国土交通省は2022年1月17日、自動車事故による被害者への支援策を充実させるため、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料を上乗せする方針を示しました。
値上げ額は年100~150円程度を想定しています。
通常国会に自動車損害賠償保障法など関連法の改正案を提出、2023年度の実施をめざしています。
自賠責保険料が2023年に上がる見込み
国土交通省は自動車事故対策を検討する有識者会議で制度見直し案を提示しました。
現行の自家用車1台あたりの自賠責保険料は2年間で2万10円です。
このうちひき逃げや無保険車による事故被害者の救済対策に充てる賦課金(約32円)の増額を検討しています。
具体的な追加額は今秋までに決める予定です。
新たに確保した財源は事故被害者向け療護施設の整備、重度後遺障害者の介護支援のほか、自動車の安全技術向上など事故防止対策に使う。
自賠責保険の残高が2035年にも枯渇する可能性
自賠責保険料は「自動車安全特別会計」に積み立てて運用しています。
約6000億円を国の一般会計に貸し出しており、これを除いた21年度末の残高は約1500億円です。
低金利で運用益の減少が続き、毎年140億円程度に上る事故対策費の半分程度を積立金から取り崩しています。
現状では35年ごろに枯渇する恐れが出ています。
国交省は一般会計の貸付金から特別会計への繰り戻しを進めるとともに、賦課金増額で安定財源の確保をめざします。
まとめ
国土交通省は自動車事故による被害者への支援策を充実させるため、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料を上乗せする方針を示しました。
値上げ額は年100~150円程度を想定しています。
通常国会に改正案を提出、2023年度の実施をめざしています。
現行の自家用車1台あたりの自賠責保険料は2年間で2万10円です。
このままでは、自賠責保険の残高が2035年にも枯渇する可能性があります。
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