社会保障

お金を借りることができる「母子・父子・寡婦福祉資金貸付金制度」とは

必要な資金を貸し付ける「母子・父子・寡婦福祉資金貸付金制度」とは

この記事では、「母子・父子・寡婦福祉資金貸付金制度」について解説していきます。


日本の社会保障制度には、母子家庭や父子家庭または寡婦等が、修学資金や生活資金が足りない時に必要な資金を貸し付ける制度が存在します。

母子・父子・寡婦福祉資金貸付金制度は、経済的自立の援助と生活意欲の助長を図り、あわせてその扶養している児童の福祉を増進させます。


この記事を読めば、母子・父子・寡婦福祉資金貸付金制度の「目的」「対象者」「種類」を知ることができます。


 

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母子・父子・寡婦福祉資金貸付金制度とは

母子・父子・寡婦福祉資金とは

母子福祉資金貸付金とは、母子家庭の母等が、就労や児童の就学などで資金が必要となったときに、都道府県、指定都市又は中核市から貸付けを受けられる資金です。


事業の目的

母子父子寡婦福祉資金は、配偶者のない女子又は配偶者のない男子であって現に児童を扶養しているもの等に対し、その経済的自立の助成と生活意欲の助長を図り、あわせてその扶養している児童の福祉を増進することを目的としています。


母子及び父子並びに寡婦福祉法の規定に基づき行われています。


貸付金の対象者

貸付金の対象者は下記の条件に当てはまる方です。

  1. 母子福祉資金:配偶者のない女子で現に児童を扶養しているもの(いわゆる母子家庭の母)、母子・父子福祉団体 等
  2. 父子福祉資金:配偶者のない男子で現に児童を扶養しているもの(いわゆる父子家庭の父)、母子・父子福祉団体 等
  3. 寡婦福祉資金:寡婦(配偶者のない女子であって、かつて配偶者のない女子として児童を扶養していたことのあるもの) 等


貸付金の種類

貸付金の種類は下記の12種類です。

  1. 事業開始資金
  2. 事業継続資金
  3. 修学資金
  4. 技能習得資金
  5. 修業資金
  6. 就職支度資金
  7. 医療介護資金
  8. 生活資金
  9. 住宅資金
  10. 転宅資金
  11. 就学支度資金
  12. 結婚資金



貸付条件等

利 子:貸付金の種類、連帯保証人の有無によって異なるが、無利子または、年利1.0%

償還方法:貸付金の種類によって異なるが、一定の据え置き期間の後、3年~20年


平成21年6月5日以降から、連帯保証人がいない場合でも貸付を受け付けることになりました。

ただし、一部の資金を除き保証人の有無により利率が異なります。


実施主体等

【実施主体】都道府県・指定都市・中核市

【負担割合】国2/3、都道府県・指定都市・中核市1/3

【30予算案】31.9億円


問い合わせ先

問い合わせ先は、都道府県、市等の福祉事務所です。


母子・父子・寡婦福祉資金の種類と内容

母子・父子・寡婦福祉資金の種類と内容


資金の種類 貸付対象 貸付限度額 償還期限 利率
事業開始資金 母子家庭の母
父子家庭の父
寡婦
母子・父子福祉団体
285万円
母子・父子福祉団体(429万円)
7年以内 母子・父子・寡婦
(保証人有:無利子)
(保証人無:1.0%)
母子・父子福祉団体
(無利子)
事業継続資金 母子家庭の母
父子家庭の父
寡婦
母子・父子福祉団体
143万円 7年以内 母子・父子・寡婦
(保証人有:無利子)
(保証人無:1.0%)
母子・父子福祉団体
(無利子)
修学資金 母子家庭の母
父子家庭の父
寡婦
母子・父子福祉団体
高校・専門学校・高等専門学校・大学・大学院の別、国公立・私立の別、学年別、通学の別により月額27,000~183,000円 20年以内専門学校
(一般課程)5年以内
無利子
※親に貸し付ける場合
児童を連帯借受人とする
(連帯保証人は不要)
※児童に貸付ける場合
親等を連帯保証人とする
技能習得資金 母子家庭の母
父子家庭の父
寡婦
月額68,000円
(5年以内)
(特別816,000円)
運転免許46万円
20年以内 (保証人有:無利子)
(保証人無:年1.0%)

修業資金 母子家庭の児童
父子家庭の児童
寡婦の子
父母のいない児童
月額68,000円
(5年以内)
(特別46万円)
6年以内 ※修学資金と同様
就職支度資金 母子家庭の母または児童
父子家庭の父または児童
寡婦
父母のいない児童
10万円
(特別33万円)
6年以内 ※親に係る貸付の場合
(保証人有:無利子)
(保証人無:年1.0%)
※児童に係る貸付の場合就学金と同じ
医療介護資金 母子家庭の母または児童
父子家庭の父または児童
(介護の場合は児童を除く)
寡婦
医療34万円
(特別48万円)
介護50万円
5年以内 (保証人有:無利子)
(保証人無:年1.0%)
生活資金 母子家庭の母
父子家庭の父
寡婦
月額103,000万円
(技能習得期間中)
141,000万円
生活資金の種類により5,8,20年以内 (保証人有:無利子)
(保証人無:年1.0%)
住宅資金 母子家庭の母
父子家庭の父
寡婦
150万円
(特別200万円)
6年以内(特別7年以内) (保証人有:無利子)
(保証人無:年1.0%)
転宅資金 母子家庭の母
父子家庭の父
寡婦
26万円 3年以内 (保証人有:無利子)
(保証人無:年1.0%)
就学支度資金 母子家庭の児童
父子家庭の児童
寡婦の子
父母のいない児童
小学校40,600円
中学校47,400円
高校・大学・短大・大学院等160,000円
修業施設等100,000円
就学20年以内
就業5年以内
※就学資金と同様
結婚資金 母子家庭の母
父子家庭の父
寡婦
30万円 5年以内 (保証人有:無利子)
(保証人無:年1.0%)



事業開始資金

貸付対象の詳細

事業(例えば洋裁、軽飲食、文具販売、菓子小売業等、母子・父子福祉団体については政令で定める事業)を開始するのに必要な設備、什器、機械等の購入資金。


事業継続資金

貸付対象の詳細

現在営んでいる事業(母子・父子福祉団体については政令で定める事業)を継続するために必要な商品、材料等を購入する運転資金。


修学資金

貸付対象の詳細

高等学校、大学、高等専門学校又は専修学校に就学させるための授業料、書籍代、交通費等に必要な資金。


貸付限度額の詳細

※私立の自宅外通学の場合の限度額を例示(大学院は国公立・私立、自宅・自宅外の区別なし)高校、専修学校(高等課程)月額52,500円


高等専門学校
月額[1~3年]52,500円[4~5年]90,000円


短期大学、専修学校(専門課程)
月額 90,000円


大学:月額 96,000円
大学院(修士課程):月額132,000円
大学院(博士課程):月額168,000円
専修学校(一般課程):月額 48,000円


技能習得資金

貸付対象の詳細

自ら事業を開始し又は会社等に就職するために必要な知識技能を習得するために必要な資金(例:訪問介護員(ホームヘルパー)、ワープロ、パソコン、栄養士等)。


修業資金

貸付対象の詳細

事業を開始し又は就職するために必要な知識技能を習得するために必要な資金。


就職支度資金

貸付対象の詳細

就職するために直接必要な被服、履物等及び通勤用自動車等を購入する資金。


医療介護資金

貸付対象の詳細

医療又は介護(当該医療又は介護を受ける期間が1年以内の場合に限る)を受けるために必要な資金。


生活資金

貸付対象の詳細

知識技能を習得している間、医療若しくは介護を受けている間、母子家庭又は父子家庭になって間もない(7年未満)者の生活を安定・継続する間(生活安定期間)又は失業中の生活を安定・継続するのに必要な生活補給資金。


住宅資金

貸付対象の詳細

住宅を建設し、購入し、補修し、保全し、改築し、又は増築するのに必要な資金。


転宅資金

貸付対象の詳細

住宅を移転するため住宅の貸借に際し必要な資金。


就学支度資金

貸付対象の詳細

就学、修業するために必要な被服等の購入に必要な資金。


貸付限度額の詳細

学校 金額
小学校 40,600円
中学校 47,400円
国公立高校等 160,000円
修業施設 100,000円
私立高校等 420,000円
国公立大学・短大・大学院等 380,000円
私立大学・短大・大学院等 590,000円



結婚資金

貸付対象の詳細

母子家庭の母又は父子家庭の父が扶養する児童及び寡婦が扶養する20歳以上の子の婚姻に際し必要な資金。



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