社会保障

【会社都合になる条件】失業保険の特定受給資格者となる条件を解説

【会社都合になる条件】失業保険の特定受給資格者となる条件を解説

退職理由が「自己都合 or 会社都合」になるかは、退職者にとっては重大な関心事項です。

会社都合になると失業給付金の所定給付日数が長くなるため、失業給付金の総額に大きな違いが発生します。


この記事を読めば、どのような条件なら会社都合になるかを知ることができます。



離職理由が会社都合になる条件

離職理由が会社都合になる条件

会社都合になる条件には大きく「解雇等による離職」と「倒産等による離職」があります。

それぞれわかりやすく解説していきます。


いわゆる会社都合の退職者、つまり、失業給付金の所定給付日数の長い対象者を『特定受給資格者』といいます。



解雇等による離職の場合

  1. 解雇により離職(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く)
  2. 労働条件が事実と著しく相違があることにより離職
  3. 賃金の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかった
  4. 賃金が、85%未満に低下したため離職
  5. 法に定める基準を超える時間外労働が行われたため、または事業主が行政機関から指摘されたにもかかわらず、危険もしくは健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったため離職
  6. 法令に違反し妊娠中、出産後の労働者、家族の介護を行う労働者などを就業させた場合、育児休業制度などの利用を不当に制限した場合、妊娠・出産したこと、それらの制度を利用したことを理由として不利益な取り扱いをした場合により離職
  7. 職種転換等に際して、労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行っていないため離職
  8. 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上引き続き雇用されるに至った場合に更新されないこととなったことにより離職
  9. 期間の定めにある労働契約の締結に際し更新されることが明示された場合において契約が更新されないこととなったことにより離職
  10. 上司、同僚からの故意の排斥または著しい冷遇もしくは嫌がらせを受けたことによって離職
  11. 事業主から退職するよう勧奨を受けたことにより離職
  12. 使用者の責めに帰すべき事由により行われた休業が引き続き3ヶ月以上となったことにより離職
  13. 事業所の業務が法令に違反したため離職


倒産等による離職の場合

  1. 倒産に伴い離職
  2. 1ヶ月に30人以上の離職の届けが出された離職および被保険者の3分の1を超える者が離職した離職
  3. 事業所の廃止に伴い離職
  4. 事業所の移転により、通勤することが困難となったため離職


会社都合の退職者は所定給付日数が長い

会社都合の退職者は所定給付日数が長い

特定受給資格者とは、たとえば勤務先の倒産や解雇などによって、再就職先を探す時間も与えられないまま離職をすることになった者のことです。

いわゆる、会社都合による退職者のことです。

特定受給資格者に該当する一般被保険者であった人は、他の求職者よりも基本手当の所定給付日数が長く設けられています。


特定受給資格者の範囲は、具体的には上記のように定められており、職業安定所(ハローワーク)ではこの基準に基づいて受給資格者を決定しています。


また、①会社の意思により労働契約が更新されなかった有期契約労働者や、②一定のやむを得ない事情による自己都合退職者で、離職日以前の1年間に通算して6ヶ月以上の被保険者期間がある者については、特定受給資格者に該当しない場合であっても特定理由離職者として扱われます。


特定理由離職者のうち①に該当する場合には、特定受給資格者と同様の基本手当の給付を受けることができます。

ただし、特定理由離職者が特定受給資格者と同様の基本手当の給付を受けることができるのは離職日が令和4年3月31日までの人です。


特定理由離職者の範囲は下記にまとめてある通りです。


特定受給資格者や特定理由離職者にあたるかどうかについてはハローワークが個別に判断する場合もあります。


たとえば、会社都合で、入社したときに取り決めをしていた賃金が支払われなかったために退職した場合で考えてみましょう。

この場合、1年を経過した時点では採用時のことを理由に退職したとは認められないとされていますが、この場合、特定理由離職者に該当します。


特定理由離職者の判断基準

特定理由離職者の判断基準
  1. 体力の不足、心身障害、疾病、負傷、視力・聴力・触覚の減退などによる離職
  2. 妊娠、出産、育児などにより離職し、受給期間延長措置を受けた者
  3. 両親の死亡、疾病、負傷などのため、両親を扶養するために離職を余儀なくされた場合、または、常時看護を必要とする親族の疾病、負傷などのために離職を余儀なくされた場合のように、家庭の事情が急変したことによる離職
  4. 配偶者または扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことによる離職
  5. 「解雇等による離職の場合の11.」に該当しない企業の人員整理などで希望退職者の応募に応じた離職
  6. 下記の理由により通勤不可能または困難となったことによる離職
    ・結婚に伴う住所の変更
    ・育児に伴う保育所などの利用または親族などへの保育の依頼
    ・事業所の通勤困難な場所への移転
    ・自己の意思に反して住所または居所の移転を余儀なくされた
    ・鉄道などの運輸機関の廃止または運行時間の変更など
    ・事業所の命による転勤または出向に伴う別居の回避
    ・配偶者の事業主の命による転勤もしくは出向または配偶者の再就職に伴う別居の回避



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