社会保障

短期間子どもを預かってもらえる「子育て短期支援事業」とは

短期間子どもを預かってもらえる「子育て短期支援事業」とは

この記事では「子育て短期支援事業」について解説していきます。


子育てをしていると、人の手を借りたくなる場面が必ず訪れます。

入院、出張、冠婚葬祭など、これらと縁なく児童を養育していくことはほぼ不可能でしょう。


身近に頼りになる人がいれば良いのですが、そうもいかない家庭もあります。

そんな時に頼りになるのが「子育て短期支援事業」です。


この記事を読めば、「子育て短期支援事業の内容」「事業を利用できる理由」「利用対象者」などを知ることができます。


 

育児・子育てのヒントが得られるおすすめの本9選【2024年版】

子を持つ親の一番の悩みと言えば「育児」に関してでしょう。「いい子に育って欲しい」「優秀な人間に育って欲しい」と、誰しもが思うはずです。この記事では、育児・子育てのヒントが得られるおすすめの本を紹介して ...

続きを見る



子育て短期支援事業とは

子育て短期支援事業とは

子育て短期支援事業とは、母子家庭等が安心して子育てをしながら働くことができる環境を整備するため、市町村が一定の事由により児童の養育が一時的に困難となった場合に児童を児童養護施設、母子生活支援施設、乳児院、保育所、ファミリーホーム等で預かる事業です。


短期入所生活援助(ショートステイ)事業と夜間養護等(トワイライトステイ)事業があります。


実施主体は市区町村

実施主体は、市区町村になります。

よって、問い合わせ先は居住の市区町村役場になります。


なお、市区町村が認めた者へ委託を行うことができます。


利用対象者

児童の育児が一時的に困難となった場合等の児童。


おおむね3歳から9歳までの児童になります。


事業を利用できる理由

  • 児童の保護者の疾病
  • 社会的事由(冠婚葬祭、転勤、出張、学校等の公的行事への参加)
  • 心身上または精神上の事由(育児疲れ、慢性疾患児の看病疲れ、育児不安)
  • 家庭養育上の事由(出産、看護、事故、災害、失踪)
  • 経済的問題等により、緊急一時的


利用料金

利用料金は市区町村によって異なります。居住の市区町村役場に照会してください。


例:とある市の場合)

【ショートステイ事業】
利用負担金:1日1人2,750円。
その他食事代等実費分:1,500円。


【トワイライトステイ事業】
利用負担金:1日1人750円。
その他食事代等実費分:800円。


実施施設

等住民に身近であって、適切に保護することができる施設で児童を受け入れることになります。


具体的には下記のとおりです。

  • 児童養護施設
  • 母子生活支援施設
  • 乳児院
  • 保育所
  • ファミリーホーム
    など


近隣に実施施設がない場合の対応

児童等の近隣に実施施設がないこと等により必要な養育・保護を行うことが困難である場合には、実施施設は、あらかじめ登録している保育士、里親等に委託することができます。


よって、近隣に実施施設がない場合は、保育士、里親等が受け入れることになります。

この場合、委託された者の居宅において又は当該児童の居宅に派遣して養育・保護を行うことになります。


短期入所生活援助(ショートステイ)事業と夜間養護等(トワイライトステイ)事業がある

短期入所生活援助(ショートステイ)事業と夜間養護等(トワイライトステイ)事業がある

子育て短期支援事業には、子どもを1週間程度お預かりする「短期入所生活援助(ショートステイ)事業」と、平日の夜間または休日にお預かりする「夜間養護等(トワイライトステイ)事業」の2種類があります。


それぞれわかりやすく解説していきます。


短期入所生活援助(ショートステイ)事業

保護者の疾病や仕事等の事由により子どもの養育が一時的に困難となった場合、又は育児不安や育児疲れ、慢性疾患児の看病疲れ等の身体的・精神的負担の軽減が必要な場合に、児童養護施設等で一定期間(原則7日以内:必要に応じて延長可)子どもを預かる事業です。


対象者

  • 子どもの保護者の疾病
  • 育児不安、育児疲れなど身体上又は精神上の事由
  • 出産、看護、事故など家庭養育上の事由
  • 冠婚葬祭、出張や公的行事への参加など社会的な事由
  • 経済的問題等により緊急一時的に母子保護が必要な場合


利用期間

養育・保護の期間は7日以内です。ただし、市町村が必要があると認めた場合には、必要最小限の範囲内でその期間を延長することができます。


夜間養護等(トワイライトステイ)事業

保護者が仕事その他の理由により平日の夜間又は休日に不在となることで家庭において子どもを養育することが困難となった場合その他緊急の場合において、その子どもを児童養護施設等において保護し、生活指導、食事の提供等を行う事業です。


対象者

  • 保護者の仕事等の理由により、平日の夜間又は休日に不在となる家庭の子ども。


夜間の対応策

夜間養護等(トワイライトステイ)事業の実施施設は、児童等の安全性の確保等のため、保育所や学校、居宅等への児童の送迎に努めることになります。


子育て短期支援事業の実施か所数は増加している

子育て短期支援事業の実施か所数は増加している

短期入所生活援助(ショートステイ)事業、夜間養護等(トワイライトステイ)事業の、全国の実施か所数は年々増加しています。


【短期入所生活援助(ショートステイ)事業】

平成18
年度
平成19
年度
平成20
年度
平成21
年度
平成22
年度
平成23
年度
平成25
年度
平成25
年度
平成26
年度
511
か所
546
か所
592
か所
610
か所
614
か所
651
か所
671
か所
678
か所
720
か所


【夜間養護等(トワイライトステイ)事業】

平成18
年度
平成19
年度
平成20
年度
平成21
年度
平成22
年度
平成23
年度
平成24
年度
平成25
年度
平成26
年度
236
か所
268
か所
311
か所
327
か所
329
か所
354
か所
358
か所
364
か所
374
か所



夜間養護等(トワイライトステイ)を実施している市区町村は少ない

夜間養護等(トワイライトステイ)を実施している市区町村は少ない

一週間程度児童を受け入れる、短期入所生活援助(ショートステイ)事業は殆どの市区町村で行っていますが、夜間養護等(トワイライトステイ)を実施している市区町村は少ないです。


埼玉県の場合、7/26の市でしか行われていません。

夜間養護等(トワイライトステイ)を実施している市区町村は少ない

出典:埼玉県HP



「子育て短期支援事業」と「一時預かり事業」の違い

「子育て短期支援事業」と「一時預かり事業」の違い

「子育て短期支援事業」と似たような事業に「一時預かり事業」がありますが、両者の違いは児童を預けられる時間です。


一週間程度預けられる「子育て短期支援事業」と違い、「一時預かり事業」は一日だけ(主に日中)になります。


期間が短い一方で「一時預かり事業」は、習い事やショッピング、美容院など、手軽に利用することができます。


 

育児・子育てのヒントが得られるおすすめの本9選【2024年版】

子を持つ親の一番の悩みと言えば「育児」に関してでしょう。「いい子に育って欲しい」「優秀な人間に育って欲しい」と、誰しもが思うはずです。この記事では、育児・子育てのヒントが得られるおすすめの本を紹介して ...

続きを見る



-社会保障
-