この記事では「自立支援医療(育成医療)」について解説していきます。
我が子が障害を持ってしまった時、なんとかしたいと思うのが親心だと思います。
日本の社会保障では、「障害の軽減を目的」に支援を行う、自立支援医療(育成医療)が存在します。
この記事を読めば、「自立支援医療(育成医療)の内容」「対象になる障害」「自己負担額」などを知ることができます。
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自立支援医療(育成医療)とは
自立支援医療(育成医療)とは、身体に障害を有する児童で、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる者(18歳未満)に行われる医療です。
心身に障害のある児童や、そのまま放置すると将来において身体障害者の規程による障害と同程度の障害を残すとみられる疾患のある児童で、確実に治療効果が期待できるものに対して、医療を給付するものです。
ちなみに、自立支援医療には下記の3つの支給対象があります。
- 精神通院医療
- 更生医療
- 育成医療
医療給付の対象になる障害
- 視覚障害・・・白内障、先天性緑内障
- 聴覚障害・・・先天性耳奇形 → 形成術
- 言語障害・・・口蓋裂等 → 形成術
唇顎口蓋裂に起因した音声・言語機能障害を伴う者であって、鼻咽腔閉鎖機能不全に対する手術以外に歯科矯正が必要な者 → 歯科矯正 - 肢体不自由・・・先天性股関節脱臼、脊椎側彎症、くる病(骨軟化症)等に対する関節形成術、関節置換術、及び義肢装着のための切断端形成術など
- 内部障害
- <心臓>・・・先天性疾患 → 弁口、心室心房中隔に対する手術
後天性心疾患 → ペースメーカー埋込み手術 - <腎臓>・・・腎臓機能障害 → 人工透析療法、腎臓移植術(抗免疫療法を含む)
- <肝臓>・・・肝臓機能障害 → 肝臓移植術(抗免疫療法を含む)
- <小腸>・・・小腸機能障害 → 中心静脈栄養法
- <免疫>・・・HIVによる免疫機能障害→抗HIV療法、免疫調節療法、その他HIV感染症に対する治療
- <その他の先天性内臓障害>
先天性食道閉鎖症、先天性腸閉鎖症、鎖肛、巨大結腸症、尿道下裂、停留精巣(睾丸)等
→ 尿道形成、人工肛門の造設などの外科手術
給付は現金ではなく現物給付
自立支援医療の給付は、現金ではなく医療処置や薬剤などの現物給付になります。
具体的には下記のとおりです。
- 診察
- 薬剤または治療材料の支給
- 医学的処置、手術およびその他の治療、施術
- 居宅における療養上の管理及びその治療にともなう世話その他の看護
- 病院または診療所への入院およびその療養にともなう世話その他の看護
- 移送
自立支援医療にかかる自己負担額
一か月にかかる自己負担額は、所得に応じて定められる額(その額がかかった医療費の1割相当額より高い場合は1割相当額)となります。
また、費用が高額な治療を長期にわたり継続しなければならない児童(重度かつ継続)や中間所得せたいについては、さらに軽減措置を実施しています(中間所得世帯の軽減措置については令和 3 年 3 月までの経過措置)。
なお、入院時の食費については別途自己負担となります。
所得区分 | 更生医療・ 精神通院医療 |
育成医療 | 重度かつ 継続 |
|||
一定所得以上 | 対象外 | 対象外 | 20,000円 | 市町村民税235,000円以上 | ||
中間 所得 |
中間 所得 2 |
医療保険の 高額療養費 |
10,000円 |
10,000円 |
市町村民税課税以上 235,000円未満 |
市町村民税33,000円以上 235,000円未満 |
中間 所得 1 |
5,000円 | 5,000円 | 市町村民税課税異常33,000円未満 | |||
低所得 2 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 | 市町村民税非課税 (本人収入が800,001円以上) |
||
低所得 1 | 2,500円 | 2,500円 | 2,500円 | 市町村民税非課税 (本人収入が800,000円以下) |
||
生活保護 | 0円 | 0円 | 0円 | 生活保護世帯 |
「重度かつ継続」の範囲
- 疾病、症状等から対象となる者
【更生・育成】
腎臓機能・小腸機能・免疫機能・心臓機能障害(心臓移植後の抗免疫療法に限る ) ・肝臓の機能障害(肝臓移植後の抗免疫療法に限る )の者
【[精神通院】
①統合失調症、躁うつ病・うつ病、てんかん、認知症等の脳機能障害、薬物関連障害(依存症等)の者
②精神医療に一定以上の経験を有する医師が判断した者 - 疾病等に関わらず、高額な費用負担が継続する ことから対象となる者
【更生・育成・精神通院】
医療保険の多数該当の者
自立支援医療の所得制限
所得が一定以上の世帯の児童は自立支援医療(育成医療)の対象外ですが、重度かつ継続に該当する児童については、令和 3 年 3 月までの経過措置として給付の対象となっています。
なお、自立支援医療の世帯は医療保険(受診者および受診者と同じ医療保険に加入する人)を単位としています。
問い合わせ先
問い合わせ先は、居住の市区町村役場になります。
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