生活保護は生活困窮者が対象になります。
生活困窮者といえば、借金やローンに困っている人を連想しますが、そのような方は生活保護を受給することはできるのでしょうか?
以外に思われるかもしれませんが、借金やローンがある人は生活保護を受給するのが難しいのです。
この記事を読めば、借金やローンと生活保護の関係性を知ることができます。
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生活保護を受けながら借金を返済することはできない
生活保護を受けながら貯金をすることは、条件によっては許される場合もありますが、借金の返済に生活保護費を充てることはできません。
生活保護を受けている間は支給されている保護費から借金を返済してはいけないことが法律上、明記されているからです。
生活保護は最低限の生活を維持するために支給されます。借金の返済に回せば、生活が圧迫され、最低限の生活も維持できなくなる恐れがあります。
また、生活保護費から借金を返済してもよいということになりますと、たとえば自動車ローンを返済した場合、生活保護で自動車購入を認めることになっています。
生活保護を受けようとする場合は、借金は、自己破産などで清算するか、自立した後で返済するよう、債権者と話し合うようにしなければいけません。
住宅ローンが残っている場合はどうなるのか
生活保護費で借金を返済してはいけないのですから、住宅ローンの支払もできません。
これを許可してしまうと、生活保護で家を買うことに結びついてしまうからです。
ローンの毎月の返済額が住宅費補助である特別基準額より少ない場合でも、返済に使うことは許されません。
住宅ローンが残っている場合は、家を売却するなど、財産整理の手続きを進めると同時に生活保護を申請することになります。
保有資金はどのくらいまで認められるのか
生活保護は、あらゆる手段を使っても生活ができなくなった状況になって初めて適用されます。
したがって、収入が最低生活費を上回る場合はもちろん、最低生活費以下の収入しかなくても、貯金がある場合は、それを使い切ってからでないと申請できないのが原則です。
しかし、貯金がゼロにならなければ申請できないというのも、あまりに杓子定規な考えです。
そこで、生活保護法では、申請できる貯金(手持ちのお金)を最低生活費の 50%以下と定めています。
つまり、1ヶ月の生活費の半分まで貯金がなくなったら、申請できるということになります。
原則として貯金はできない
生活保護費から貯金することが認められるかの判断が最高裁で下されています。
最高裁判所は、生活保護の目的に適う貯蓄は資産にあたらないため保有を認めるという判断をしています。
ただし、一般的に蓄財と判断されるような貯金は生活保護法の目的としているものではないという判断も示しています。
つまり、社会通念上、将来の生活に最低限必要な費用を生活保護費から少しずつ貯蓄し、金額的にも多額にならない場合は、貯金も認められると考えられます。
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