保険会社は、集めた保険料を株式市場などで運用しています。
それにより、バブル崩壊後に沢山の保険会社が破綻し、加入者が被害を被ってしまいました。
この記事では、「資産運用に失敗した保険会社の歴史」と「新しくできた、破綻しても契約者に被害が及ばない仕組み」を解説していきます。
バブル崩壊後に保険会社の破綻
バブル崩壊後、集めた保険料の運用に失敗した生命保険会社の経営が悪化し、多くの会社が経営破綻しました。
破綻の原因は購入した株式などの資産価値の下落や、金利水準の低下など、バブル経済の崩壊によるものが多いと考えられています。
バブル崩壊以前に、生命保険会社各社が、契約者配当の実地や予定利率の引き上げなどの価格競争を行ったことも一因となっています。
1997年の日産生命の破綻を皮切りに、第百生命や東邦生命、大正生命、千代田生命などが次々と破綻しました。
大手の生命保険会社は破綻していないものの、破綻した生命保険会社の全体における資産割合は10%以上と、少ないものではありません。
この一連の破綻では、契約者に負担を強いる形で処理が進められ、契約者が多大な不利益を被ってしまいました。
保険契約者保護機構の創設
保険会社が倒産した場合に契約者を保護するために1996年に保険契約者保護基金が創設されました。
しかし、保険契約者保護基金は、破綻した保険会社を救済する保険会社があらわれなければ契約者が保護されないというものでした。
そこで、1998年に保険業法が改正され、「保険契約者保護機構」が導入されました。
保険契約者保護機構は、生命保険契約者保護機構と、損害保険契約者保護機構の2つが存在します。
国内で活動しているすべての保険会社はそのどちらかに加入しており、保険契約者は保険会社が破綻しても保護されるようになりました。
保険契約者保護機構では、救済保険会社があらわれた場合はそっちに保険契約が移転し、あらわれなかった場合は、保護機構が設置した子会社に保険が引き継がれます。
保険契約者保護機構
保険契約者保護機構とは、保険会社が破綻した時は保険契約者の保護をし、保険業に対する信頼性を維持することを目的に創られました。