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【堀越学園】男女交際禁止 自主退学を勧告は違法

【堀越学園】男女交際禁止 自主退学を勧告は違法

男女交際を禁ずる校則に反したとの理由で自主退学を勧告されたのは不当だとして、堀越高校(東京都中野区)の元生徒の女性が、同校を運営する学校法人「堀越学園」に約704万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は2022年11月30日、97万円余りの支払いを命じました。

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裁判の内容

裁判の内容

この裁判は2019年、堀越高校に通っていた元生徒の女性が、男女交際を禁止する校則に違反したことを理由に、自主退学を勧告されたなどとして、学校を運営する「堀越学園」に対し、700万円あまりの損害賠償を求めていたものです。


元生徒の女性は、教員からおよそ4時間にわたり、男女交際があったかなどについて強引な聞き取りをされ、その後、自主退学を余儀なくされたと主張していました。


判決の内容

判決の内容

村田一広裁判長は校則を有効と判断した上で、学校側の退学勧告について「大学進学を希望する女性に事実上退学を強制した。教育上の裁量を超え違法」と認定しました。


判決によると、堀越学園は校則で「特定の男女間の交際は、生徒の本分と照らし合わせ、禁止する」と規定。

2019年11月20日、当時3年生だった女性と男子生徒の交際を教員が把握し、面談しました。

女性が交際を認めると2日後、学校側は校長の判断として自主退学を勧告し、女性はその後、他の高校に編入しました。


男女交際の禁止の校則は適法

判決は校則について「学校の教育理念や方針に鑑みれば、男女交際の禁止によって生徒を学業に専念させるものとして、社会通念に照らして合理的なものだ」として適法と認めました。


自主退学を勧告は違法

一方、女性は普段の学校生活がおおむね良好で「教育的指導によって校則の順守が見込まれる状況だった」と指摘。

校長がこうした具体的事情を適切に考慮せず、形式的に自主退学を勧告したのは「明白に合理性を欠き違法」と判断しました。


その上で「卒業間近に愛着ある高校の退学という重大な決断を迫られ相当の精神的苦痛を受けた」として慰謝料の支払いを命じ、他校への編入手続きに要した費用の一部も賠償すべきだとしました。


まとめ

まとめ

男女交際を禁止する校則をめぐり、「堀越高校」に通っていた元生徒の女性が、学校を運営する「堀越学園」を訴えた裁判で、東京地裁は2022年11月30日、学園側に約97万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

男女交際禁止の校則が関連した退学をめぐる訴訟で、学校側に賠償を命じる判決は初めてです。


堀越学園の校長は「判決文を精査し、関係者と慎重に協議して今後のことは決めたい」とのコメントを出しました。



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