社会保障

職業訓練って何をするところ?卒業しても学歴にならない?

職業訓練校ってどんなとこ?~卒業しても学歴にならない~

この記事では、「職業訓練って何をするところ?」について解説していきます。


職業訓練校の初歩的な疑問について解説していきます。

職業訓練と普通の専門学校の違いなどを知ることができます。


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職業訓練と普通の専門学校の違い

職業訓練と普通の専門学校の違い

民間の専門学校は、文部科学省が管轄する「教育機関」であるのに対して、職業訓練校は、厚生労働省が管轄する、職業人を養成するための「訓練機関」であるのが最大の違いです。

つまり、より深い知識と教養を身につけるための人間教育を行うことを目標にした「学校」ではなく、あくまでも職業人としての実践的な専門知識や技術・技能を習得する「訓練施設」なのです。


したがって、訓練校を卒業してもその経歴は「学歴」として扱われず、「職歴」として扱われます。

そういうと、大学や専門学校などと比べて、訓練校は著しく劣っているようなイメージを持ちますが、「有利に就職する」面からみれば、劣っているどころか、大学はもちろん、民間の専門学校よりも優れている部分も多いのです。


理由は、学校教育法によって厳しい制限を受けている大学・専門学校の場合、専門分野とは直接関係のない一般教養科目も一定以上は履修しないと卒業できませんが、訓練校のカリキュラムにはそうした縛りがないため、より実践的で仕事に役立つ専門分野の科目だけを履修できる強みがあるからです。

また、訓練校の場合は、民間専門学校では採算面の問題で難しいとされている、1クラス15~25人の少人数クラスでの実習や演習を豊富に取り入れた授業を行っているのも大きな特徴です。


より即戦力に近い人材を養成できるため、就職難の時代にあっても、本科の長期コースは驚くほど高い就職率を誇っています。


職業訓練は落ちこぼれが行くところではない

職業訓練は落ちこぼれが行くところではない

かつては、高校進学の機会に恵まれない中学校卒業者に対して実践的な職業教育を行うのも、職業訓練校のひとつの役割でした。

しかし、高校進学率が限りなく100%に近くなった今では、その役割も大きく変わってきています。


新卒者向けコースの多くは、高校や大学を卒業した若年者を対象に、高度な知識や技術を習得する「技術系公立専門学校」としての役割に比重を移してきています。


たとえば、機械系のコースでは、かつてのように勘と経験に頼った技能工を養成する訓練は激減しています。

一方で、CAD/CAMと呼ばれる、コンピューターを駆使した製造システムのオペレーションができるエンジニアを養成する訓練が主流になりつつあります。

そのため、若年者向けの本科の修業年限は、短いコースでは2年が標準になっています。


なお名称も、「職業訓練校」ではなく、「技能専門校」としている地方が多く、なかには「テクノスクール」や「テクノカレッジ」といった名称をつけているところもあります。


職業訓練は失業した人だけが行くところではない

職業訓練は失業した人だけが行くところではない

地方の訓練校では、どちらかといえば、新規学卒者(または既卒若年者)に対して行う教育訓練機関という側面が強調されているのに対して、都市部のそれでは、失業対策の訓練に注力する傾向があります。

すなわち、失業した人が1日でも早く再就職できるように、就職に直結する知識・技能に身をつけさせる短期コースを数多く設置しているのです。


それによって「再就職のためのトレーニング機関」としての役割を果たしています。この役割に対しては、ここ数年の失業率の高まりを受けて、地方でもかなり積極的に取り組むようになってきています。

具体的には、昔ながらの工業系のコースに加えて、オフィスのOA化に対応した事務系コースやコンピューターのネットワークに対応したIT系コースも数多く設置されるようになってきています。

ただし、若年者向けと違って訓練期間が短いのが特徴で、大体どのコースも6ヶ月が基準です。


職業訓練は会社に勤めながらでも通える

職業訓練は会社に勤めながらでも通える

職業訓練は、短期コースであれば会社に勤めながらでも通うことが可能です。

訓練校の課程は、「若年者向けのコース」と「離転職者向けのコース」の2つのコースに大別されますが、「在職者向けのコース」も用意されています。


「能力開発セミナー」と呼ばれるのがそれで、どこの訓練校でも、特定の職種に必要な知識や技術を学ぶ在職者向けセミナーを定期的に開催しています。

この手のセミナーは、これまで工場系の専門的な内容が多かったので、一般人にはほとんど関係ないものと思われていましたが、最近は事務所向けのパソコンスキルアップ講座も開催されるようになっていますので、おおいに注目したいところです。


期間は、1~2日だけで完結するもの(土日開催)もあれば、平日のアフター5に毎日続けて開催され2週間単位で完結するものまで。

気になる受講費用は数千円程度で、なかには、2週間のコースでも「受講無料」(教材費のみ実費)というコースもあります。


また、電気工事士やファイナンシャルプランナー、福祉住環境コーディネーターといった特定の資格の受験準備講座が開催される場合もありますので、資格試験受験者によっては、そういうコースはおおいに狙い目です。


訓練校のコースには「若年者向け長期課程」「離転職向け短期課程」「在職者向けセミナー」の3種類があることを覚えておきましょう。



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