいいという姿勢が一貫していて、構えすぎなくていいのだと感じました。終活に対するハードルを下げる役割を、この章が果たしているように思います。
エンディングノートを「やらなければならない作業」ではなく、「自分の考えを整理する手段」として捉え直せたことは、大きな変化でした。この本をきっかけに、まずは気負わず向き合ってみようと思えた点が印象に残っています。
不安が整理され、気持ちが軽くなった
読み進める中で感じたのは、不安が消えるというよりも、形を持ち始めたという感覚でした。これまでは、将来について考えようとすると漠然とした心配が先に立ち、思考が止まってしまっていましたが、本書では不安の中身が一つずつ言葉になっていきます。
人生後半に起こり得る出来事が整理されていることで、「何が分からなくて不安なのか」が見えてきました。分からないことが多すぎた状態から、分かっていない部分を自覚できる状態へ移れたことが、気持ちの軽さにつながっているのだと思います。
重いテーマを扱っているにもかかわらず、読み終えたあとに残るのは焦りではありませんでした。不安を抱えたままでも、向き合い方が分かっていれば前に進める。その感覚を得られたことが、この本の大きな価値だと感じています。
まとめ

ここまで紹介してきたように、本書は終活というテーマを「特別な準備」ではなく、「これからの人生を安心して生きるための実用知識」として整理してくれる一冊です。
ブログ記事の締めくくりとして、最後に本書の価値と、読後に意識したいポイントを整理しておきます。
- この本を読んで得られるメリット
- 読後の次のステップ
- 総括
不安を抱えたまま先送りにするのではなく、理解することで前向きに進むための視点を確認してみてください。
この本を読んで得られるメリット
ここでは、本書を通して得られる主な価値を、具体的な観点から整理していきます。
人生後半の全体像を一冊で把握できる
本書の大きなメリットは、終活、介護、病気、住まい、相続といったテーマを、断片的ではなく一続きの流れとして理解できることです。多くの人は、介護は介護、相続は相続と個別に考えがちですが、実際にはこれらは連動しています。本書では、人生の後半で起こりやすい出来事を時間軸に沿って整理しているため、「今はどこを考えておけばいいのか」「次に何が起こりやすいのか」が見えやすくなります。その結果、将来を漠然と怖がるのではなく、現実的に見通す力が身につきます。
不安を行動に変える判断軸が手に入る
終活や老後の話題は、気持ちの問題として先送りされがちです。本書では、不安を感情論で終わらせず、「では、何を確認すればいいのか」「どこまで準備しておけば十分なのか」という判断の基準が示されています。これにより、読者は自分なりのゴール設定ができるようになります。すべてを完璧に整える必要はなく、「ここまではできている」と確認できる状態そのものが、安心感につながります。
専門知識を生活レベルで理解できる
介護制度や医療、相続といった分野は、専門用語が多く、知識のない人ほど距離を感じやすいテーマです。本書では、制度そのものを暗記させるのではなく、「どんな場面で必要になるのか」「知らないと何が起こりやすいのか」という生活に引き寄せた説明が中心になっています。そのため、知識が点ではなく線として理解でき、いざというときに思い出しやすくなります。
「ひとり」を前提にした現実的な備えができる
家族がいることを前提にした終活本では、自分の状況に当てはまらないと感じる人も少なくありません。本書は、人生の終盤に一人で判断する可能性が高いという前提に立って構成されているため、独身・既婚を問わず、自分事として読み進めることができます。誰かに頼るのではなく、仕組みや準備によって支えられる状態を目指す考え方は、これからの時代に即した実用的なメリットと言えるでしょう。
「まだ先」ではなく「今から少しずつ」始められる
終活という言葉に重さを感じる人でも、本書を読むことでハードルが下がります。やるべきことが段階的に示されているため、「今日からすべて始めなければならない」というプレッシャーを感じずに済みます。時間のあるときに確認する、気になったところだけ整えるといった柔軟な取り組み方ができる点も、長く役立つメリットです。
読後の次のステップ
本書を読み終えたあと、「理解できた」で終わらせず、日常の中でどう活かしていくかが大切になります。大きな決断や準備を一気に進める必要はありません。読後に取るべきステップは、負担を感じない範囲で、少しずつ思考を行動につなげていくことです。
ここでは、無理なく実践しやすい次の段階を整理します。
step
1自分の立ち位置を確認する
まず行いたいのは、本書の中で扱われていたテーマのうち、今の自分に最も近いものを一つ選ぶことです。親の介護なのか、老後の住まいなのか、あるいはお金や健康の問題なのかを考えるだけで構いません。現在地を意識することで、将来の不安が具体的な課題として整理され、考えるべき範囲が絞られます。
step
2気になった章を読み返す
一度通読したあとに、関心を持った章を改めて読み直すことで、理解は深まります。最初は全体像を把握することが目的ですが、二度目以降は「自分の場合はどうなるか」という視点で読むことができます。同じ内容でも、立場や状況を当てはめることで、気づくポイントが変わってきます。
step
3分かっている情報を書き出す
次の段階として、自分や親に関する情報を簡単に書き出してみることが役立ちます。すべてを網羅する必要はなく、住所や連絡先、重要な書類の所在など、思い出せる範囲で十分です。頭の中にある情報を外に出すだけでも、漠然とした不安は整理されやすくなります。
step
4今は決めなくていいことを見極める
本書を読んでいると、さまざまな準備項目が目に入りますが、すべてを今決める必要はありません。重要なのは、「今すぐ決めるべきこと」と「将来のために知っておけばいいこと」を区別する視点です。その線引きができるようになるだけで、終活に対する心理的な負担は大きく下がります。
step
5定期的に立ち戻る習慣を持つ
人生の状況は時間とともに変わります。親の年齢、自分の健康、仕事や生活環境が変化すれば、必要な知識も変わります。本書は一度読んで終わる本ではなく、節目ごとに読み返すことで、その時点での判断を支えてくれる存在になります。
総括
『おひとりさまの親と私の「終活」完全ガイド』は、終活を特別な出来事や人生の終わりの準備としてではなく、これからの人生を安心して選び続けるための知識として整理してくれる一冊です。結婚や子どもの有無に関係なく、人生の後半では自分で判断しなければならない場面が増えるという現実を、冷静かつ現実的に示しています。
本書が優れている点は、不安を過度に煽らず、かといって楽観的に流すこともなく、起こり得る出来事を順序立てて理解できる構成にあります。介護やお金、住まい、病気、相続といった重いテーマを扱いながらも、読者が自分の状況に当てはめて考えられる余白が残されているため、読み進める中で気持ちが整理されていきます。
また、親の問題と自分自身の将来を切り離さずに考えられる点も、この本ならではの特徴です。親の介護や死後の手続きを知ることは、そのまま自分の老後を考えることにつながります。本書は、その二つを同時に見渡せる視点を与え、どちらか一方に偏らない判断を助けてくれます。
人生後半に対する不安は、完全になくすことはできません。
しかし、何が起こり得るのかを知り、考える順番を理解しているだけで、向き合い方は大きく変わります。
この本は、将来を悲観するためのものではなく、前向きに備えるための実用的なガイドとして、長く手元に置いておきたい一冊です。
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