社会保障

介護休業給付とは?介護休業給付の受給要件や手続きを解説

介護休業給付とは?介護休業給付の受給要件や手続きを解説

昨今の日本では高齢化がすすみ、介護の必要性が高くなってきています。

日本の社会保障には、介護をするために会社を休んだ時に給付を受けられる制度があります。


この記事を読めば介護休業給付の「要件」「金額」「注意点」について知ることができます。


介護休業給付とは

介護休業給付とは

介護休業給付金とは、雇用保険に加入している保険者が家族(配偶者や父母、子など一定の家族)を介護するために、介護休業を取得した場合に支給される給付金です。


介護をすることになると、それまでのように仕事をすることができず、今までどおりの給料を受け取ることができません。

そういった人に国がお金を給付して、介護休業中の人の生活を困らないようにするための制度です。


介護休業とは

介護休業とは、病気やけが、身体上または精神上の障害で、2週間以上にわたって常時介護(歩行、排泄、食事などの日常生活に必要な行為に対する介護)を必要とする家族を介護するために取得する休みのことです。


介護休業給付の受給要件

介護休業給付金の受給要件

育児休業給付の受給条件は下記の5つです。

  1. 雇用保険に加入している
  2. 介護休業開始日前2年間に11日以上就業した月が12カ月以上ある
  3. 介護休業中に仕事をした日数が、月に10日以下である
  4. 介護休業中の月々の賃金が、休業前の賃金の80%未満
  5. 介護休業後は原則職場復帰する


それぞれわかりやすく解説していきます。


雇用保険に加入している

育児休業給付金は雇用保険から支払われます。

よって、雇用保険に加入していないと育児休業給付金を受け取ることができません。


自営業の方や、多くのアルバイトやパートで働いている人は育児休業給付金の受給条件を満たしていません。



介護休業前の2年間で、1ヶ月に11日以上働いた月が12カ月以上ある

正社員で働いている人なら特に気にする必要のない条件ですが、問題なのはアルバイトやパート、契約社員で働いていて雇用保険に加入している場合です。


雇用保険の加入条件が下記の3つのため、雇用保険の加入条件を満たしていながら、介護休業給付金の受給条件を満たしていない可能性があります。

雇用保険の加入条件は下記のとおりです。

  1. 労働時間が週20時間以上
  2. 31日以上雇用される見込みである
  3. 学生ではない(例外あり)


契約内容をよく確認し、給付を受けたければ事前に条件を満たすように勤務時間を調整しましょう。


介護休業中の各1ヶ月ごとに、休業開始前の1ヶ月の賃金の8割に満たない

育児休業給付金の目的は、育児をすることによってそれまで通りの賃金を受け取ることができなくなることによる、家計の負担を軽減することです。

受け取れる賃金がそれほど減額しない者はこの条件を満たすことはできません。


1ヶ月の賃金の8割に満たないとは、たとえば、「それまで10万円もらっていたのに、79,999円以下になった場合」です。


介護休業中に仕事をした日数が、月に10日以下である

介護休業期間中に1ヶ月に11日以上働くと、育児休業給付金を受け取ることができなくなってしまいます。


介護休業後は原則職場復帰する

介護休業期間が終了した後は、職場復帰をすることが原則です。

介護休業取得時に退職することが決まっている場合は、給付金をもらうことができません。


ただし、職場復帰する予定であったのに、休業期間中に退職することになった場合は原則として退職日の属する支給単位期間以降の給付金は受けられません。(それまでにもらった給付を返金する必要はありません。)


介護休業給付の金額

介護休業給付金の金額

介護休業給付の1支給単位期間ごとの支給額は、原則として下記の計算式で求められます。

$$休業開始時賃金日額×支給日数×67%$$


休業開始時賃金日額とは、原則として介護休業開始前6カ月間の賃金を180で割った額です。


ただし、上記の「介護休業給付金の受給条件」のところで説明したとおり、それまで受け取っていた月給の8割を超える場合は、給付を受けることができません。


給付制限は下記のとおりです。

介護休業中の会社からの給料 給付金
給与が13%未満の場合 67%分すべての給付が受け取れる
給与が13%~80%の場合 80%までの差額の給付が受け取れる
給与が80%を超える場合 給付はゼロになります



実際にもらえる金額の具体例

実際に支給される金額は、ハローワークに提出した、「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」により、確定した「休業開始時賃金日額」で計算されます。


ただ、介護休業期間に賃金の支払いがない場合の月額支給額は、おおむね以下のようになります。

  • 給与が月額平均15万円程度の場合
     ➝給付金は月額10万円程度

  • 給与が月額平均20万円程度の場合
     ➝給付金は月額13.5万円程度

  • 給与が月額平均30万円程度の場合
     ➝給付金は月額20万円程度



介護休業給付の給付期間

介護休業給付金の給付期間

介護休業をもらうためには、1年以上の雇用期間が必要であり、介護休業の期間は対象家族1人につき通算93日間までです。

この93日を、最大3回に分割して取得することができます。


介護休業は介護生活に入ったとき、労働者にとって大切な制度です。

しかし、労使協定などによって除外者の条件などが異なるので、必ず勤務先に確認しておきましょう。


介護休業給付の申請の仕方

介護休業給付金の申請の仕方

介護休業給付金を受けるには申請し、手続きを踏んで必要な書類を提出する必要があります。

もっとも、事業所が行うことがほとんどで心配することもないのですが、受給者本人が用意する書類もありますのでしっかりと確認していきましょう。


なお、希望すれば受給者本人で手続きを行うことも可能です。よって、手続きは事業主側と受給者でよく相談して決めましょう。


申請に必要な書類

申請を企業側と受給者本人どちらが行っても同じ書類を用意する必要があります。


主に企業側が書類の用意をしなくてはいけないので、企業側に申請を任せたほうが円滑に進みます。

どうしても自分で申請したいという人は、企業に書類をもらい申請しましょう。


主に必要な書類は下記の5つになります。

  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 介護休業給付金支給申請書
  • 上記の内容を証明できる添付書類(賃金台帳や出勤簿など)
  • 被保険者が事業主に提出した介護休業申出書
  • 介護対象家族の方の氏名、被保険者本人との続柄、性別、生年月日等が確認できる書類(住民票記載事項証明書等)



介護休業給付を受けるときの注意点

介護休業給付金を受けるときの注意点

介護休業給付を受けるときの注意点をいくつか解説していきます。


介護休業給付は介護休業後にもらえる

介護休業給付は休業期間が終わってから申請する制度ですので、介護休業中の受給はできません。


要介護度が変更しても制度利用は原則1回

介護休業給付を利用できるのは同じ介護対象者に対して原則1回だけです。

たとえ介護対象者の介護度が重症化したとしても、もう一度同じ対象者で介護休業給付金を受けるとことができません。


介護対象者が同じ場合、複数の家族で介護休業給付を受給できる

例えば、祖父の介護をするために、まず、父が介護休業を3カ月とり、その次に母が3カ月、そして子が3カ月という場合は全員が給付を受け取れます。


逆に、同時に3人が介護休業給付を取得して介護するということも可能です。


育児休業給付と介護休業給付を同時にもらえない

介護休業給付は、他の給付と同時に開始することはできません。


つまり、介護休業中に「別の家族に対する介護休業」や「産前・産後休業」、「育児休業」といった給付がある休業が開始される場合、新しい休業の開始日の前日までで当初の介護休業が終了となります。

そうなると、その日以降の分は介護休業給付金の支給対象となりません。


例えば、子どもの育休中に祖父の介護が始まった場合、育休を切り上げ、祖父の介護休業に変更することになります。




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