この記事では、「短期訓練受講費」について解説していきます。
失業者が再就職を目指す場合、教育訓練を受講することができます。
教育訓練の受講には費用が発生するため、失業者によっては受講の足かせとなる可能性があります。
短期訓練受講費はそんな方の負担を軽減し、教育訓練を受ける方をサポートします。
この記事を読めば、短期訓練受講費の「支給対象となる方」「対象講座」「手続きの流れ」などを知ることができます。
短期訓練受講費とは
「短期訓練受講費」とは、雇用保険の受給資格者等が、ハローワークの職業指導により再就職のために1か月未満の教育訓練を受け、訓練を修了した場合に、支払った入学料および受講料の2割(上限10万円、下限なし)が支給される制度です。
支給対象となる方
短期訓練受講費の支給対象となるには、下記の条件を満たす必要があります。
- 教育訓練を受講する前に、その訓練を受けるためのハローワークの職業指導を受けている
- 受講指導を受ける日において、雇用保険の受給資格者等(※)である
- 雇用保険の待期期間が経過した後に、教育訓練の受講を開始した
(※)雇用保険の受給資格者等とは、基本手当の受給資格者、高年齢受給資格者、特例受給資格者、日雇受給資格者のことです。
また、それぞれ受給資格者等である期間が異なります。
各、受給資格者 | 受給資格者等である期間 |
基本手当の受給資格者 | 受給資格決定日から、最後の認定日(支給終了日)または受給期間満了日のどちらか早い日まで |
高年齢受給資格者 | 離職日の翌日から1年間 |
特例受給資格者 | 離職日の翌日から6か月間 |
※いずれも、受給資格の決定手続きを行っている方に限ります。
また、受給資格の決定手続き以後に就職等した場合は、上記期間内であっても受給資格者等には該当しません。
支給金額
受給資格者等が教育訓練の受講のために支払った費用の額(入学料および受講料に限る)の20%
ただし、10万円の上限が設けられています。
問合わせ先
居住地の公共職業安定所(船員の場合、船員の求人を探すときは居住地の地方運輸局)。
短期訓練受講費の対象講座
短期訓練受講費の支給対象となる教育訓練は下記のとおりです。
- 一般教育訓練給付の対象講座を実施している教育訓練実施者が実施している
- 公的職業資格の取得を目標とする1か月未満の教育訓練(※)である
- 一般教育訓練給付の対象講座として指定されていないこと
(ただし、一般教育訓練給付の講座指定を受けている訓練を受講する場合であっても、受講開始日において一定の雇用保険の被保険期間等がない等の理由で、一般教育訓練給付の受給ができない方は、 「短期訓練受講費」の支給対象となります) - 教育訓練の開始時期、内容、対象者、目標および修了基準が明確であり、教育訓練の実施者が、その訓練について、適切に受講されたことを確認し、修了させるものである
(※)資格または試験であって、国もしくは地方公共団体、または国から委託を受けた機関が法令に基づいて実施するもの。【例】大型特殊免許、フォークリフト運転技能講習、介護職員初任者研修、等です。
短期訓練受講費の手続きの流れ
短期訓練の受講を希望する場合は、必ず受講開始前に、以下①~④の手続きを行った上で、教育訓練を受講する必要があります。
〈受講開始前に行う手続き〉
step
1「短期訓練受講費支給要件照会票」の提出
※「短期訓練受講費支給要件照会票」は、ハローワークの雇用保険窓口で交付しています。
step
2「短期訓練受講費支給要件回答書」の受理
step
3ハローワークによる受講指導
〈受講修了後に行う手続き〉
step
4支給申請書等の提出
必要書類
ハローワークに提出する必要書類は下記の6つです。
- 雇用保険受給資格者証等
- 教育訓練実施者が発行する「教育訓練修了証明書(短期訓練受講費)」
- 教育訓練実施者が発行する教育訓練経費に係る「領収書」
- 教育訓練経費等確認書(短期訓練受講費)
- 教育訓練実施者が発行する「返還金明細書(短期訓練受講費)」
(領収書を発行後、受講料の値引き等により、教育訓練経費の一部が返還された場合に限ります。) - 受講指導を行ったハローワークが発行する「短期訓練受講指導書」