障害者でも、訓練を行うことで身体機能や生活能力を維持・向上することができます。
そうすることによって、障害のある方が自立した日常生活や社会生活を送れるようになります。
自立訓練では、それらの訓練を受けることができます。
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自立訓練とは
自立訓練とは、自立支援給付のうち、訓練等給付に含まれる障害福祉サービスです。
病院や施設を退院した人が、地域社会で自立した生活を営むことができるように、身体機能の訓練や生活能力を維持・向上のためのサービスが受けられます。
自立訓練は、身体障害者を対象とした機能訓練と、知的障害者・精神障害者を対象とした生活訓練に分けられます。
身体障害者を対象とした「機能訓練」
機能訓練とは、身体障害者の身体機能の維持回復に必要な訓練を行うサービスです。
具体的には、理学療法士や作業療法士によるリハビリテーションや、日常生活を送るうえでの相談支援などを行います。
利用状況に応じて、通所と訪問などのサービスを組み合わせて訓練を行います。
機能訓練のサービスを利用するためには、指定特定相談支援事業者が作成したサービス等利用計画案を市町村に提出し、支給決定を受けなければなりません。
障害支援区分は必要ありませんが、サービスの長期化を防ぐため18ヶ月間の標準利用期間が設定されています。
また、利用者が安定して地域生活を営むことができるように、定期的な連絡・相談を行うため、原則として3ヶ月ごとにモニタリングが実施されます。
知的障害者・精神障害者を対象とした「生活訓練」
生活訓練とは、知的障害者と精神障害者の生活能力の維持と向上に必要な訓練を目的とした障害福祉サービスです。
地域の中で生活をするために、事業所への通所や利用者への自宅への訪問を通じて必要な訓練を実施します。
具体的には、食事や家事など日常生活能力を向上させるための訓練を行います。
生活訓練のサービスを利用するためには、指定特定相談支援事業者が作成したサービス等利用計画案を市町村に提出し、支給決定を受けなければなりません。
障害支援区分は必要ありませんが、サービスの長期化を防ぐため24ヶ月間の標準利用期間が設定されています。
この標準利用期間は、長期間、入院・入所していた人については36ヶ月間に延長されます。
また、定期的な連絡・相談を行うため、機能訓練と同様、原則として3ヶ月ごとにモニタリングが実施されます。
なお、生活訓練には、積極的な地域移行を図ることを目的として、施設に宿泊して夜間における生活訓練を行う宿泊型自立訓練も設けられています。
機能訓練と生活訓練の違い
機能訓練の対象者
地域生活を営むうえで、身体機能生活機能の維持・向上等の必要がある身体障害者。
下記の1・2などが主な対象者です。
- 病院などを退院した者で、身体的リハビリテーションの継続や身体機能の維持・回復などの支援が必要な者
- 特別支援学校を卒業した者で、身体機能の維持・回復などの支援が必要な者
サービス内容は、身体的リハビリテーションの実施など。
生活訓練の対象者
地域生活を営むうえで、生活能力の維持・向上等の必要がある知的障害者・精神障害者。
下記の1・2などが主な対象者です。
- 病院などを退院した者で、生活能力の維持・向上などの支援が必要な者
- 特別支援学校を卒業した者や継続した通院により症状が安定している者で、生活能力の維持・向上などの支援が必要な者
サービス内容は、社会的リハビリテーションの実施など。
障害福祉サービスを利用する方法
障害福祉サービスを利用したい場合は、居住地の市町村に申請します。
注意しなければならないのは、市町村ごとに対応窓口の名称が同じではないということです。
一般に、生活福祉課や障害福祉課などの名称がつけられていることが多いようです。
具体的に、どの窓口に対して申請すればよいのかが分からない場合には、申請に出向く前にあらかじめ市町村の総合窓口に問い合わせをしてみましょう。
市町村は相談支援事業を行っている
市町村は障害福祉サービスの一環として相談支援事業を行っていますので、相談支援の中で障害者は自身に適切なサービスの内容や、必要な手続きに関するアドバイスを受けることができます。
その際には、市町村から委託を受けた相談支援事業者からのアドバイスなどを受けることになります。
相談支援事業者は、障害者に変わって申請に関する手続きを代行することも可能です。
相談支援事業者は下記の2つに分類することができます。
- 指定一般相談支援事業者
- 指定特定相談支援事業者
ともに、市町村から指定を受ける必要がありますが、指定一般相談支援事業者は、広く障害者が社会生活を営むうえで抱えた問題について、相談を受け付けます。
これに対して、指定特定相談支援事業者は、傷害福祉サービス利用手続きの相談の他に、サービス等利用計画案の作成まで行ってもらえます。
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