この記事では、「生命保険とインフレ」の関係をわかりやすく解説していきます。
日本ではデフレが続いていたため、生命保険のインフレリスクを考える人が少なかったと思います。
しかし、現代の日本や多くの先進国では2%程度の物価上昇を目標にしています。
このような状況下では、生命保険とインフレの関係を理解することは必須といえます。
この記事を読めば、「生命保険とインフレの関係」「インフレのリスクに備える保険選び」を知ることができます。
インフレとは
インフレとは、モノの値段が全体的に上がり、お金の価値が下がることです。
ちなみに、インフレとは、インフレーションの略語です。
典型的なインフレは、好況で経済やサービスに対する需要が増加し、経済全体で見た需要と供給のバランスが崩れ、総需要が総供給を上回った場合に、物価の上昇によって需給が調整されることで発生します。
理想として成長下における緩やかなインフレが望ましく、各国の政府や中央銀行は2%程度のインフレを目指しています。
インフレとは逆の現象をデフレ(デフレーション)といいます。
生命保険とインフレの関係
生命保険は長期にわたる取引関係を原則とします。
そのため、インフレを考慮せずに現在の物価で保険金額を設定した場合、将来受け取る保険金では十分な保障を受けられない可能性があります。
例えば、保険金を受け取ると設定している20年後に、物価が2倍になった場合、現在の400万円は200万円分の価値しかないことになります。
こうなってしまっては、契約時に想定していたリスクに対応することは難しいでしょう。
物価上昇をダイレクトに受ける生命保険としては、学資保険が有名です。
学資保険は子どもが生まれて契約することが多く、ほとんどの契約期間は18年・20年です。
20年後の物価が上昇していた場合、受け取った学資金に当初想定していた程の価値がないかもしれません。
物価上昇率は、総務省統計局が発表している消費者物価指数で確認できます。
年平均(前年比 %) | |||
2017年 | 2018年 | 2019年 | |
総合 | 0.5 | 1.0 | 0.5 |
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消費者物価指数(外部サイト)
物価上昇に対応する方法
生命保険で物価上昇に対応するためには、変額保険や市場価格調整を利用した生命保険に加入しておく必要があります。
ただし、上記の保険は株式や債券での運用に左右されますので、デフレが発生した場合は、受け取る保険金額が少なくなるデメリットがあります。
日本では、始めて消費税を導入した年を最後に、大きな物価上昇は起きずに今日まで至っています。
そのため、生命保険のインフレリスクに危機感を抱いていない人がほとんどです。
しかし、現在の日本では2%の物価上昇を目的とした量的緩和政策が行われていますので、経済が成長していけば将来の物価は現在よりも上昇していると考えるほうが自然です。
これからは、生命保険を契約する際は、物価上昇を見据えた商品を組み合わせることや、市場の動向を注視して契約や見直しをする行動が求められます。