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自動運転の普及に伴い自動車保険が大きく変わる

自動運転の普及に伴い自動車保険が大きく変わる

自動運転の普及に伴い自動車保険が大きく変わります。

これまでは運転者の過失を前提にしてきましたが、自動運転ではシステムの設計ミスや誤作動による損害を補償することになるためです。


損害保険ジャパンは車メーカーやシステム会社が契約相手の新たな保険を開発しました。

メーカー自身も保険事業に参入しており、競争の構図が一変しそうです。


自動車の自動運転によって、保険会社は抜本的な見直しを迫られる

自動車の自動運転によって、保険会社は抜本的な見直しを迫られる

現在の車保険は個人や企業など車の所有者が事故に備え加入します。

車保険は保険料収入の約5割を稼ぐ主力商品ですが、システムで動く自動運転車は運転手を必要としません。

全国に張り巡らせた代理店網を通じて個人に加入を促す営業体制を含めて抜本的な見直しを迫られることになります。


自動運転技術は高速道路走行などに限りシステムに運転を任せる「レベル3」まで実現しています。

緊急時は人間が運転する必要があります。

車メーカーは特定の条件下で自動運転にする「レベル4」の商用化を目指しています。

天候悪化や救急車の接近時など自動運転の継続が難しくなった状況でも人が運転を引き継がず、システムが車を安全に停止させることが求められます。


将来は完全に車に運転を任せる「レベル5」を視野に入れており、損保各社は新たな保険のかけ方を模索しています。


事故割合を判定するのは第三者であることが妥当

事故割合を判定するのは第三者であることが妥当

損保ジャパンは自動運転システム開発のティアフォー(名古屋市)と資本提携し、運転手を必要としない自動運転向けの保険を開発します。

運転手ではなくシステムが車を走らせると設計ミスや誤作動が事故原因の多くを占めることになります。

このため自動運転の基本ソフトを搭載した車両の挙動を常に記録し、事故時に原因を特定します。


メーカーの仕様書通りにソフトが動いたか、メーカーの仕様書に問題があったかを検証する狙いです。

メーカーとソフト会社との過失割合は損保ジャパンが判定します。

ティアフォー創業者で最高技術責任者(CTO)を務める加藤真平・東大大学院准教授は「事故割合を判定するのは第三者であることが妥当だ」と話します。


世界に攻勢をかける日本の保険会社

世界に攻勢をかける日本の保険会社

ティアフォーは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の電気自動車(EV)事業にシステムを提供することで合意しました。

鴻海は企業連合を組んでEVの車体や通信基盤を共同開発し、複数のメーカーから完成車の生産受託をめざしています。


損保ジャパンの白川儀一社長は「ティアフォーをフックに、巨大マーケットで存在感を発揮したい」と語ります。

ティアフォーが海外で事業を展開する際は現地の保険会社と保険契約を結んだうえで、損保ジャパンがその保険会社と再保険契約を結ぶことを想定します。

現地の保険会社から「再保険料」という形で保険料を受け取る算段です。


運転挙動で毎月の保険料を算定する保険の登場

運転挙動で毎月の保険料を算定する保険の登場

自動車メーカー自身が保険事業に参入する動きも出てきました。

米EV大手のテスラは21年、テキサス州で自社のEV向けに自動車保険を始めました。

運転挙動で毎月の保険料を算定するのが特徴です。

米国の等級制度は車種によっては保険料が高騰しやすい事情があります。

運転データと連動して安全度を評価すれば保険料を安く設定できると判断しました。


まとめ

まとめ

自動運転の普及に伴い自動車保険が大きく変わります。

これまでは運転者の過失を前提にしてきましたが、自動運転ではシステムの設計ミスや誤作動による損害を補償することになるためです。


自動車の規制法に詳しい森・濱田松本法律事務所の佐藤典仁弁護士は「保険料の算定に個々の運転手の属性データは不要になる。車両や経路のデータだけで保険料を算定できるようになれば、自動車メーカーの方が適切な料率を算定できる可能性が浮上する」と指摘しています。

既存の保険会社は存在意義を問われることになります。



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