社会保障

【失業保険を受給中】仕事が見つからない時に知っておきたい4つの制度

【失業保険を受給中】仕事が見つからない時に知っておきたい4つの制度

失業保険の給付には期限が決められており、できることなら早急に再就職先を見つけたいところですが、現実は予定どおりにいくとは限りません。

そんな時に備えて「失業保険を受給している人が知っておきたい4つの制度」を解説していきます。



基本手当の支給が延長される

基本手当の支給が延長される

雇用保険(失業保険)の基本手当は給付日数が決められてきます。

給付期間中に再就職先を見つかればよいのですが、見つからない人に対して、給付日数を延長する制度が用意されています。


たとえば、受給資格者がハローワークの指示した公共職業訓練等(期間が2年以内のもの)を受講する場合に、訓練が終了する日までは、本来の所定給付日数を超えて基本手当が支給されます。

公共職業訓練等を受けるために待機している人については、90日間までは延長給付を受けることができます。

訓練等を受け終わっても、まだ就職が困難と認められる受給資格者には、さらに30日間を上限として給付日数が延長されます。


また、失業者が多発発生したと指定された地域で管轄区域外での求人活動である「広域職業紹介活動」が必要と認められる受給資格者には、90日分までは所定給付日数を超えて基本手当を受給できます(広域延長給付)。

広域延長給付を受けた場合、受給期間も給付日数延長分だけ延長されます。



職業訓練を受講すると技能習得手当が支給される

職業訓練を受講すると技能習得手当が支給される

就職・転職をする場合は、何かしらの資格や技術を持っていた方が有利になります。

ただ、就職や転職にあたって、何か手に職をつけたいと思っても、専門学校などに通うとなるとそれなりのお金と時間が必要になります。


そのような場合、独立行政法人高齢・障害・求職雇用支援機構の運営する訓練施設(職業能力開発促進センターなど)や都道府県で運営する公共職業訓練学校(民間の専門学校に訓練を委託して行う場合もある)で職業訓練を受けるという方法があります。

公共職業訓練の受講料は無料です。その上、雇用保険の失業等給付(基本手当)の給付制度が解除されたり、訓練中は失業給付が延長されたりする場合もあります。


職業訓練の受講対象は、原則として、積極的な求職活動をしている者で、受講開始日からさかのぼって1年以内に公共職業訓練を受講していない者です(自治体によって異なる)。

訓練期間は3ヶ月から1年とされ、訓練内容としては、職業能力開発促進センターは、たとえば金属加工科、住宅リフォーム技術科など「ものづくり」を中心とした講座を用意しています。


また都道府県では、その地域の経済の事情に合わせた訓練を行っており、介護サービス科、ホテルサービス科などの講座を設けているところもあります。

ただ、訓練の内容(科目)によっては、年齢や離職者・転職者向け、障害者あるいは雇用保険受給者を対象とするなど、年齢や状況によって対象者を限定している場合もあります。


離職者・転職者向けの訓練は、ハローワークが求職者に対する職業相談などを行い、離職者訓練の受講が就職に必要であると認め、職業訓練を受けるために必要な能力があると、ハローワークが判断した場合に、離職者訓練受講の斡旋が行われることになります。


職業訓練を受けるときに知っておきたい給付金が、雇用保険の技能習得手当です。

技能習得手当は、職業訓練を利用して失業中に新しい技術を身につけたいという人を支えてくれる手当です。


そんな技能習得手当には下記の2種類があります。

  1. 受講手当
  2. 通所手当


それぞれわかりやすく解説していきます。


技能習得手当の受講手当

受講手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合に支給されます。

支給の対象となるのは、基本手当の支給の対象となる日のうち公共職業訓練等を受けた日です。


受講手当の日額は500円(上限20,000円)が支給されます。


待期期間(7日間)、給付制限がされる期間、傷病手当が支給される日、公共職業訓練を受講しない日については受講手当は支給されません。


技能習得手当の通所手当

通所手当は、公共職業安定所長の指示する公共職業訓練等を受講するために電車やバスなどの交通機関を利用する場合に支給される交通費です。

マイカーを使った場合も支給の対象となります。原則として、片道2㎞以上ある場合に支給されます。


支給額は通所(通学)距離によって決められていて、1ヶ月の上限額は42,500円です。

基本手当の支給の対象とならない日や公共職業訓練等を受けない日があるときは、その分、日割り計算で減額され支給されます。


技能習得手当の受給手続

技能習得手当の受給資格者は、公共職業安定所長の指示により公共職業訓練等を受けることになったとき、すみやかに、「公共職業訓練等受講届」及び「公共職業訓練等通所届」に受給資格者証を添えて管轄公共職業安定所長に提出します。


技能習得手当の支給を受けるためには、上記の手続きをした上で失業認定の日に公共職業訓練等受講証明書に受給資格者証を添えて管轄公共職業安定所に提出することが必要です。


家族と離れて暮らす時には寄宿手当も出る

家族と離れて暮らす時には寄宿手当も出る

雇用保険の受給資格者が公共職業訓練等を受けるために、扶養家族(配偶者や子など)と離れて暮らす必要がある場合には、その期間について、寄宿手当が支給されます。


寄宿手当の支給額は月額17,000円(定額)です。

ただし、1ヶ月のうち、家族と一緒に暮らしている日については、17,000円からその分が減額され寄宿手当が支給されることになります。


寄宿手当の受給手続

受給資格者は公共職業安定所長の指示により公共職業訓練等を受けることになったとき、すみやかに、「公共職業訓練等受講届」及び「公共職業訓練等通所届」に受給資格者証を添えて管轄公共職業安定所長に提出します。


寄宿手当の支給を受けるためには、上記の手続きをした上で失業認定の日に公共職業訓練等受講証明書に受給資格者証を添えて管轄公共職業安定所に提出することが必要です。


再就職先をすぐに辞めても基本手当が受給できるケースがある

再就職先をすぐに辞めても基本手当が受給できるケースがある

失業後、就職活動をして、新しい再就職先が見つかったとしても、再就職先の雰囲気になじめず、辞めてしまう人もいると思います。

また、再就職先でも数カ月で解雇されてしまうケースもあります。


上記のように、再就職先を辞めてしまった場合でも、下記の1.~3.の要件にあてはまれば、雇用保険の基本手当を受給できます。

  1. 再就職する前に基本手当をもらっていないか、基本手当の残りがある
  2. 前の会社を辞めた翌日から1年以内で、基本手当の受給期限内(前の離職日の翌日から原則1年)である
  3. 再就職先で雇用保険の加入期間が1年(または6ヶ月)以内で、新たな受給資格が発生していない


再就職手当を受け取っている場合、下記の計算式で算出します。

$$受給日数=所定給付日数−すでに受給した日数−再就職手当に該当する日数$$


手続きには、雇用保険受給資格者証と離職票もしくは喪失確認通知書が必要となります。

支給の対象となる日は、離職後にハローワークで届け出を行い、再求職申込みをした日からとなるため、できるだけ早くハローワークで手続きを済ませましょう。



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