生活保護は、国民が「健康で文化的な最低限度の生活」を送るための制度です。
しかし、国は積極的に生活困窮者を探したりはしません。
生活保護が必要な状況に陥った場合は、自ら申請する必要があります。
この記事を読めば、生活保護を受けるために必要な行動を知ることができます。
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生活保護の相談は福祉事務所で行える
さまざまな理由で生活に困窮し、生活保護について相談したいと思った場合、まず、市区町村役場などに設けられている生活保護相談窓口である福祉事務所(あるいは役所・役場の福祉担当課)に行きます。
福祉事務所とは、社会福祉法で設置が要求されている「福祉に関する事務所」のことで、生活保護法や児童福祉法、母子及び父子ならびに寡婦福祉法等で定められている援護、育成などの事務の事務処理を担当します。
福祉事務所の多くは市区町村役場の中にあります。そのため、役場内で職員に尋ねればどこに行けばよいのか教えてもらえます。
ただ、住民票のある市区町村と今住んでいる市区町村が異なる場合もあります。
そのような場合、生活保護法では、実際の居住実態を優先することになっているので、今住んでいる住所地の市区町村役場に行けばよいことになります。
また、野宿や路上で生活する人の場合も、本人が現にいる場所の市区町村役場の福祉事務所に行けばよいということになります。
福祉事務所の受付で生活保護の相談に来た旨を伝え、相談カードに必要事項を書き込みます。
具体的には、住所・氏名・相談したい内容・本籍地などを記入します。
特定の住まいがない場合は住所の欄は空欄にしておきましょう。
そのカードを受付に提出すると、相談員は過去に保護希望者が相談にきたか、そのときはどのような用件でどのような結論が出たかなどの履歴を調べた後に、面談が開始されます。
福祉事務所で生活保護制度の運用を担当し、社会福祉法に規定されている「援護、育成または更生の措置に関する事務」と言われる、いわゆる現業事務を担当する「現業員」のことを、一般的にケースワーカーと呼んでいます。
本来、ケースワーカーは「社会福祉主事」の資格が必要とされていますが、市区町村によっては、社会福祉主事資格を持たない人が配置されている場合もあるようです。
いずれにしても、市区町村の福祉事務所では、このケースワーカーと呼ばれる人が相談に来た者の話を聞いて、一緒に解決策を考えてくれます。
このとき、嘘をついたり、隠しごとをせず、生活が困窮するに至った理由を誠意をもってはっきりと正確に説明する必要があります。
生活保護を受ける上では、担当のケースワーカーとの信頼関係を築くことが何よりも重要です。
最初から嘘をついているようでは、生活保護を受けることが難しくなります。
ケースワーカーが相談者の話を聞いて生活保護の必要がありそうだと判断すれば、申請用紙を渡されるので、必要事項を記載して提出をします。
その後、家庭訪問や資料調査(ミーンズテスト)を行って、生活保護を適用するかどうかを決定します。
なお、生活保護を受ける十分な理由があるにもかかわらず福祉事務所が申請をさせないこともあります。
そのような場合に備えて自分で申請書を作成して提出するという方法があります。
ケースワーカーも人それぞれ
生活保護を申請しようと福祉事務所を訪れた際に、対応してくれるのがケースワーカーです。
生活保護を受給している間も、受給者を指導したり、受給者の相談に乗ったりします。つまり、生活保護の窓口であり、生活保護受給者のお世話をします。
したがって、生活保護を受けることになった場合には、ケースワーカーは生活保護から抜け出すための良いパートナーなのだと認識し、担当のケースワーカーと信頼関係を結ぶ努力をしなければなりません。
しかし、一方で、ケースワーカーも役所の一公務員であるという側面があることを忘れてはいけません。
辞令によって希望したわけでもないのに福祉事務所に配属されている人が多いのも事実です。
つまり、皆が皆、熱心に福祉の専門的な勉強をしているケースワーカーというわけではないのです。
そのため、生活保護の申請に行くときは、ケースワーカーに頼りきりになるのではなく、「健康で文化的な最低限度の生活を送る」という国民の権利を強く求めるという姿勢も必要になってきます。
だからといって、高飛車になるのは厳禁です。
相手は、生活に困窮した人を助けるのが仕事ですから、言うべきことはしっかりと言い、聞くべきところは素直に聞くという態度で真摯に話し合えば、ぞんざいに扱われることはなく、相談に乗ってもらえるでしょう。
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