この記事では「補装具費」について解説していきます。
障害によっては、車椅子や補聴器などの用具が必須になり、健常者とは違って費用が付いて廻ることになってしまいます。
日本の社会保障では、障害のある人が必要な用具を揃えるための費用負担を軽減できる、「補装具費」という制度が存在します。
この記事を読めば、「給付の対象になる補装具」「負担上限額」「申請・利用手続き」などを知ることができます。
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補装具費とは
補装具費(ほそうぐひ)とは、障害のある人が日常生活を送る上で必要な用具(補装具)の購入又は修理に要した費用を支給する制度です。
障害者(児)の失われた部位や障害のある部分を補って、日常生活や職業活動を容易にするために、車椅子や補聴器などの必要な用具(補装具)の購入費や修理費を支給します。
また、障害者の利便に照らして補装具の購入よりも借受が適切と考えられる場合に限り、借受も補装具費の対象となります。
給付の対象者
補装具を必要とする障害者、障害児、難病患者等。
給付の対象になる補装具
- 義肢
- 装具
- 座位保持装置
- 車椅子
- 電動車椅子
- 歩行器
- 歩行補助杖
- 重度障害者用意思伝達装置
- 盲人安全杖
- 義眼
- 眼鏡
- 補聴器
- 座位保持椅子
- 起立保持具
- 頭部保持具
- 排便補助具
ただし、13~16は18歳未満の児童のみ対象になります。
利用者の負担上限額
補装具の購入・修理に係る費用の1割を自己負担することになります。
ただし、世帯の所得に応じた負担上限月額が設定されています(市町村民税課税世帯37,200円。市町村民税非課税世帯および生活保護世帯は利用者負担なし)。
所得区分 | 負担上限月額 |
市町村民税課税世帯 | 37,200円 |
市町村民税非課税世帯 | 利用者負担なし |
生活保護世帯 |
ただし、上限月額よりも補装具に係る費用の1割の金額の方が低い場合には、その金額を支払います。
所得制限により支給対象外になる
世帯に市町村民税所得割が46万円以上の人がいる場合は保道具費の支給対象外となります。
障害の原因が労働災害の場合
障害の原因が労働災害などの場合は、『義肢等補装具費支給』制度の対象になります。
申請・利用手続き
申請から利用までの流れは下記のとおりです。
step
1受付・申請
step
2審査
step
3支給の合否
step
4利用契約
step
5補装具の提供
問い合わせ先
問い合わせ先は、市区町村役場または福祉事務所になります。
自己負担額の軽減措置
補装具費は高額障害福祉サービス等給付費の対象になるため、一定の金額を超えた場合は申請により超えた分が高額障害福祉サービス等給付費として後から支給されます。
高額障害福祉サービス等給付費の支給
同一月・同一世帯における下記の(1)の利用者負担の合算が、(2)の基準額を超えた場合、申請により超えた分が高額障害福祉サービス等給付費として後から支給されます。
ただし、負担額の軽減や介護保険から高額介護(予防)サービス費等が受けられる場合は、それらの支給額を差し引いて計算します。
なお、医療部分に係る利用者負担や食費等の負担額は合算の対象になりません。
(1)合算対象利用者負担
- 障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス等(介護給付・訓練給付)に係る利用者負担
- 介護保険の居住サービス等の係る利用者負担
- 障害者総合支援法に基づく補装具費に係る利用者負担
- 児童福祉法に基づく障害児通所支援に係る利用者負担
- 児童福祉法に基づく障害児入所支援に係る利用者負担
(2)基準額
市町村民税課税世帯は37,200円、それ以外は0円。
ただし、同一世帯で障害児に係る利用者負担(上記1.4.5.のいずれかに限る)が複数ある場合は基準額を引き下げる特例があります。
補装具の種目と金額
名称 | 基準額 | ||
義肢 | 423,000 | ||
装具 | 84,000 | ||
座位保持装置 | 352,000 | ||
盲 人 安 全 つ え |
普 通 用 |
グラスファイバー | 3,550 |
木材 | 1,650 | ||
軽金属 | 2,200 | ||
携 帯 用 |
グラスファイバー | 4,400 | |
木材 | 3,700 | ||
軽金属 | 3,550 | ||
身体支持併用 | 3,800 | ||
義 眼 |
レディメイド | 17,000 | |
オーダーメイド | 82,500 | ||
眼 鏡 |
矯 正 用 |
6D未満 | 17,600 |
6D以上10D未満 | 20,200 | ||
10D以上20D未満 | 24,000 | ||
20D以上 | 24,000 | ||
遮光用 前掛式 | 21,500 | ||
コンタクトレンズ | 15,400 | ||
弱 視 用 |
掛けめがね式 | 36,700 | |
焦点調整式 | 17,900 | ||
補 聴 器 |
高度難聴用ポケット型 | 34,200 | |
高度難聴用耳かけ型 | 43,900 | ||
重度難聴用ポケット型 | 55,800 | ||
重度難聴用耳かけ型 | 67,300 | ||
耳あな型(レディメイド) | 87,000 | ||
耳あな型(オーダーメイド) | 137,000 | ||
骨導式ポケット型 | 70,100 | ||
骨導式眼鏡型 | 120,000 | ||
車 椅 子 |
普通型 | 100,000 | |
リクライニング式普通型 | 120,000 | ||
ティルト式普通型 | 148,000 | ||
リクライニング・ティルト式普通型 | 173,000 | ||
手動リフト式普通型 | 232,000 | ||
前方大車輪型 | 100,000 | ||
リクライニング式前方大車輪型 | 120,000 | ||
片手駆動型 | 117,000 | ||
リクライニング式片手駆動型 | 133,600 | ||
レバー駆動型 | 160,500 | ||
手押し型A | 82,700 | ||
手押し型B | 81,000 | ||
リクライニング式手押し型 | 114,000 | ||
ティルト式手押し型 | 128,000 | ||
リクライニング・ティルト式手押し型 | 153,000 | ||
電 動 車 椅 子 |
普通型(4.5km/h) | 314,000 | |
普通型(6.0km/h) | 329,000 | ||
簡 易 型 |
A 切替式 | 157,500 | |
B アシスト式 | 212,500 | ||
リクライニング式普通型 | 343,500 | ||
電動リクライニング式普通型 | 440,000 | ||
電動リフト式普通型 | 701,400 | ||
電動ティルト式普通型 | 580,000 | ||
電動リクライニング・ティルト式普通型 | 982,000 | ||
座位保持椅子(児のみ) | 24,300 | ||
起立保持具(児のみ) | 27,400 | ||
歩 行 器 |
六輪型 | 63,100 | |
四輪型(腰掛つき) | 39,600 | ||
四輪型(腰掛なし) | 39,600 | ||
三輪型 | 34,000 | ||
二輪型 | 27,000 | ||
固定型 | 22,000 | ||
交互型 | 30,000 | ||
頭部保持具(児のみ) | 7,100 | ||
排便補助具(児のみ) | 10,000 | ||
歩 行 補 助 つ え |
松 葉 づ え |
普通(木材) | 3,300 |
伸縮(木材) | 3,300 | ||
普通(軽金属) | 4,000 | ||
伸縮(軽金属) | 4,500 | ||
カナディアン・クラッチ | 8,000 | ||
ロフストランド・クラッチ | 8,000 | ||
多点杖 | 6,600 | ||
プラットフォーム杖 | 24,000 |
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