社会保障ニュース

医療機関の初診料を30円、再診料を20円それぞれ上げ

医療機関の初診料を30円、再診料を20円それぞれ上げ

厚生労働相の諮問機関は2月14日、2024年度の診療報酬改定に伴う個別サービスの見直し内容をまとめました。

40歳未満の勤務医や事務職員などの賃上げの原資とするために、医療機関の初診料を30円、再診料を20円それぞれ引き上げます。

医療費は高齢化で膨らんでおり、給付の効率化を急ぐ必要があります。


詳しく解説していきます。


医療機関の初診料を30円、再診料を20円それぞれ上げ

医療機関の初診料を30円、再診料を20円それぞれ上げ

今回の見直しで注目されたのが医療機関で働く人の処遇改善です。

そのために初診料を30円、2回目以降の受診時に払う再診料を20円引き上げます。

産業界で2023年におよそ30年ぶりに高い水準の賃上げとなった背景も踏まえ、医療従事者の待遇改善や院内感染対策の原資として活用されます。


追加で初診時に60円、再診時に20円を上乗せできる

初診料などの使い道は医療機関の裁量で決められます。

診療報酬に基づく30円の初診料引き上げとは別に、医療機関は看護師や薬剤師などの賃上げを確実にするために、初診時に追加で60円、再診時に20円を上乗せできます。


3割負担の現役世代は窓口での支払いが初診で27円、再診は12円上がる

追加の上乗せは多くの医療機関で適用されるとみられています。

大くの医療機関での受診で、3割負担の現役世代は窓口での支払いが初診で27円、再診は12円上がることになります。


初診の診察が少ない医療機関は更に加算できる

透析患者や小児科などは初診の診察が少なく、賃上げの原資を十分に確保できない可能性があります。

このような医療機関は80円から640円の間の8段階でさらに加算できるようになります。


マイナ保険証を使って受診するとお得になる

マイナ保険証を使って受診するとお得になる

医療DX(デジタルトランスフォーメーション)も進めます。

健康保険証をマイナンバーカードと一体にした「マイナ保険証」を使って読み取った患者情報を診察に活用できる体制が整備できている場合などに、医療機関に80円分の加算がされます。


マイナ保険証を使って受診した場合に支払う額は20円から10円に引き下げられます。

患者負担は3割負担の人の場合、6円から3円に変わります。

紙の健康保険証では9円支払う必要があり、国民へマイナ保険証の受診を誘導したい考えです。


介護施設と医療機関の連携を強化

介護施設と医療機関の連携を強化

介護との連携も強化されます。

介護施設と医療機関の協力関係を明確化し、往診した際などの加算を設けます。

2024年度は3年に1度の介護報酬の改定があります。

6年に1度となる医療と介護の同時改定を機に、連携を推し進めます。


まとめ

まとめ

2024年度の診療報酬改定に伴い医療機関の初診料を30円、再診料を20円それぞれ引き上げます。

診療報酬に基づく30円の初診料引き上げとは別に、医療機関は看護師や薬剤師などの賃上げを確実にするために、初診時に追加で60円、再診時に20円を上乗せできます。


医療サービスの公定価格である診療報酬は2年に1度見直されます。

2024年度の診療報酬改定では、物価高騰や高まる賃上げの機運を背景に医療界は大幅な賃上げの原資を求めました。


-社会保障ニュース
-