病気やケガによって生活保護を頼りにすることになるのは多いです。
しかし、頼りにしたい生活保護ですか、簡単に支給に至らないのがこの制度です。
この記事を読めば、病気やケガによって生活が困窮した場合の生活保護を知ることができます。
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病気をきっかけに生活保護を受給することに
生活保護を受給するに至る理由は、病気やケガが最も多くなっています。
もともと働いてた人が病気やケガをすると、医療費がかかるだけでなく、最悪の場合、仕事を辞めることになり、収入がゼロになってしまいますから、生活に困窮することが容易に想像できます。
生活保護は、生活に困窮する国民であれば誰でも申請ができるはずなのですが、実際に福祉事務所で相談すると、病気などをした場合でも「若いから働けるはず」「ハローワークに行ってください」などと言われ、申請させてもらえないことが多いようです。
生活保護を申請することは、決して難しいことではないはずなのですが、福祉事務所は不当に高いハードルを設けているのが現実です。
まずは何とかしてこのハードルを乗り越え、申請を受理してもらわなければなりません。そのためには、現在の状況を説明するための資料を用意し、提出することが有効です。
病気や検査結果に関する資料やメモ、医療費のわかる領収書や請求書、給与明細 3か月分、家賃がわかる書類、預貯金通帳、公共料金の領収書などを持参して、それを見せながら生活に困っている状態を説明するようにしましょう。
福祉事務所の担当者が申請用紙をなかなか渡さない場合、便せんなどに申請の意思を書き、申請することも可能です。
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入院費が支払えない場合
健康保険に加入していなかった人が、突然の病気やケガで入院が必要になった場合、入院費の支払に困ることになります。
そのような場合、医療相談員やMSW(メディカル・ソーシャル・ワーカー)に相談します。
ほとんどの病院には医療相談室があり、MSWはここに待機しています。医療相談室は医療費などの対応をするためのモノですから、遠慮なく相談をしましょう。
また、医療相談員やMSWを通すと意外にあっさりと福祉事務所の関門を通り抜けることができたりします。
入院していなくても通院で治療を受けているような場合には事情が少し変わってきます。
「仕事もなく、治療費を払うお金がないから生活保護を受けたい」と福祉事務所に相談すると、医師の診断書をもらってくるように指示されます。
なお、この場合の診療費はもちろん自分で支払う必要はありません。
退院後も生活保護が必要かどうかは医師の診断で決まる
福祉事務所はその人に生活保護を受ける資格があるかどうかを判断するのに、医師の診断を重視しています。
つまり、医師が「この人はまだまだ働ける」という見立てをした場合には生活保護を受けることができなくなります。
医師とはいえ人間なので、時には診断を見誤ることもあります。
できればあらかじめ医師に相談し、どうしても働けない理由と、働けるという診断をされると生活保護を受けられないことを説明しておくほうがよいでしょう。
退院の見通しが立ってきたら、福祉事務所の担当者に訪問してもらうとよいでしょう。
退院後も保護が必要であるなら、主治医も交えた三者で、病状や退院後の通院期間や頻度の見直しを踏まえ、望ましい療養環境(住居のこと、仕事の可否やペースなど)について確認しておくと安心です。
退院後、療養のためにアパートを借りるか、その他の施設で生活するのかは、本人の希望や状況、主治医の意見なども参考にして決定されるべきです。
しかし、福祉事務所によっては本人と十分な相談をせずに担当者が退院先を宿泊所などに決めてしまうこともあるようです。
アパートを借りたいのであれば、退院後どうするかについて担当者に問われるのを待っているのではなく、自ら担当者を呼び、主治医も交えてアパート入居の必要性を積極的に訴える必要があります。
医療費の自己負担がゼロになる
生活保護を受けるようになると国民健康保険に加入できなくなりますが、生活保護法による医療扶助を受けられるようになります。
この場合、国民健康保険証の代わりに福祉事務所に医療券を発行してもらうことで病院にかかることができるようになり、医療費の自己負担がゼロなります。
自己負担がゼロになると聞くと得をしているように聞こえますが、実際には非常に不便な側面があります。
まず、医療券は1つの医療機関につき1枚が発行され、月が変わるごとに新たな医療券を病院に持参する必要があります。
継続して同じ病院に通院が必要な場合、医療券は福祉事務所から直接病院に送られますが、通院する病院が変われば、その病院に通うために新たに医療券を発行してもらう必要があります。
また、医療券が使用できるのは生活保護の指定医に限られていますので、すべての医療機関で利用できるわけではありません。
生活保護非指定が多い歯科などに通院したい場合は、多少の不便を感じるかもしれません。
さらに家族がそれぞれ別の病院に通院する必要があれば、そのつど福祉事務所で医療券を発行してもらわなければなりません。
そのことが心理的、物理的に負担になる場合がありますし、保険証の提出を求められた場合などはどうしても、周囲の視線が気になってしまうことになります。
上記のように医療費扶助を受けられるようになっても、苦労することは多いのです。
うつ病の場合は生活保護を受給できるのか
生活保護は他に手立てがなく、生活が立ち行かなくなった人を最後に救済する措置なので、まずは他の全ての方法を検討するのが先になります。
まず、本当にうつ病になり、働けない状態にある場合、雇用保険の基本手当の受給はできませんが、雇用保険の受給中にうつ病になってしまったのであれば、雇用保険の傷病手当を受給できる可能性があります。
働けない状態が 30日以上になる場合は、傷病手当を受給するか基本手当の受給期間の延長を申請するかの選択となります。
また、在職中に発病して、病気が理由で連続して 3日以上欠勤している場合は健康保険制度傷病手当金の対象になります。
申請は退職後でも受け付けられ、実際に支給されることになれば、最大で 1年 6ヶ月間受給できます。
退職後受給の場合は社会保険に 1年以上加入していることといった要件はありますが、検討してみるとよいでしょう。
うつ病などの場合は、自立支援医療(医療費の自己負担額の軽減を目的とする障害者総合支援法の医療費負担制度)や年金制度の障害年金を受けられる可能性もありますので通院している医療機関で相談してみるとよいでしょう。
このような制度を利用できないときに初めて生活保護の申請を検討することになります。
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