2024年度に個人向けの火災保険料が1割超上がる見通しです。
台風など自然災害の多発で保険金の支払額が膨らんでいるためで、引き上げは6年間で4回目になります。
火災保険と一緒に加入する水災保険料も全国一律から市区町村別に5段階に分けられます。
水災保険料の差は現状から最大1.5倍程度となる見込みです。
詳しく解説していきます。
火災保険料が2024年度に1割超上がる
火災保険は火災や落雷など災害に伴う建物や家財の被害を補償します。
現在、個人の加入率は約8割です。
損保各社で作る損害保険料率算出機構が目安となる参考純率を全国平均で1割程度上げる調整を進めています。
引き上げ幅は過去最大で、6月にも金融庁に届け出ます。
損保各社は参考純率を基に人件費などの経費を考慮し、契約者が支払う保険料に反映させます。
参考純率通りに保険料を上げれば保険料が年5万円の場合は5000円の負担増になります。
2024年度にも火災保険料を上げます。
火災保険の収支は13年連続で赤字
大手4社合計の火災保険の収支は13年連続で赤字です。
2018年から保険料を平均約5~11%上げてきましたが、今回の改定は過去最大だった2021年(10.9%)を超える上げ幅となる可能性があります。
水災補償はリスクに応じて5つに分類
床上浸水や家屋の流失といった水災被害を補償する保険は、保険料率を全国一律から居住地域のリスクに応じて5つに分類します。
水災補償は火災保険と一緒に加入する保険で付帯率は65%程度です。
保険料の格差は最大1.5倍程度となります。
算出機構は河川からの近さなど水害の危険度に応じて市区町村を5段階に分類し、保険料の目安となる参考純率を決めます。
火災保険の半分は水災補償分
保険金の限度額が3000万円の都内の新築住宅の年間保険料は3万円程度で、うち1万5千円程度が水災補償分となるケースがあります。
リスクが最も高い地域の保険料を1.2倍、最も低い地域を0.8倍とした場合、保険料は最大6000円の差がつくことになります。
まとめ
2024年度に個人向けの火災保険料が1割超上がる見通しです。
大手4社合計の火災保険の収支は13年連続で赤字です。
火災保険と一緒に加入する水災保険料も全国一律から市区町村別に5段階に分けられます。
保険料の格差は最大1.5倍程度となります。