この記事では、保険の仕組みについて解説していきます。
保険業界の広告は活発で、その存在を知らない人はいないと思います。
しかし、どのように成り立っているのかを知っている人は少ないのではないでしょうか?
この記事を読めば、お金を徴収し、給付するというセンシティブな行いが、なぜ民間企業で成り立つのかを知ることができます。
保険の仕組み、2つの原則
保険の元をたどれば、相互扶助の関係に行きつきます。
相互扶助
相互扶助(そうごふじょ)とは、社会・組織の構成員同士が互いに助け合うこと。
近代の保険業界の仕組みに落ち着く以前は、組合などがその運営を行っていましたが、現在は保険会社がその役割を担っています。
保険の仕組みを支える「公平」と「収支相等」の2つの原則を解説していきます。
公平の原則
保険は大勢の保険契約者が負担した保険料を原資として、契約者の誰かが死亡したりケガをしたときなどに保険金を支払うものです。
保険では全ての契約者が均等に保険料を負担しています。
この均等とは、リスクに応じて公平な保険料を負担しているという意味です。
契約者の年齢や疾病リスクなどを考慮せずに同額の保険料を設定すると、「高齢者が必ず得をする保険」になってしまいます。
しかし、年齢や過去の病歴、現在の健康状態などさまざまなリスクを考慮した上え算出された保険料であれば全員に公平に保険料を負担することになります。
これを『公平の原則』といいます。
収支相等の原則
生命保険も損害保険も、受け取った「保険料」と「支払った保険金やかかった費用の総額」が等しくなる『収支相等の原則』に基づいて設計されています。
収支相等
収支相等の原則(しゅうしそうとう)とは、入ってくるお金と出ていくお金が同じ額になる。
『公平の原則』と『収支相等の原則』という2つの原則が、保険の相互扶助の仕組みを実現させています。
保険料の運用
保険会社はリスクに相当する保険料を徴収しており、契約者からの保険金請求に十分に応えらえるような仕組みになっています。
また、万が一に備えて、保険料を運用し資金を増やしています。
生命保険会社、損害保険会社ともに資産湯用専門の部署が存在しており、国内有数の機関投資家として、多額の資金を運用しています。
保険会社による資産運用は株式市場などに安定的に供給され、良好な影響を与えています。
保険会社が行っている資産運用自体は、社会貢献にもつながっているのです。
機関投資家
生命保険会社や損害保険会社、銀行や信用金庫、年金機構など、大量の資金で株式や債券の運用を行う大口投資家のこと。