ウーバーなどの個人事業主も希望すれば労災保険に加入できるようになります。
まだ、決まったわけではありませんが、早ければ年内にも法整備されることになります。
国内のフリーランスは推計462万人と増加傾向にあります。
新しい働き方が増えつつある今、個人事業主の保護が急がれます。
ウーバーイーツなどが労災保険の特別加入の対象に
厚生労働省はウーバーイーツなど料理配達員を労災保険の特別加入の対象とする方向で調整に入りました。
保険料を払えば、けがの治療費などの給付を受けることができるようになります。
インターネットで単発の仕事を受けるギグワーカーを保護する動きは海外でも相次いでいます。
新しい働き方が広がる中、安全網を整える必要に迫られています。
労災保険とは
労災保険とは、業務に伴うけがや病気の治療費のほか、障害が残った場合の給付や死亡時の遺族給付があります。
雇用する事業主に加入義務があり、保険料も負担する。個人事業主も特例的に任意加入できる仕組みがあります。
建設業の一人親方や個人タクシーの運転手らが対象で、4月に俳優やアニメーターなども追加されました。
日本では原則、雇用される労働者のみ
日本は雇用される労働者しか原則、労働法の保護が及びません。
個人事業主は労働時間規制や最低賃金、雇用保険の対象から外れています。
海外ではドイツなど法律で雇用労働者と個人事業主の中間の類型を設けて一定の保護をする国もあります。
時期は早ければ2021年内
厚労省は2021年5月14日の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)労災保険部会で、特別加入の拡大の議論を始めます。
早ければ年内に労災保険法の省令を改正します。
保険料率は仕事の危険性などを勘案して今後検討することになります。
フリーで働くIT(情報技術)エンジニアも特別加入の対象とする方向で調整しています。
イギリスの最高裁判決
英最高裁は2021年2月、米ライドシェア大手ウーバーテクノロジーズの運転手を個人事業主ではなく労働法の保護が及ぶ「就労者」にあたると認定し、最低賃金などが適用されることになりました。
国内のフリーランスは推計462万人
内閣官房の2020年の調査によると、国内のフリーランスは推計462万人(本業214万人、副業248万人)にも及びます。
仕事が原因でけがや病気をしたことがある人も2割おり、仕事の中断に追い込まれる場合もあります。
フリーランスは時間や場所に縛られず働けるメリットもあります。
新たなビジネスが成長するためにも働く環境を整備する必要があります。
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