政府は保育所の利用要件を緩め、親が短時間勤務者や専業主婦の世帯でも利用しやすくなる仕組みを検討しはじめました。
現行のルールでは利用要件を満たさず保育所を利用できない子どもを預かるモデル事業を2023年度に始め、全国展開をめざします。
政府が3月末をめどにまとめる少子化対策の原案に方針を盛り込む予定です。
親の育児負担の軽減や孤立防止につなげたい考えです。
詳しく解説していきます。
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保育所の供給過剰により、地方圏で定員の空きが増えている
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専業主婦の家庭でも保育所を利用できるようになる
こども家庭庁は2023年度、保育所や幼稚園に通っていない0~5歳の子どもを定員に空きのある保育所で週1~2回ほど継続的に預かるモデル事業を実施します。
保育所を利用する親の就労要件の緩和に向けた課題を整理して法律にします。
保育所は原則として共働き世帯や、親が病気を抱えている世帯などの子どもを預かる場所です。
そのため専業主婦(主夫)の家庭は利用できません。
共働きでも、片方の親がパート勤務や時短勤務で一定時間以上働いていないと入所できない場合もあります。
こうした保育所を利用できない世帯では育児支援が手薄になっています。
親族や夫から協力が得られず母親が孤立して子どもを育てている状態は「孤育て」と呼ばれ、社会問題となっています。
第2子をあきらめる理由となったり、なかには児童虐待につながったりするケースもあります。
課題は保育士の確保
要件の緩和には保育士の確保が課題となります。
業務量の多さなどから慢性的に人手が足りない保育現場で、現状の人員体制では対応できない施設も多いとみられています。
特定の園を希望しているなどの理由でカウントされない「隠れ待機児童」の受け皿整備も求められており、処遇改善や労働環境の整備による保育士確保は必須となります。
まとめ
政府は保育所の利用要件を緩め、親が短時間勤務者や専業主婦の世帯でも利用しやすくなる仕組みを検討しはじめました。
こども家庭庁は2023年度、保育所や幼稚園に通っていない0~5歳の子どもを定員に空きのある保育所で週1~2回ほど継続的に預かるモデル事業を実施します。
保育所は原則として共働き世帯や、親が病気を抱えている世帯などの子どもを預かる場所です。
専業主婦(主夫)の家庭は利用できません。
要件の緩和には保育士の確保が課題となります。
業務量の多さなどから慢性的に人手が足りない保育現場で、現状の人員体制では対応できない施設も多いとみられています。