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失業給付の支給開始期間が2ヶ月⇒7日程度に短縮される

失業給付の支給開始期間が2ヶ月⇒7日程度に短縮される

労働市場改革に向けた政府の指針案が2023年5月15日分かりました。

失業給付に関し自己都合の離職でも申請前の学び直しを条件に、支給開始を現行の2カ月以上から7日程度に短縮する方針です。

在職中の学び直しを後押しするため雇用調整助成金の仕組みも改善します。


転職しやすい環境を整え、賃上げや成長産業への労働力移動を促したい考えです。


詳しく解説していきます。


失業給付の支給開始期間が2ヶ月⇒7日程度に短縮される

失業給付の支給開始期間が2ヶ月⇒7日程度に短縮される

みな平等に失業給付の支給開始期間が2ヶ月⇒7日程度に短縮されるわけではありません。

自己都合の離職に伴う失業給付の迅速支給では要件として「申請時点から遡って例えば1年以内」に学び直しに取り組んでいた場合などが挙げられています。


支給開始までの期間は会社都合の離職時と同水準まで短くなります。

いまは自己都合の場合は支給開始まで2カ月以上かかり、転職を阻んでいるとの指摘がありました。


転職により賃金が増加する者の割合を増やす

転職により賃金が増加する者の割合を増やす

日本の賃金は先進国の同じ職務より低く、日本では転職後に賃金が減りやすいことが問題になっています。

指針案は見直しを通じて海外との賃金格差を縮小させ「転職により賃金が増加する者の割合が減少する者の割合を上回ることを目指す」と明記しました。


日本の転職事情

日本の転職事情

総務省によると、2022年の転職希望者は968万人で過去最高でした。

一方で実際に転職した人の数は303万人と前年から横ばいです。


日本の雇用は職務などを問わない総合職型が中心で、評価指標もあいまいな例も多いです。

リクルートワークス研究所の2020年の調査では、転職で年収が増えた人は日本は4割で、7割の米国とフランスとの差は大きいです。

意欲があっても望む仕事が見つからないと転職は進みません。


雇用調整助成金を学び直しの制度に変える

雇用調整助成金を学び直しの制度に変える

雇用調整助成金については従業員を一時的に休ませる場合だけでなく、教育訓練や出向で雇用を維持する場合も助成の対象となっています。

在職中の学び直しを促す制度に変えるため、調整期間が30日を超える場合は原則、教育訓練とするよう求めます。


30日を超えた後から休業となる場合は助成率を下げるよう調整します。

いまは支給限度日数を1年間で100日などと定めます。

新型コロナウイルス禍で雇用を下支えしたものの、長期の休業が労働者の能力向上を妨げたといった見方があります。


厚生労働省の「モデル就業規則」を改める

厚生労働省の「モデル就業規則」を改める

企業が就業規則をつくる際の参考となる厚生労働省の「モデル就業規則」も改めます。

自己都合の退職や一定の勤続年数以下の退職については退職金を不支給とするといった規則例を示しています。

職務給の導入を後押しするため、職務内容や評価方法の事例集を年内にまとめるとしています。


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