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保険会社が新型コロナウイルスに誤算!500億円超の損失を計上

保険会社が新型コロナウイルスに誤算!500億円超の損失を計上

保険会社が新型コロナウイルスに伴う誤算に直面しています。

自宅で療養する感染者を中心に医療保険の入院給付金の支払額が急増しているためです。

2022年度は例年より約1割多かった21年度を上回るのが確実です。


コロナ陽性で保険金が出る仕組みの保険も販売停止が相次いでいます。

東京海上ホールディングスが2022年8月5日に海外出資先で500億円超の損失を計上する見込みと明らかにするなどコロナの感染再拡大は保険会社の業績を圧迫しています。

商品設計の抜本的な見直しが求められそうです。


支払いが急増している原因は「みなし入院」

支払いが急増している原因は「みなし入院」

支払いが急増しているのは、自宅や自治体が用意したホテルで療養する「みなし入院」の感染者にも入院給付金を支払う措置が続いているためです。

みなし入院への給付金支払いが始まったのは20年春。

生命保険協会に加盟する42社の支払額は今年6月末までの累計で2650億円におよびます。


新型コロナに関連した入院給付金の支払額が2893億円なので、みなし入院は全体の92%弱を占める計算です。

昨年3月末時点では約57%にとどまり、重症化のおそれが小さくなるにつれてみなしの比重が増してきました。


一般的な病気やけがを含めた入院給付金の支払額は平時で7000億円前後。

ところが感染が急拡大した21年度には7533億円と例年より約1割も増えました。

今年度はさらに上回るのが確実です。


保険会社は人員を増員して対応している

保険会社は人員を増員して対応している

影響は保険会社の支払業務と商品設計に表れています。

保険金や給付金を支払うには届いた請求書を1件ごとに審査する必要があります。

各社は円滑な支払いに備え日ごろから一定の人員を抱えていますが、請求の急増で体制面の見直しを迫られています。


明治安田生命保険は平時で180人のところ、他部署の応援を受けるなどして約3割多い240人に増やしました。

富国生命保険も2倍の100人で対応します。

保険会社へ給付金の申請が届くまで1~2カ月の時間差があります。

足元の感染再拡大で請求が殺到するのは秋ごろとみられ、各社は一段の人員増も検討しています。


対応を急ぐのは、請求が届いて5営業日以内に支払うことを約款で定めるためです。

期日を過ぎると遅延利息を上乗せする必要があります。

人員を増やすには派遣会社からの人材に頼ることもあり、保険会社にとり経費面で重荷となります。

「いっそのこと遅延利息を払ったほうが安上がりではないか」と自嘲する声が漏れます。


入院給付金の上限額を引き下げる動き

入院給付金の上限額を引き下げる動き

商品内容の見直しでは、日本生命保険が9月26日の契約分から、入院給付金の上限額を現行の40万円から30万円に下げます。

感染の事実を告知せずに保険加入して給付金を申請する「モラルリスク」も指摘されており、上限額の引き下げという厳しい対応に乗り出します。

一時金型の医療保険は第一生命保険や明治安田生命保険などの大手から中堅まで取り扱っており、給付上限額は50万~20万円。

引き下げで追随する動きが出る可能性もあります。


5類になれば入院勧告の対象外となる

5類になれば入院勧告の対象外となる

みなし入院の感染者は軽症か無症状の場合が多く、入院給付金を支払い続ける必要があるのか疑問視する声があります。

各社は感染症法で2類相当とされる新型コロナの位置付けを、季節性インフルエンザと同じ5類に改める動きを注視しています。

第7波が落ち着けば政府内でも検討課題に浮上するとみられています。

大手の幹部は「5類になれば入院勧告の対象外となる。みなし入院の根拠もなくなるはずだ」と予想しています。


デジタル化の遅れも浮き彫り

デジタル化の遅れも浮き彫り

各社の支払部門では人工知能(AI)に請求書を読ませるなど、効率化に向けた試みも進むが道半ばです。

ある幹部は「新契約に直結する分野から新規投資が優先され、支払部門は後回しになっていた面が否めない」と語っています。

逼迫する支払業務はデジタル化の遅れも浮き彫りにしています。


コロナ専用保険も取り扱い停止が相次ぐ

コロナ専用保険も取り扱い停止が相次ぐ

医師に陽性と診断されたら保険金が出るコロナ専用保険も取り扱い停止が相次いでいます。

4日には損害保険ジャパンがスマートフォン決済PayPay(ペイペイ)を通じて取り扱う商品の販売を停止。

停止は5社目とみられる。損保ジャパンは2月以降の新規契約を対象に、保険料の引き上げや受け取れる保険金の減額に踏み切りましたが、収支悪化に歯止めがかかりません。


コロナ専用保険は若年層を手軽な保険料で開拓しようと狙う保険会社の戦略商品だったが、感染を前提に保険を契約し、保険金を受け取ろうとするモラルリスクを助長した面も否めません。

今後は商品見直しだけでなく、生命保険の悪用に備えた対策が必要になります。



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