再就職した時にもらえる手当と言えば「再就職手当」が有名ですが、それだけではありません。
再就職までの期間が長期化しがちな人を対象に、再就職手当の代わりになる制度が設けられています。
それが「常用就職支度手当」です。
この記事を読めば、常用就職支度手当の「支給対象者」「支給額」「支給要件」を知ることができます。
常用就職支度手当とは
再就職手当は、一定の支給残日数以上の人でないともらえないのが難点でした。
若い人ならともかく、雇用情勢が厳しいような状況では、中高年が早期に再就職を果たすのは難しいでしょう。
そこで、45歳以上(高年齢受給資格者)の人や障害者、出稼ぎ労働者など、再就職までの期間が長期化しがちな人を対象に、再就職手当の代わりになる制度が設けられています。
それが「常用就職支度手当」です。
この制度の特徴は、再就職手当のように支給残日数何日分以上という縛りは一切なく、さらに1年間の受給期間を過ぎて就職しなくても支給されることです。
何よりありがたいのは、計算時の支給残日数に下限が設定されていることです。
すなわち、手当を1日でも残して就職すると、45日残したものとみなしてくれて、18日分の手当をもらえるのです。
再就職手当とは逆に、もらい切る直前に就職した人ほど有利な給付なのです。
常用就職支度手当の支給対象者
常用就職支度手当を受給できる方は以下のとおりです。
- 身体障害者
- 知的障害者
- 精神障害者
- 1年以上の雇用が確実である職業に就いた人
- 45歳以上の人(就業日において)
- 特例受給資格者で、通年雇用奨励金の支給対象となる事業主に通年雇用される人
- 日雇受給資格者のうち、日雇労働被保険者として就労することを常態とし、就職日に45歳以上の人
- 刑余者や駐留軍関係離職者など就職が困難な人
上記に当てはまっている場合でも失業保険の支給対象外である場合は、常用就職支度手当の支給は受けられません。
常用就職支度手当の支給額
支給残日数 | 常用就職支度金の額 |
90日以上 | 36日分の基本手当 |
45日以上90日未満 | 残日数の10分の4相当日数分の基本手当 |
45日未満 | 18日分の基本手当 |
常用就職支度手当の支給要件
常用就職支度手当を受給するにあたって以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 失業手当の支給残日数が1/3未満であること
- 1年以上引き続いて雇用されることが確実であると認められる職業に就くこと
- ハローワークから紹介を受けて就職が決まった会社であること
- 就職先が雇用保険の適用される会社であり、その保険に加入していること離職前の就職先に再雇用されたわけではないこと
- 失業手当の給付制限期間が経過した後に決まった就職先であること
- 就職日前3年以内の就職の際に再就職手当や常用就職支度手当の支給を受けていないこと
- 常用就職支度手当を支給することが職業の安定につながると認められるものであること