お世話をしてくれる親や親族のいる障害者はいいのですが、支援をしていた人が亡くなったり、高齢になって支援できなくなると、途端に障害者は社会生活を起こるのに困窮してしまいます。
そんな方達の頼りになるのが、共同生活援助(グループホーム)です。
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共同生活援助とは
共同生活援助(グループホーム)は、障害福祉サービスの中で、自立支援給付の訓練等給付にあたります。
地域の中で障害者が集まって共同で生活する場を設け、サービス管理責任者や世話人を配置して生活面の支援をするサービスです。
主に昼間は就労継続支援や小規模作業所などのサービスを受けている知的障害者や精神障害者などを対象としています。
つまり、介護サービスまでは必要ないものの、地域の中で1人で生活していくのが困難という障害者が利用するということです。
障害者の場合、親や親族など支援をしていた人が亡くなったり、高齢になって支援できなくなることで、生活の場を失うおそれがあります。
そのような障害者の受け皿として、グループホームの必要性は高まっています。
また、障害者が社会の中で孤立することを防ぎ、安心して社会生活を起こることをサポートするという役割も担っています。
グループホームの具体的なサービス内容
グループホームの具体的なサービス内容は、日常生活上必要な相談を受ける、食事の提供、入浴、排泄、金銭管理、健康管理、緊急時の対応などです。
こういったサービスを直接提供するのが世話人の役目です。
グループホームには居住者6人に対して1人の割合で世話人が配置されています。
グループホームは入所施設を単に小型にしたものではなく、障害のある人が地域の中で、家庭的な雰囲気のもとで共同生活を行う住まいの場です。
そのため、一軒家や民間の賃貸マンション、公営住宅などさまざまな形態の住居があります。
一施設あたりの入居者は、新築の場合2名~10名、既存の場合は2名~20名まで入居することができます。
グループホームには各利用者の個室のほかにも、相互に交流するための共同の居間や浴室、食堂など(ユニット)があり、プライバシーを守りつつも共同生活の基礎を学ぶことができます。
利用できる対象者
利用できる対象者は、身体障害者、知的障害者、精神障害者です。
なお、身体障害者の場合は、65歳未満の人、65歳になる前に障害福祉サービスなどを利用したことがある人に限定されています。
グループホームの利用者の例は下記の5つです。
- 一定の介護を必要とするものの、施設ではなく地域の中で暮らしたい人
- 就労している人、または就労を目指している人
- 今まで親と暮らしていたが、将来は自立を目指している人
- 施設や病院から、地域での暮らしに移行したい人
- 住み慣れた地域で暮らしたいが、一人暮らしに不安があるため、支援を受けながら暮らしたい人
グループホームは3つの種類がある
グループホームは、主に下記の3つに分けることができます。
- 介護サービス包括型
- 外部サービス利用型
- 日中サービス支援型
それぞれわかりやすく解説していきます。
1.介護サービス包括型
介護サービス包括型は、相談や日常生活上の援助、食事や入浴などの介護を合わせて行うサービスです。
2.外部サービス利用型
外部サービス利用型は、相談や日常生活上の援助を行い、食事や入浴などの介護は外部の居宅介護事業を受ける形態です。
3.日中サービス支援型
日中サービス支援型は、障害者の重度化や高齢化に対応するために創設された形態です。
日中においても常時の支援体制を確保する必要があります。
その分、世話人の配置も多くしなければなりません。
グループホーム利用にかかる費用
グループホームは障害者総合支援法が定めるサービス利用料が必要になります。
利用料はグループホームの入居者数などにより異なります。
入居者は原則として利用料の1割を負担しますが、負担額には前年の世帯収入に応じた上限が設定されており、上限額以上の自己負担は生じません。
上記のほか、グループホームの家賃、食費や水道光熱費、その他の経費(町内会費や新聞代など)の実費を自己負担します。
これらの料金設定はグループホームにより異なりますが、家賃は一般の住宅に比べ低く設定されているケースが一般的です。
グループホームの家賃補助制度
グループホームには家賃補助制度があります。
制度の対象は、「市町村民税非課税世帯」または「生活保護」の方々です。
事前に申請することで、入居者1人当たりの家賃月額1万円を上限とした助成を受けることができます。
家賃が1万円未満の場合には、実費相当分が支給されます。
グループホームの支援が不要となったら
グループホームは原則として、障害者が共同で生活することを基本としています。
しかし、グループホームの支援が不要となっても、支援がまったくないことで不安を抱え、なかなか自立できないといったケースもあります。
そのため「サテライト型住居」が認められています。
ふだんは民間のアパートなどで生活し、余暇活動や食事などはグループホームを利用することができます。
障害福祉サービスを利用する方法
障害福祉サービスを利用したい場合は、居住地の市町村に申請します。
注意しなければならないのは、市町村ごとに対応窓口の名称が同じではないということです。
一般に、生活福祉課や障害福祉課などの名称がつけられていることが多いようです。
具体的に、どの窓口に対して申請すればよいのかが分からない場合には、申請に出向く前にあらかじめ市町村の総合窓口に問い合わせをしてみましょう。
市町村は相談支援事業を行っている
市町村は障害福祉サービスの一環として相談支援事業を行っていますので、相談支援の中で障害者は自身に適切なサービスの内容や、必要な手続きに関するアドバイスを受けることができます。
その際には、市町村から委託を受けた相談支援事業者からのアドバイスなどを受けることになります。
相談支援事業者は、障害者に変わって申請に関する手続きを代行することも可能です。
相談支援事業者は下記の2つに分類することができます。
- 指定一般相談支援事業者
- 指定特定相談支援事業者
ともに、市町村から指定を受ける必要がありますが、指定一般相談支援事業者は、広く障害者が社会生活を営むうえで抱えた問題について、相談を受け付けます。
これに対して、指定特定相談支援事業者は、傷害福祉サービス利用手続きの相談の他に、サービス等利用計画案の作成まで行ってもらえます。
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