社会保障

【まとめ】障害者の所得保障に関する社会保障の種類をわかりやすく解説

【まとめ】障害者の所得保障に関する社会保障の種類をわかりやすく解説

日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人はだれでも国民年金に加入し、被用者はそのうえで厚生年金保険に加入することになっています。

年金保険は、年をとって働けなくなったときの所得保障をおもな目的とする社会保障ですが、あわせて、障害のため働けなくなったとき、および死亡したときはその遺族に対して、一定の所得保障を行うことになっています。


この記事では、「障害者になった時に受けられる社会保障の種類」を解説していきます。



【障害年金とは】障害年金の給付の条件や金額をわかりやすく解説

障害年金とは?給付の条件や保障内容をわかりやすく解説

この記事では「障害年金」について解説していきます。


障害年金を受け取る状況というのは、正直、喜ばしいことではないでしょう。それでも、障害年金の給付金で大学に進学したり、スキルを身につけたりと、前を向き前進している人もいます。

もしも、障害年金を受けることに卑屈になっているとしたら、そんな必要ありません。障害年金の受給資格は、すべての国民に与えられています(年金未納以外)。


障害年金を受け取ることで、今後の人生がより良いものになることを祈っています。


この記事を読めば、「障害年金の種類」「受給するための3つの条件」「給付額と給付期間」「手続き・申請方法」などを知ることができます。




障害年金とは

障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取ることができる年金です。


障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」の2つがあります。

病気やケガで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。


ただし、障害年金を受け取るには、年金の納付状況などの条件があります。


障害基礎年金

国民年金に加入している間に、初診日(障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)のある病気やケガで、法令により定められたの障害の状態にあるときは障害基礎年金が支給されます。


障害厚生年金

厚生年金に加入している間に、初診日のある病気や法令により定められたの障害の状態にあるときは、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。


障害年金を受給するための3つの条件

障害年金を受給するためには、下記の3つの条件を満たす必要があります。

  1. 障害の原因となった「初診日」がわかること
  2. 障害の状態が固定されていること
  3. 保険料を納付していること


それぞれわかりやすく解説していきます。


障害の原因となった「初診日」がわかること

障害の原因となった、病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診断を受けた日のことを「初診日」といいます。


一般的に初診日は病院のカルテを用いて証明されます。もしカルテがない場合は、障害者手や医師の証診断書でも証明可能です。


障害の状態が固定されていること

障害の状態が固定されているとは、「障害認定日」を受けているということになります。


これは、障害の原因となった病気やケガの初診日から、1年6ヶ月を経過、または1年6ヶ月以内に症状が固定化した日のことです。


※20歳よりも1年半以上前の障害の場合は、20歳になったときが「障害認定日」になります。


保険料を納付していること

下記のいずれかの要件を満たす必要があります。

  1. 初診日の先々月までの年金加入月数の2/3以上の保険料納付済み、または免除を受けている。
  2. 初診日の先々月までの年金加入月数の12ヶ月すべて保険料納付済みか、または免除を受けている。
  3. 20歳未満。(二十歳前傷病による障害基礎年金の請求)


二十歳前傷病により障害基礎年金の給付を受けることになると、障害年金の所得制限(給付の減額)を受けることになります。(後述)。


障害年金の等級の種類

障害等級には「1級」「2級」「3級」があり、障害の重症度によって分けられています。数字が小さいほど症状が重いです。

障害基礎年期には1・2級しかありませんが、障害厚生年金には3級もあります。さらに、3級にも該当しない場合は症状に応じて、一時金として「障害手当金」が給付されます。

  障害基礎年金 障害厚生年金
1級障害
2級障害
3級障害
障害手当金



障害等級に当てはまる障害の状態

障害年金の等級には、1~3級までありますが、これは障害手帳の級とは関係ありません。


1級障害の状態

1級障害の状態とは、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用事を済ませることを不能とする程度のもの。

この日常生活の用事を済ませることを不能とする程度とは、他人の介助を受けなければほとんど自分の用事を済ませることができない程度のもののことです。


例えば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるものです。

部位 障害の状態
両眼の視力の和が0.04以下
聴覚 両耳の聴力レベルが100デシベル以上
上肢 両上肢の機能に著しい障害を有する/両上肢のすべての指を欠く/両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有する
下肢 両下肢の機能に著しい障害を有する/両下肢を足関節以上で欠く
体幹・脊髄 体幹の機能に座っていることができない程度または立ち上がることができない程度の障害を有する



2級障害の状態

2級障害の状態とは、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。

この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のもののことです。


例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものです。

部位 障害の状態
両眼の視力の和が 0.05 以上 0.08 以下
聴覚 両耳の聴力レベルが 90 デシベル以上
平衡機能 平衡機能に著しい障害を有する
そしゃく そしゃくの機能を欠く
言語 音声又は言語機能に著しい障害を有する
上肢 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠く/両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有する/など
下肢 両下肢のすべての指を欠く/一下肢を足関節以上で欠く
体幹・脊髄 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有する



3級障害の状態

3級障害の状態とは、労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のものです。

また、「傷病が治らないもの」にあっては、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものです。

部位 障害の状態
両眼の視力が 0.1 以下に減じた
聴覚 両耳の聴力が、40 センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じた
平衡機能 神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残す
そしゃく そしゃくの機能に相当程度の障害を残す
言語 言語の機能に相当程度の障害を残す
上肢 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠く/両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有する/など
下肢 一下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃した/身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残す
体幹・脊髄 脊柱の機能に著しい障害を残す



障害手当金

「傷病が治ったもの」であって、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものです。


部位 障害の状態
両眼の視力が 0.6 以下に減じた/一眼の視力が 0.1 以下に減じた/など
聴覚 一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じた
平衡機能 神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残す
そしゃく そしゃくの機能に障害を残す
言語 言語の機能に障害を残す
上肢 一上肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残す/長管状骨に著しい転位変形を残す/など
下肢 一下肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残す/一下肢を3センチメートル以上短縮した/など
体幹・脊髄 脊柱の機能に障害を残す


 

障害年金の給付額

障害年金は障害のある人はもちろん給付されますが、その人に子どもがいる場合はその人数に応じて加算されていきます。


障害厚生年金は、人によって金額が違います。その人の平均標準報酬額や厚生年金保険に加入していた期間などによって年金額が変わります。

障害等級 金額
1級 障害基礎年金(974,125円+子の加算)

報酬比例の年金×1.25+配偶者加給年金
2級 障害基礎年金(779,300円+子の加算)

報酬比例の年金+配偶者加給年金
3級 報酬比例の年金(最低保証 584,500円(月額48,708円))
障害手当金 報酬比例の年金の2年分(最低保証 1,169,000円)※一時金


子どもの数 金額
1人目、2人目の子 1人につき、224,300円 (月額 18,691円)
3人目以降の子 1人につき、 74,800円 (月額  6,233円)



障害年金の給付額の具体例

  子なし 子1人 子2人 子3人
1級 974,125円
(月額 81,177円)
1,198,425円
(月額 99,868円)
1,422,725円
(月額 118,560円)
1,497,525円
(月額 124,793円)
2級 779,300円
(月額 64,941円)
1,003,600円
(月額 83,633円)
1,227,900円
(月額 102,325円)
1,302,700円
(月額 108,558円)



障害年金の給付期間

障害年金は障害認定が行われたら障害が回復するまで給付が続きます。ただし、状況に応じて数年ごとに「障害状態確認届」という診断書付きの現況届の提出をしなければいけません。


障害年金には、この届出が必要な「有期認定」と届け出が必要ない「永久認定」があります。


更新の必要がない「永久認定」

手足の欠損障害のような明らかに障害の状態が改善されることがない場合は、障害の等級を一度決定すると変更することはありません。この場合「永久認定」となり、以後の更新が必要ありません。


更新の必要がある「有期認定」

有期認定は、障害の状態に応じて審査医師が1~5年の範囲で診断書の提出を求めます。


障害状態確認届(診断書)は、年金証書に記載されている診断書提出の指定月の3カ月前に届きます。

誕生月の末までに、指定日前3カ月の間に受診をした診断書を提出する必要があります。提出が遅れると、年金の給付が止まる場合があります。


等級に変更が無い場合は、次回の診断書提出についてのお知らせが、送付されてきます。支給停止や等級に変更がある場合は、支給額変更通知書が送られてきます。


障害年金の所得制限(給付の減額)

障害年金は働きながらでも給付を受けることができ、いくら稼いでも所得制限により給付が減額されることがありませんが、一部例外があります。

20歳前が障害の初診日になった人は注意が必要です。


障害の初診日が未成年の場合、年金を支払うことなく障害年金を受け取ることになります。このため、初診日が未成年だった人に限り、障害年金の給付額に所得制限が設けられています。

障害年金の所得制限(給付の減額)


※所得は2人世帯で給与所得の場合です。


所得額が398万4干円(2人世帯)を超える場合には年金額の2分の1相当額に限り支給停止とし、500万1干円を超える場合には全額支給停止とする二段階制がとられています。


なお、世帯人数が増加した場合、扶養親族1人につき所得制限額が38万円(※)加算されます。


対象となる扶養親族が老人控除対象配偶者または老人扶養親族であるときは、1人につき48万円加算。特定扶養親族等であるときは1人につき63万円加算されます。
 

また、1人世帯(扶養親族なし)については、所得額が360万4千円を超える場合に年金額の2分の1が支給停止となり、462万1千円を超える場合に全額支給停止となります。


障害年金の手続き・申請方法

障害者年金の申込みに必要な「年金請求書」に記入し、添付書類等を持って住所地の市区町村役場の窓口へ行きましょう。

なお、初診日が国民年金第3号被保険者期間中の場合は、近くの年金事務所または街角の年金相談センターになります。


「年金請求書」は住所地の市区町村役場、または近くの年金事務所または街角の年金相談センターの窓口に備え付けてあります。


準備する添付書類等

  • 戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか
  • 医師の診断書(所定の様式あり)
  • 受診状況等証明書
  • 病歴・就労状況等申立書
  • 受取先金融機関の通帳等(本人名義)
  • 印鑑


年金保険料を納めていない20歳未満が障害を負った時の所得保障

年金保険料を納めていない20歳未満が障害を負った時の所得保障

この記事では、「20歳未満が障害を負った時の所得保障」について解説していきます。


障害年金は保険料をきちんと納めることで受け取ることのできる社会保障です。

年金保険料を納める義務のない20歳未満は、障害年金を受給できません。

日本の社会保障には、20歳未満が障害を負った時にでも所得保障をする制度が存在します。



国民年金の障害基礎年金

国民年金の障害基礎年金は、20歳未満の人が障害を負った時にも頼りになる所得保障制度です。


日本の年金制度は、保険料を納めることで下記の3つのいずれかの保障を受けられます。

  1. 老齢年金
  2. 障害年金
  3. 遺族年金


これらの保障は、しっかりと保険料を納付することで保障を受け取ることができます。


ご承知の通り、国民年金の保険料は満20歳(20歳の誕生月)から満60歳になるまで(59歳11ヵ月まで)の40年間です。

つまり、保険料を納めていない20歳未満の人は、障害を負った時に生計を立てていく拠り所となる障害年金を受給できないことになってしまいます。


日本の年金制度には、保険料を納めていない20歳未満の方にも障害年金を受給できる制度が存在します。

ただし、不公平感をなくすために、保険料を納めずに障害年金を受給することになった方には所得制限が設けられています(後述)。



初診日

初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師や歯科医師に診療を受けた日のことです。


年金保険料を納めなくても障害年金が受け取れるのかは、この初診日が基準になります。


障害認定日

障害の程度を判定する日であり、同時に年金の受給権が発生する日のことです。


①初診日から1年6ヶ月経過した日、または②受信日から1年6ヶ月の間に治ったときはその日のことをいいます。

なお、②のケースには、治らなくても症状が固定し、これ以上治療しても効果がないと判断された場合も含まれます。


障害の程度

障害年金の等級には、1~3級までありますが、これは障害手帳の級とは関係ありません。


国民基礎年金の給付の条件は、障害等級1・2級に該当するとことです。


1級障害の状態

1級障害の状態とは、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用事を済ませることを不能とする程度のもの。

この日常生活の用事を済ませることを不能とする程度とは、他人の介助を受けなければほとんど自分の用事を済ませることができない程度のもののことです。


例えば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるものです。

部位 障害の状態
両眼の視力の和が0.04以下
聴覚 両耳の聴力レベルが100デシベル以上
上肢 両上肢の機能に著しい障害を有する/両上肢のすべての指を欠く/両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有する
下肢 両下肢の機能に著しい障害を有する/両下肢を足関節以上で欠く
体幹・脊髄 体幹の機能に座っていることができない程度または立ち上がることができない程度の障害を有する



2級障害の状態

2級障害の状態とは、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。

この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のもののことです。


例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものです。

部位 障害の状態
両眼の視力の和が 0.05 以上 0.08 以下
聴覚 両耳の聴力レベルが 90 デシベル以上
平衡機能 平衡機能に著しい障害を有する
そしゃく そしゃくの機能を欠く
言語 音声又は言語機能に著しい障害を有する
上肢 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠く/両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有する/など
下肢 両下肢のすべての指を欠く/一下肢を足関節以上で欠く
体幹・脊髄 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有する



障害年金の所得制限(給付の減額)

障害年金は働きながらでも給付を受けることができ、いくら稼いでも所得制限により給付が減額されることがありませんが、一部例外があります。

20歳前が障害の初診日になった人は注意が必要です。


障害の初診日が未成年の場合、年金を支払うことなく障害年金を受け取ることになります。このため、初診日が未成年だった人に限り、障害年金の給付額に所得制限が設けられています。

障害年金の所得制限(給付の減額)


※所得は2人世帯で給与所得の場合です。


所得額が398万4干円(2人世帯)を超える場合には年金額の2分の1相当額に限り支給停止とし、500万1干円を超える場合には全額支給停止とする二段階制がとられています。


なお、世帯人数が増加した場合、扶養親族1人につき所得制限額が38万円(※)加算されます。


対象となる扶養親族が老人控除対象配偶者または老人扶養親族であるときは、1人につき48万円加算。特定扶養親族等であるときは1人につき63万円加算されます。
 

また、1人世帯(扶養親族なし)については、所得額が360万4千円を超える場合に年金額の2分の1が支給停止となり、462万1千円を超える場合に全額支給停止となります。


支給の開始

障害年金の支給開始は20歳になってからです。


障害年金の給付額

障害年金は障害のある人はもちろん給付されますが、その人に子どもがいる場合はその人数に応じて加算されていきます。


障害厚生年金は、人によって金額が違います。その人の平均標準報酬額や厚生年金保険に加入していた期間などによって年金額が変わります。

障害等級 金額
1級 障害基礎年金(974,125円+子の加算)

報酬比例の年金×1.25+配偶者加給年金
2級 障害基礎年金(779,300円+子の加算)

報酬比例の年金+配偶者加給年金
3級 報酬比例の年金(最低保証 584,500円(月額48,708円))
障害手当金 報酬比例の年金の2年分(最低保証 1,169,000円)※一時金


子どもの数 金額
1人目、2人目の子 1人につき、224,300円 (月額 18,691円)
3人目以降の子 1人につき、 74,800円 (月額  6,233円)



障害年金の給付額の具体例

  子なし 子1人 子2人 子3人
1級 974,125円
(月額 81,177円)
1,198,425円
(月額 99,868円)
1,422,725円
(月額 118,560円)
1,497,525円
(月額 124,793円)
2級 779,300円
(月額 64,941円)
1,003,600円
(月額 83,633円)
1,227,900円
(月額 102,325円)
1,302,700円
(月額 108,558円)



障害年金の給付期間

障害年金は障害認定が行われたら障害が回復するまで給付が続きます。ただし、状況に応じて数年ごとに「障害状態確認届」という診断書付きの現況届の提出をしなければいけません。


障害年金には、この届出が必要な「有期認定」と届け出が必要ない「永久認定」があります。


更新の必要がない「永久認定」

手足の欠損障害のような明らかに障害の状態が改善されることがない場合は、障害の等級を一度決定すると変更することはありません。この場合「永久認定」となり、以後の更新が必要ありません。


更新の必要がある「有期認定」

有期認定は、障害の状態に応じて審査医師が1~5年の範囲で診断書の提出を求めます。


障害状態確認届(診断書)は、年金証書に記載されている診断書提出の指定月の3カ月前に届きます。

誕生月の末までに、指定日前3カ月の間に受診をした診断書を提出する必要があります。提出が遅れると、年金の給付が止まる場合があります。


等級に変更が無い場合は、次回の診断書提出についてのお知らせが、送付されてきます。支給停止や等級に変更がある場合は、支給額変更通知書が送られてきます。


20歳までの障害児の所得保障(特別児童扶養手当)

障害年金を受給できる障害を負ったとしても、20歳までは障害年金を受給できません。


障害児を養育することになると、擁護に手がかかりパートに出ることができなくなったり、車いすや眼鏡などに費用がかかる事態が発生します。

日本の社会保障では、障害児を養育する父母などに給付される「特別児童扶養手当」が存在します。


特別児童扶養手当は、20歳未満の精神または身体に障害のある児童のいる家庭の父母またはその他の養育者に所得補償として支給され、児童の福祉の増進を図ることを目的にしています。



支給対象者

20歳未満で精神または身体に中程度以上の障害がある児童を家庭で監護、養育している父母またはその他の養育者。

等級 障害の程度
1級 身体障害者手帳1~2級または療育手帳「A」を持っているか、これと同程度の重い障がいのある児童
2級 身体障害者手帳3~4級(4級は一部)を持っているか、これと同程度のやや重い障がいのある児童



支給額

児童1人につき、障害等級1級の場合月額 51,700円、障害等級2級の場合月額 34,430円。

障害等級 1人につき月額
1級(重度障害児) 51,700円
2級(中度障害児) 34,430円



支給時期

手当が支給される時期は、4月、8月、11月(12月期分は11月中に振り込む自治体が多い)の3回払いです。

支払日 支給対象月
4月11日 12、1、2、3月
8月11日 4、5、6、7月
11月11日 8、9、10、11月


支払日が土・日・祝日の場合は、原則としてその直前の金融機関営業日を支払日となります。


障害の程度が低く該当しなかったがその後該当に至ったとき

【障害年金】障害の程度が低く該当しなかったがその後該当に至ったとき

この記事では、「障害年金の事後重症制度」について解説していきます。


当初、障害認定日には障害年金が受けられる障害等級に該当しなかったが、その後該当するに至ったときには障害年金が支給されます。

この制度を障害年金の事後重症制度といいます。



障害年金の事後重症制度

障害年金では、障害認定日に各年金制度で定めている障害等に該当することが受給要件の一つとなっていますが、結核やその他の内臓障害等の場合には、障害認定日には障害年金を受けられるだけの障害状態に該当しなくても、その後症状が悪化して該当することがあります。

このような場合に、同じように障害年金を支給しようというのが事後重症制度です。


この取扱いはいずれの年金制度においても、65歳になる前日(65歳の誕生日の2日前)までに該当して請求することが要件となっています。

なお、その他の受給要件、年金額、支給期間、手続きについては、それぞれ障害認定日に障害等級に該当したときに受けられる障害年金(障害基礎年金または障害厚生年金)と同様です。


障害年金とは

障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取ることができる年金です。


障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」の2つがあります。

病気やケガで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。


ただし、障害年金を受け取るには、年金の納付状況などの条件があります。


障害基礎年金

国民年金に加入している間に、初診日(障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)のある病気やケガで、法令により定められたの障害の状態にあるときは障害基礎年金が支給されます。


障害厚生年金

厚生年金に加入している間に、初診日のある病気や法令により定められたの障害の状態にあるときは、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。


障害年金を受給するための3つの条件

障害年金を受給するためには、下記の3つの条件を満たす必要があります。

  1. 障害の原因となった「初診日」がわかること
  2. 障害の状態が固定されていること
  3. 保険料を納付していること


それぞれわかりやすく解説していきます。


障害の原因となった「初診日」がわかること

障害の原因となった、病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診断を受けた日のことを「初診日」といいます。


一般的に初診日は病院のカルテを用いて証明されます。もしカルテがない場合は、障害者手や医師の証診断書でも証明可能です。


障害の状態が固定されていること

障害の状態が固定されているとは、「障害認定日」を受けているということになります。


これは、障害の原因となった病気やケガの初診日から、1年6ヶ月を経過、または1年6ヶ月以内に症状が固定化した日のことです。


※20歳よりも1年半以上前の障害の場合は、20歳になったときが「障害認定日」になります。


保険料を納付していること

下記のいずれかの要件を満たす必要があります。

  1. 初診日の先々月までの年金加入月数の2/3以上の保険料納付済み、または免除を受けている。
  2. 初診日の先々月までの年金加入月数の12ヶ月すべて保険料納付済みか、または免除を受けている。
  3. 20歳未満。(二十歳前傷病による障害基礎年金の請求)


二十歳前傷病により障害基礎年金の給付を受けることになると、障害年金の所得制限(給付の減額)を受けることになります。(後述)。


障害年金の等級の種類

障害等級には「1級」「2級」「3級」があり、障害の重症度によって分けられています。数字が小さいほど症状が重いです。

障害基礎年期には1・2級しかありませんが、障害厚生年金には3級もあります。さらに、3級にも該当しない場合は症状に応じて、一時金として「障害手当金」が給付されます。

  障害基礎年金 障害厚生年金
1級障害
2級障害
3級障害
障害手当金



障害等級に当てはまる障害の状態

障害年金の等級には、1~3級までありますが、これは障害手帳の級とは関係ありません。


1級障害の状態

1級障害の状態とは、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用事を済ませることを不能とする程度のもの。

この日常生活の用事を済ませることを不能とする程度とは、他人の介助を受けなければほとんど自分の用事を済ませることができない程度のもののことです。


例えば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるものです。

部位 障害の状態
両眼の視力の和が0.04以下
聴覚 両耳の聴力レベルが100デシベル以上
上肢 両上肢の機能に著しい障害を有する/両上肢のすべての指を欠く/両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有する
下肢 両下肢の機能に著しい障害を有する/両下肢を足関節以上で欠く
体幹・脊髄 体幹の機能に座っていることができない程度または立ち上がることができない程度の障害を有する



2級障害の状態

2級障害の状態とは、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。

この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のもののことです。


例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものです。

部位 障害の状態
両眼の視力の和が 0.05 以上 0.08 以下
聴覚 両耳の聴力レベルが 90 デシベル以上
平衡機能 平衡機能に著しい障害を有する
そしゃく そしゃくの機能を欠く
言語 音声又は言語機能に著しい障害を有する
上肢 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠く/両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有する/など
下肢 両下肢のすべての指を欠く/一下肢を足関節以上で欠く
体幹・脊髄 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有する



3級障害の状態

3級障害の状態とは、労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のものです。

また、「傷病が治らないもの」にあっては、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものです。

部位 障害の状態
両眼の視力が 0.1 以下に減じた
聴覚 両耳の聴力が、40 センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じた
平衡機能 神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残す
そしゃく そしゃくの機能に相当程度の障害を残す
言語 言語の機能に相当程度の障害を残す
上肢 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠く/両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有する/など
下肢 一下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃した/身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残す
体幹・脊髄 脊柱の機能に著しい障害を残す



障害手当金

「傷病が治ったもの」であって、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものです。


部位 障害の状態
両眼の視力が 0.6 以下に減じた/一眼の視力が 0.1 以下に減じた/など
聴覚 一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じた
平衡機能 神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残す
そしゃく そしゃくの機能に障害を残す
言語 言語の機能に障害を残す
上肢 一上肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残す/長管状骨に著しい転位変形を残す/など
下肢 一下肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残す/一下肢を3センチメートル以上短縮した/など
体幹・脊髄 脊柱の機能に障害を残す




障害年金の給付額

障害年金は障害のある人はもちろん給付されますが、その人に子どもがいる場合はその人数に応じて加算されていきます。


障害厚生年金は、人によって金額が違います。その人の平均標準報酬額や厚生年金保険に加入していた期間などによって年金額が変わります。

障害等級 金額
1級 障害基礎年金(974,125円+子の加算)

報酬比例の年金×1.25+配偶者加給年金
2級 障害基礎年金(779,300円+子の加算)

報酬比例の年金+配偶者加給年金
3級 報酬比例の年金(最低保証 584,500円(月額48,708円))
障害手当金 報酬比例の年金の2年分(最低保証 1,169,000円)※一時金


子どもの数 金額
1人目、2人目の子 1人につき、224,300円 (月額 18,691円)
3人目以降の子 1人につき、 74,800円 (月額  6,233円)



障害年金の給付額の具体例

  子なし 子1人 子2人 子3人
1級 974,125円
(月額 81,177円)
1,198,425円
(月額 99,868円)
1,422,725円
(月額 118,560円)
1,497,525円
(月額 124,793円)
2級 779,300円
(月額 64,941円)
1,003,600円
(月額 83,633円)
1,227,900円
(月額 102,325円)
1,302,700円
(月額 108,558円)



障害年金の給付期間

障害年金は障害認定が行われたら障害が回復するまで給付が続きます。ただし、状況に応じて数年ごとに「障害状態確認届」という診断書付きの現況届の提出をしなければいけません。


障害年金には、この届出が必要な「有期認定」と届け出が必要ない「永久認定」があります。


更新の必要がない「永久認定」

手足の欠損障害のような明らかに障害の状態が改善されることがない場合は、障害の等級を一度決定すると変更することはありません。この場合「永久認定」となり、以後の更新が必要ありません。


更新の必要がある「有期認定」

有期認定は、障害の状態に応じて審査医師が1~5年の範囲で診断書の提出を求めます。


障害状態確認届(診断書)は、年金証書に記載されている診断書提出の指定月の3カ月前に届きます。

誕生月の末までに、指定日前3カ月の間に受診をした診断書を提出する必要があります。提出が遅れると、年金の給付が止まる場合があります。


等級に変更が無い場合は、次回の診断書提出についてのお知らせが、送付されてきます。支給停止や等級に変更がある場合は、支給額変更通知書が送られてきます。


障害年金の所得制限(給付の減額)

障害年金は働きながらでも給付を受けることができ、いくら稼いでも所得制限により給付が減額されることがありませんが、一部例外があります。

20歳前が障害の初診日になった人は注意が必要です。


障害の初診日が未成年の場合、年金を支払うことなく障害年金を受け取ることになります。このため、初診日が未成年だった人に限り、障害年金の給付額に所得制限が設けられています。

障害年金の所得制限(給付の減額)


※所得は2人世帯で給与所得の場合です。


所得額が398万4干円(2人世帯)を超える場合には年金額の2分の1相当額に限り支給停止とし、500万1干円を超える場合には全額支給停止とする二段階制がとられています。


なお、世帯人数が増加した場合、扶養親族1人につき所得制限額が38万円(※)加算されます。


対象となる扶養親族が老人控除対象配偶者または老人扶養親族であるときは、1人につき48万円加算。特定扶養親族等であるときは1人につき63万円加算されます。
 

また、1人世帯(扶養親族なし)については、所得額が360万4千円を超える場合に年金額の2分の1が支給停止となり、462万1千円を超える場合に全額支給停止となります。


障害年金の手続き・申請方法

障害者年金の申込みに必要な「年金請求書」に記入し、添付書類等を持って住所地の市区町村役場の窓口へ行きましょう。

なお、初診日が国民年金第3号被保険者期間中の場合は、近くの年金事務所または街角の年金相談センターになります。


「年金請求書」は住所地の市区町村役場、または近くの年金事務所または街角の年金相談センターの窓口に備え付けてあります。


準備する添付書類等

  • 戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか
  • 医師の診断書(所定の様式あり)
  • 受診状況等証明書
  • 病歴・就労状況等申立書
  • 受取先金融機関の通帳等(本人名義)
  • 印鑑


障害が軽度で障害年金の給付に至らなかったときに支給される障害手当金とは

障害が軽度で障害年金の給付に至らなかったときに支給される障害手当金

この記事では、「障害手当金(一時金)」について解説していきます。


障害を負った場合、日本の社会保障により障害年金が支給されます。

しかし、障害が軽度で障害年金の給付に至らなかったときには、障害手当金(一時金)が支給される場合があります。


この記事を読めば、障害手当金(一時金)の、「支給要件」「障害手当金の支給に該当する障害の程度」「手当金額」などを知ることができます。




障害手当金(一時金)

厚生年金加入中(平成27年9月30日以前の共済組合等に加入中の場合も含む)におきた病気やケガが原因で一定の障害状態になったが、比較的軽いため障害年金に該当しなかったとき、一時金として支給されるものです。


初診日から5年以内に病気や怪我が治り、厚生年金保険で定めている程度の障害状態に該当していることが必要です。


支給要件

  1. 初診日に厚生年金に加入している。
    ➝ 会社員または経営者で、給与から保険料を納めていた人が該当します。自営業者やフリーランスなど、国民年金のみ支払っていた人は対象外です。
    また、障害厚生年金(報酬比例の年金)は、勤続年数など条件によって金額が変わります。

  2. 初診日から5年を経過するまでの間に、傷病が治った(治療の効果が期待できなくなった)

  3. 障害等級3級より軽い障害状態にあること

  4. 保険料納付要件を満たしていること
    ・初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されている
    ・初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がない


初診日とは

障害の原因となった、病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診断を受けた日のことを「初診日」といいます。


一般的に初診日は病院のカルテを用いて証明されます。もしカルテがない場合は、障害者手帳や医師の証診断書でも証明可能です。


3級に満たない障害の程度

  1. 一眼の視力が0.02以下に減じたもの
  2. 脊柱の機能に障害を残すもの
  3. 一上肢の3大関節のうち、1関節の用を廃したもの
  4. 一下肢の3大関節のうち、1関節の用を廃したもの
  5. 一下肢が5センチメートル以上短縮したもの
  6. 一上肢に偽関節※ を残すもの
  7. 一下肢に偽関節※ を残すもの
  8. 一上肢のおや指を指節間関節で欠き、かつ、ひとさし指以外の1指を近位指節間関節以上で欠くもの
  9. 一上肢のおや指及びひとさし指の用を廃したもの
  10. おや指又はひとさし指を併せ一上肢の3指以上の用を廃したもの
  11. 一下肢の5趾を中足趾節関節以上で欠くもの
  12. 精神又は神経系統に労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの


※偽間接骨折部で骨が正しく融合されず、異常な可動性など重篤な後遺症が残った状態。


手当金額

障害手当金の額は、3級障害厚生年金の2倍に相当する額です。
(最低保証 1,169,000円)


手続き

年金請求書(障害給付)に年金手帳、医師の診断書等を添付し、年金事務所、加入していた共済組合等(初診日に共済組合等に加入していた人の場合)へ提出することで手続きが完了します。


障害の原因が業務上の場合

障害の原因となった病気やケガが業務上(公務・職務上)のものの場合には、労災保険等の業務上(公務・職務上)の災害補償制度から障害(補償)給付が受けられますので、厚生年金の障害手当金は支給されません。



障害年金の等級の種類

障害等級には「1級」「2級」「3級」があり、障害の重症度によって分けられています。数字が小さいほど症状が重いです。

障害基礎年期には1・2級しかありませんが、障害厚生年金には3級もあります。さらに、3級にも該当しない場合は症状に応じて、一時金として「障害手当金」が給付されます。

  障害基礎年金 障害厚生年金
1級障害
2級障害
3級障害
障害手当金



【年金保険料の未納】障害年金をもらえない人に給付される特別障害給付金とは

【年金保険料の未納】障害年金をもらえない人に給付される特別障害給付金とは

この記事では、「障害年金をもらえない人に給付される特別障害給付金」について解説していきます。


障害年金の給付を受けるには、年金保険料をきちんと納めていることが条件になります。

つまり、年金保険料の未納などにより受給のための条件を満たしていないと、障害年金をもらえません。

ただし、その救済措置として特別障害給付金がありあます。


この記事を読めば、特別障害給付金の「支給要件」「支給額」「手続き」などを知ることができます。




特別障害給付金とは

原則として、障害年金は年金制度に加入中に初診日のある病気やケガで障害状態になったときにその年金制度から支給されます。

そのため、国民年金への加入が任意の時期に任意加入していなかった人はその時期に初診日のある病気やケガで障害状態となっても、障害基礎年金等が支給されません。


そこで、国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情にかんがみ、福祉的措置として、障害基礎年金を受給していない障害者の方に対して特別障害給付金が支給されます。


支給要件

下記のいずれかに該当していた時期に国民年金に任意加入していなかった人で、その時期に傷害の原因となった病気やケガでの初診日があるために障害基礎年金を受給できず、現在、障害基礎年金の1級、2級相当の障害状態にある人。

ただし、65歳に達する日の前日までに当該障害状態に該当した場合に限ります。

  1. 昭和61年3月以前に国民年金任意加入対象者であった被用者年金制度加入者または受給者等の配偶者
  2. 平成3年3月以前に国民年金任意加入対象者であった学生


給付額

  • 障害基礎年金1級相当の障害に該当する方
    ➝ 月額 51,650円

  • 障害基礎年金2級相当の障害に該当する方
    ➝ 月額 41,320円


手続き

特別障害給付金申請書に年金手帳を添付し、市区町村役場へ提出することで手続きが完了します。


支給が行われる月

給付金の支払は毎年、2月、4月、6月、8月、10月、12月の6回です。

受給者本人の前年の所得が一定額以上のときは、支給が全額または半額に制限されます。


障害等級に当てはまる障害の状態

障害年金の等級には、1~3級までありますが、これは障害手帳の級とは関係ありません。


1級障害の状態

1級障害の状態とは、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用事を済ませることを不能とする程度のもの。

この日常生活の用事を済ませることを不能とする程度とは、他人の介助を受けなければほとんど自分の用事を済ませることができない程度のもののことです。


例えば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるものです。

部位 障害の状態
両眼の視力の和が0.04以下
聴覚 両耳の聴力レベルが100デシベル以上
上肢 両上肢の機能に著しい障害を有する/両上肢のすべての指を欠く/両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有する
下肢 両下肢の機能に著しい障害を有する/両下肢を足関節以上で欠く
体幹・脊髄 体幹の機能に座っていることができない程度または立ち上がることができない程度の障害を有する



2級障害の状態

2級障害の状態とは、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。

この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のもののことです。


例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものです。

部位 障害の状態
両眼の視力の和が 0.05 以上 0.08 以下
聴覚 両耳の聴力レベルが 90 デシベル以上
平衡機能 平衡機能に著しい障害を有する
そしゃく そしゃくの機能を欠く
言語 音声又は言語機能に著しい障害を有する
上肢 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠く/両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有する/など
下肢 両下肢のすべての指を欠く/一下肢を足関節以上で欠く
体幹・脊髄 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有する



障害年金の給付を受けるために必要な納付状況

自分が将来、障害を負うかどうかは誰にもわかりません。もしものために、国民年金の保険料は必ず納付しましょう。


障害年金の給付を受けるには下記のいずれかの条件を満たす必要があります。

  1. 初診日の先々月までの年金加入月数の2/3以上の保険料納付済み、または免除を受けている
  2. 初診日の先々月までの年金加入月数の12ヶ月すべて保険料納付済みか、または免除を受けている
  3. 20歳未満。(二十歳前傷病による障害基礎年金の請求)




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