社会保障

海外で病気や怪我になり医療費がかかっても公的保険によって払い戻されます

海外で病気や怪我になり医療費がかかっても公的保険によって払い戻されます

この記事では、「海外でかかる医療費の保障(海外療養費)」について解説していきます。


海外で医療費が発生すると莫大な請求を受けると思っている人は多いのではないでしょうか?

確かにいったん建て替える必要がありますが、後日、加入する公的医療保険に手続きをすることで払い戻してもらえます。


この記事を読めば、海外でかかった医療費の払い戻される「給付額」「手続き」「問合わせ先」などを知ることができます。




海外療養費とは

海外療養費とは

旅行中や仕事などで海外にいる公的保険の加入者本人または被扶養者である家族が、病気やケガで現地の病院で診療を受けた場合に、実費払いした医療費は、海外療養費として後で払い戻されます


ただし、支給されるのは保険者が審査して認めた場合で、日本で保険給付の対象外になっている医療については支給されません。


保険者とは

保険者とは、契約者と保険契約を結ぶ者のことであり、通常は保険会社のこと、保険者は、「保険事故」が発生した場合に保険金や給付金を支払う義務を有する。
(全国健康保険協会、健保組合、共済組合等、市区町村、国保組合)



公的医療保険の違いによる海外療養費の詳細

公的医療保険の違いによる「入院時食事療養費」の詳細

公的医療保険の種類は全部で下記の5つがあります。

  1. 健康保険
  2. 共済組合
  3. 船員保険
  4. 国民健康保険
  5. 後期高齢者医療


加入している公的医療保険によって海外療養費の内容が異なります。


それぞれわかりやすく解説していきます。



健康保険(一般保険者)

給付額

海外の病院で発行された診療内容明細書、領収書にもとづき、日本で保険診療を受けた場合の標準額のうち下記の額になります。

  1. 70歳未満
    本人、家族とも7割相当額。ただし、義務教育就学前までの乳幼児は8割相当額

  2. 70歳以上
    8割相当額(誕生日が昭和19年4月1日までの人は9割相当額)。ただし、現役並み所得者は7割相当額




手続き

海外療養費支給申請書に診療内容明細書、領収明細書、海外に渡航した事実が確認できる書類等を添付(外国語で書かれているものは日本語の翻訳文を添付)して、事業所を管轄している全国健康保険協会都道府県支部または加入する健保組合へ提出することで手続きが完了します。


問合わせ先

問合わせ先は、事業所を管轄している全国健康保険協会都道府県支部または加入する健保組合です。


健康保険(日雇特例被保険者)

給付額

海外の病院で発行された診療内容明細書、領収書にもとづき、日本で保険診療を受けた場合の標準額のうち下記の額になります。

  1. 70歳未満
    本人、家族とも7割相当額。ただし、義務教育就学前までの乳幼児は8割相当額

  2. 70歳以上
    8割相当額(誕生日が昭和19年4月1日までの人は9割相当額)


手続き

海外療養費支給申請書に診療内容明細書、領収明細書、海外に渡航した事実が確認できる書類等を添付(外国語で書かれているものは日本語の翻訳文を添付)して、住所地または居住地の全国健康保険協会都道府県支部へ提出することで手続きが完了します。


その他

保険料の納付状況によっては支給の対象にならないこともあります。

全国健康保険協会都道府県支部または委託市町村に被保険者手帳を提示して確認してください。


国民健康保険

給付額

海外の病院で発行された診療内容明細書、領収明細書にもとづき日本で保険診療を受けた場合の標準額のうち下記の額になります。

  1. 70歳未満
    7割相当額(義務教育就学前までの乳幼児は8割相当額)

  2. 70歳以上
    8割相当額(誕生日が昭和19年4月1日までの人は9割相当額)、ただし、現役並み所得者は7割相当額。


手続き

海外療養費支給申請書に診療内容明細書、領収明細書、海外に渡航した事実が確認できる書類等を添付(外国語で書かれているものは日本語の翻訳文を添付)して、居住の市区町村役場または加入する国保組合へ提出することで手続きが完了します。


問合わせ先

問合わせ先は、居住の市区町村役場または加入する国保組合です。


船員保険

給付額

海外の病院で発行された診療内容明細書、領収書にもとづき、日本で保険診療を受けた場合の標準額のうち下記の額になります。

  1. 70歳未満
    本人、家族とも7割相当額。ただし、義務教育就学前までの乳幼児は8割相当額

  2. 70歳以上
    8割相当額(誕生日が昭和19年4月1日までの人は9割相当額)。ただし、現役並み所得者は7割相当額


手続き

海外療養費支給申請書に診療内容明細書、領収明細書、海外に渡航した事実が確認できる書類等を添付(外国語で書かれているものは日本語の翻訳文を添付)して、全国健康保険協会船員保険部へ提出することで手続きが完了します。


問合わせ先

問合わせ先は、全国健康保険協会船員保険部です。


共済組合等

給付額

海外の病院で発行された診療内容明細書、領収書にもとづき、日本で保険診療を受けた場合の標準額のうち下記の額になります。

  1. 70歳未満
    本人、家族とも7割相当額。ただし、義務教育就学前までの乳幼児は8割相当額

  2. 70歳以上
    8割相当額(誕生日が昭和19年4月1日までの人は9割相当額)。ただし、現役並み所得者は7割相当額


手続き

海外療養費支給申請書に診療内容明細書、領収明細書、海外に渡航した事実が確認できる書類等を添付(外国語で書かれているものは日本語の翻訳文を添付)して、加入する共済組合等へ提出することで手続きが完了します。


問合わせ先

問合わせ先は、加入する共済組合等です。



【まとめ】医療費に関する社会保障の種類をわかりやすく解説

公的医療保険は業務上(公務・職務上)のもの以外の病気やケガについて、医療(現物)と医療費、また療養中の生活費の保障を第一の目的とした社会保険です。国民はだれでもいずれかの公的医療保険に加入者本人または ...

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