社会保障

同行援護とは?同行援護の対象になる外出とは

同行援護とは?同行援護の対象になる外出とは

障害の程度によっては、人の手を借りないと社会生活を送れないこともあります。

日本の社会保障には、そんな方をサポートする制度が用意されています。


そのうちの一つが、同行援護です。

同行援護は、障害者の自宅の外で提供されるサポートです。


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同行援護とは

同行援護とは

視覚障害者にとって、外出をすることは困難で家に閉じこもりがちになってしまう傾向があります。

しかし、障害者の自立を目指すうえで望ましいとはいえません。

国や地方公共団体によって、公共交通機関や歩道などのバリアフリー化がすすめられていますが、安心して外出できるレベルには達していないのが現状です。


そこで同行援護によって、視覚に障害があり、移動が困難な障害者が生活できるよう、障害者が外出する際に必要な情報を提供したり、障害者の移動に同行して支援を行います。

かつては視覚障害者への移動支援という位置づけでしたが、2011年の法改正によって、外出中や外出先での視覚情報の支援という位置づけになりました。


同行援護を利用できる条件

同行援護を利用できる条件

同行援護を利用できる対象者は、視覚障害により移動に著しい困難を有する障害者などです。

さらに、同行援護アセスメント調査票によって、調査項目中の「視力障害」「視野障害」「夜盲」のいずれかが1点以上であるとともに、「移動障害」の点数が1点以上である必要があります。

身体介護が伴わない場合は、障害者認定区分がなくても利用可能となっています。


これに対して、身体介護が伴う場合には、障害支援区分が2以上の障害者が対象です。

さらに、障害支援区分の調査項目において、「歩行」「移乗」「移動」「排尿」「排便」について、いずれか1項目でも支援が必要な状態であることが必要になります。


同行援護アセスメント票

調査項目 0点 1点 2点
視力障害 普通(日常生活に支障がない) ・約1m離れた視力確認表の図が見える
・目の前に置いた視力確認表の図が見える
・ほとんど見えない
・見えているのか判断不能
視野障害 ない
又は右記以外
両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が90%以上(身体障害者手帳3級に相当) 両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が95%以上(身体障害者手帳2級に相当)
夜盲(※) ない
又は右記以外
暗い場所や夜間等の移動の際、慣れた場所以外では歩行できない程度の視野、視力等の能力の低下がある
移動障害
(※1)
慣れていない場所であっても歩行ができる 慣れた場所での歩行のみできる できない


夜盲(※)=網膜色素変性症等による夜盲、網膜色素変性症、錐体ジストロフィー、白子症等による「過度の羞明」等

移動障害(※1)=盲人安全つえ(又は盲導犬)の使用による単独歩行


視力確認表の図



同行援護の対象になる外出とは

同行援護の対象になる外出とは

視覚障害者などの外出時に付き添うヘルパーは、移動中や目的地において、移動の介護、排泄、食事の介護、代筆・代読、危険回避のための必要な支援を行います。

外出を支援するサービスだけでなく、移動先での代筆や代読も提供できる点が特徴で、役所や病院などで何かを読んでもらうことが可能です。


ただし、すべての外出が支援の対象になるわけではなく、通勤や営業活動などのための外出、一年を通じた長期の外出の他、パチンコに行くなど、同行援護の対象に社会通念上(常識的にみて)不適切な外出は対象になりません。

具体的に同行援護の支援範囲となるのは、日常生活での買い物や通院、公的機関・銀行などへの外出、社会参加、余暇活動、スポーツなどです。


なお、原則として1日の範囲内で用務を終えるものでなければなりません。

また、支援サービスの始まりと終わりの場所は、自宅でなくてもよく、病院から自宅までの支援でも可能とされています。


同行援護の注意点

同行援護の注意点

介護保険の対象者でも、同行援護を利用できる場合があります。

同行援護のサービス内容は、介護保険サービスの中にないからです。

しかし、買い物や通院などの場合、介護保険サービスの訪問介護と重なる部分が多く、市町村によっては認められない可能性があります。


障害福祉サービスを利用する方法

障害福祉サービスを利用する方法

障害福祉サービスを利用したい場合は、居住地の市町村に申請します。

注意しなければならないのは、市町村ごとに対応窓口の名称が同じではないということです。

一般に、生活福祉課や障害福祉課などの名称がつけられていることが多いようです。

具体的に、どの窓口に対して申請すればよいのかが分からない場合には、申請に出向く前にあらかじめ市町村の総合窓口に問い合わせをしてみましょう。


市町村は相談支援事業を行っている

市町村は障害福祉サービスの一環として相談支援事業を行っていますので、相談支援の中で障害者は自身に適切なサービスの内容や、必要な手続きに関するアドバイスを受けることができます。

その際には、市町村から委託を受けた相談支援事業者からのアドバイスなどを受けることになります。

相談支援事業者は、障害者に変わって申請に関する手続きを代行することも可能です。


相談支援事業者は下記の2つに分類することができます。

  1. 指定一般相談支援事業者
  2. 指定特定相談支援事業者


ともに、市町村から指定を受ける必要がありますが、指定一般相談支援事業者は、広く障害者が社会生活を営むうえで抱えた問題について、相談を受け付けます。

これに対して、指定特定相談支援事業者は、傷害福祉サービス利用手続きの相談の他に、サービス等利用計画案の作成まで行ってもらえます。


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