この記事では、「高齢者(70歳以上)が自宅で療養を受ける場合の費用(訪問看護療養費)」について解説していきます。
療養が行われる場所は医療施設だけとは限らず、自宅で行われる場合もあります。
最近では人生の終末を自宅で迎えたいという方も増えてきており、自宅療養のニーズが高まってきています。
この記事を読めば、70歳以上の訪問看護療養費の「対象者」「サービスの内容」「給付割合」などを知ることができます。
この記事では、70歳以上の訪問看護療養費について解説していきます。70歳未満の場合を知りたい方は下記のリンクを参照してください。
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高齢者の訪問看護療養費
自宅において継続して療養を受ける70歳以上の高齢者が、医師の指示にもとづいて、訪問看護ステーション等から訪問看護を受けた場合に、訪問看護療養費(家族の場合は家族訪問看護療養費)が支給されます。
サービスの申込みは、かかりつけの医師または訪問看護ステーション等に直接行うことになっています。
なお、介護保険の要介護者等に認定された人に対する同サービスは介護保険からの給付となりますが、末期の悪性腫瘍、難病患者、急性増悪等による主治医の指示があった場合に限り、医療保険から給付されます。
対象者
病気やケガ等によって家庭において寝たきりまたはこれに準ずる状態にあり、かかりつけの医師が訪問看護の必要性を認めた人。
サービスの内容
- 病状観察
- 清拭・洗髪
- 床ずれの予防処置
- 体位交換
- カテーテル等の管理
- リハビリテーション
- 食事・排泄の介助
- ターミナルケア
- 家族の介護指導
など
給付割合
75歳未満は、70歳の誕生月の翌月から、かかった費用の8割、自己負担は2割(誕生日が昭和19年4月1日までの人は9割、自己負担は1割)。
75歳以上は9割、自己負担は1割。ただし、現役並み所得者は7割、自己負担3割。
なお、1ヶ月の負担額は高額療養費の自己負担限度額までとなります。
問合わせ先
問合わせ先は、”75歳未満”と”75歳以上”で異なります。
【75歳未満】
健康保険〈一般保険者〉
➝ 事業所を管轄している全国健康保険協会都道府県支部または加入する健保組合。
健康保険〈日雇特例被保険者〉
➝ 住所地または居住地の全国健康保険協会都道府県支部。
船員保険
➝ 全国健康保険協会船員保険部。
共済組合等
➝ 加入する共済組合等
国民健康保険
➝ 居住の市区町村役場または加入する国保組合
【75歳以上】
居住の市区町村役場。
在宅医療を受ける患者の人口比とニーズ
自宅で療養して、必要になれば医療機関等を利用したいと回答した者の割合を合わせると、60%以上の国民が「自宅で療養したい」と回答しました(上図)。
また要介護状態になっても、自宅や子供・親族の家での介護を希望する人が4割を超えています(下図)。
住み慣れた環境でできるだけ長く過ごせるよう、また望む人は自宅での看取りも選択肢になるよう、在宅医療を推進していく必要があります。