障害の程度によっては、医療的なケアが必要になり、長期の入院を余儀なくされる場合があります。
そのような状況では、家族のサポートだけでは対応が困難になります。
そんな時に頼りになるのが『療養介護』です。
『療養介護』は長期の入院が必要である障害者のためのサービスとなっています。
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療養介護とは
療養介護とは、「障害者総合支援法」で定められた自立支援給付のうち、介護給付に含まれる障害福祉サービスです。
障害の種類によっては、食事介助や排泄の介助だけでなく、医療的なケアを要する障害もあります。
具体的には、ALS(筋萎縮性側索硬化症)や筋ジストロフィー患者、重症心身障害者が該当します。
つまり、長期の入院が必要である障害者のためのサービスとなっています。
療養介護では、難病患者や重症心身障害者が、病院などの医療機関に長期入院して、機能訓練や看護などの医療的ケアとともに、食事や排泄などの介護を受けることができます。
つまり、日常的な介護の他に、医療行為の提供などを受けることができ、これを療養介護医療と呼んでいます。
療養介護の対象者はALSなどを患っており、気管切開をともなう人工呼吸器による呼吸管理をしている人で障害支援区分6の人、または筋ジストロフィー患者か重症心身障害者で障害支援区分5以上の人で、いずれの場合も長期入院や常時の介護を必要とする人を対象としています。
療養介護を利用する方法
療養介護を利用するためには市町村に申請し、障害支援区分についての認定を受けなければなりません。
障害支援区分には有効期間があり、3ヶ月から3年の期間内で期間が決定されます。
さらに支給を受けるためには、指定特定相談支援事業者が作成したサービス等利用計画案を提出し、支給決定を受けなければなりません。
サービス開始後も、利用者の実情に合ったサービスを提供するため、事業者は6ヶ月ごとにモニタリングを行い、利用計画を見直します。
支給決定の更新もそれに基づいて決定されます。
療養介護も選択肢の一つとなっている
療養介護は、医療的ケアを必要とする障害者が長期入院をすることを想定して作られたサービスです。
医療の発達や機能訓練などで、必ずしも療養介護を利用しなければならないわけではありません。
筋ジストロフィー患者のなかには、自らの意思で療養介護を継続した人もいれば、自宅で自立生活を送っている人もいます。
なお、自立生活を行う場合は、重度障害者等包括支援を利用することになります。
難病患者や重症心身障害者は、体を動かすことや意思疎通が困難な場合があります。
しかし、「理想の生活がしたい」という感情までなくなったわけではありません。
障害が重いから入院しかできないのではなく、療養介護はあくまで選択肢の一つであり、障害者本人の意思を優先し、望んでいる生活が可能となるサービスや支援の拡充が必要となっています。
障害福祉サービスを利用する方法
障害福祉サービスを利用したい場合は、居住地の市町村に申請します。
注意しなければならないのは、市町村ごとに対応窓口の名称が同じではないということです。
一般に、生活福祉課や障害福祉課などの名称がつけられていることが多いようです。
具体的に、どの窓口に対して申請すればよいのかが分からない場合には、申請に出向く前にあらかじめ市町村の総合窓口に問い合わせをしてみましょう。
市町村は相談支援事業を行っている
市町村は障害福祉サービスの一環として相談支援事業を行っていますので、相談支援の中で障害者は自身に適切なサービスの内容や、必要な手続きに関するアドバイスを受けることができます。
その際には、市町村から委託を受けた相談支援事業者からのアドバイスなどを受けることになります。
相談支援事業者は、障害者に変わって申請に関する手続きを代行することも可能です。
相談支援事業者は下記の2つに分類することができます。
- 指定一般相談支援事業者
- 指定特定相談支援事業者
ともに、市町村から指定を受ける必要がありますが、指定一般相談支援事業者は、広く障害者が社会生活を営むうえで抱えた問題について、相談を受け付けます。
これに対して、指定特定相談支援事業者は、傷害福祉サービス利用手続きの相談の他に、サービス等利用計画案の作成まで行ってもらえます。
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