この記事では、「個人賠償責任保険」について解説していきます。
日常生活の不意な事故により損害を与えてしまった場合に補償してくれる、力強い保険です。
さまざまな保険の特約に用意されている為、重複(ちょうふく)していることが多く、無駄な保険料を支払っている可能性のある保険でもあります。
この記事を読めば、個人賠償責任保険による「被保険の範囲」「補償されるケース」「補償されないケース」などを知ることができます。
個人賠償責任保険とは
個人賠償責任保険とは、自動車事故以外の日常生活の事故により、他人にケガをさせたり他人のモノを壊してしまい、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償する保険です。
個人賠償責任保険で被害者に支払われる損害賠償金は、治療費、修理費、慰謝料です。
個人賠償責任保険は、月額100~150円程度と少額な保険料で日常生活における損害賠償責任を補償してくれる保険です。
個人賠償責任保険の被保険者の範囲
出典:ソニー損保
個人賠償責任保険の被保険者の対象範囲は本人だけでなく、その家族もカバーされます。
具体的には下記のとおりです。
- 本人
- 本人の配偶者
- 本人または配偶者と生計を共にする同居の親族
- 本人または配偶者と生計を共にする別居の未婚の子
上記の範囲が一般的です。
個人賠償責任保険で補償される事例
代表的な個人賠償責任保険で補償される事例は下記のとおりです。
- 買い物中に陳列商品を落とし破損させた
- 飼い犬が他人を噛んでケガをさせた
- 子供が駐車場に停めてあった他人の車をキズつけた
- 自転車で走行中に歩行者とぶつかり後遺障害を負わせた
- マンションの自宅の風呂場からの水漏れにより、階下の戸室の家財に損害を与えた
- ガス爆発によって、隣の建物を損壊させた
- ベランダの鉢植えが落下して歩行者の頭に当たり死亡させた
- スキー中他人と衝突しケガをさせた
- ゴルフのプレー中誤ってボールを他人にぶつけてケガをさせた
- 国内外の事故にかかわらず補償します
個人賠償責任保険では補償されない事例
代表的な個人賠償責任保険では補償されない事例は下記のとおりです。
- 車両事故による賠償
- 類焼により与えた損害
- 預かり物の賠償
- 天災により与えた損害
- 同居親族へ与えた損害
- 故意による賠償
個人賠償責任保険の特徴
個人賠償責任保険は他の保険の特約で用意されている
以前は単独で契約することもできましたが、現在は「特約」として火災保険や傷害保険、自動車保険、最近では自転車保険などに用意されています。
また、クレジットカードに付帯している場合も多くあります。
このため、個人賠償責任保険に加入する際の注意点は、自身やご家族が既に加入していたり、所有しているクレジットカードで付帯契約をしていないか確認しましょう。
他の保険で付帯していて、知らぬ間に補償の内容や範囲が重複していたりすることがあります。
示談交渉サービス
示談交渉サービスとは、相手と自分の認識が違う場合など、もめてしまう前からでも、間に入って交渉してもらうことができるサービスです。
このサービスがついていないと、自分自身で交渉するか、その事故に精通した弁護士を探すことになります。
多くの保険会社で示談交渉サービスが基本補償になっていて、サービスの利用が「無料」だったり、「40万円まで無料」など、保険会社によってさまざまです。
個人賠償責任保険と自転車保険の違い
自転車保険とは、個人賠償責任補償が特約で付く傷害保険のことです。
自転車運転中のケガで入院・通院した場合のご自身の補償と、特約を付帯することで相手にケガを負わせてしまった場合の損害賠償に備えられます。
自転車事故による、自身への補償が欲しい場合は自転車保険に加入する必要があります。
主な自転車保険の補償は下記のとおりです。
- 死亡保険金
- 自身の治療費に関する給付金
- 損害賠償責任への補償
- 示談交渉サービス
- 弁護士費用の補償
- ロードサービス
- 車両盗難特約
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