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奨学金を受けられる対象が拡大される?年収380万円以上も

奨学金を受けられる対象が拡大される?年収380万円以上も

日本政府は2021年12月3日、岸田文雄政権の教育政策を議論する「教育未来創造会議」を新設すると閣議決定しました。

給付型奨学金制度の対象拡大を検討し、分配面を強化します。

生涯にわたった学び直しを重視し生産性を高めるものの、停滞が続くグローバル教育には不安を抱えます。


政府は同会議の目的について「教育と社会との接続の多様化・柔軟化を推進する」と定めました。

脱炭素や人工知能(AI)など成長分野で働くために必要な学びができるよう教育行政を改革します。




「修学支援新制度」と「出世払い」

「修学支援新制度」と「出世払い」

まず取りかかるのが奨学金の拡充です。

「成長と分配の好循環」を掲げる首相は自民党総裁選から奨学金を教育政策の俎上(そじょう)にあげてきました。


政府は、2020年度に始まった「修学支援新制度」の対象拡大と「出世払い」制度の導入を検討しています。


修学支援新制度の対象拡大

修学支援新制度は住民税非課税世帯などの学生を対象に授業料を減免したり、返済不要の奨学金を支給したりします。

支援額は年間で最大190万円ほどに及びます。


現行制度は両親と子ども2人の世帯の場合、対象を年収約380万円未満に限ります。

380万円以上にも広げるだけでなく、多子世帯に配慮した仕組みも探ります。


公明党は衆院選の公約で年収590万円未満まで段階的に拡大すると掲げました。


年収が144万円を超えても9%以下の返済率

「出世払い」も首相が意欲を示しています。

卒業後の所得が低い場合に返済額を低く抑える仕組みなどが念頭にあります。


オーストラリアには「HECS(高等教育拠出金制度)」と呼ばれる制度があります。

政府が授業料を肩代わりするため、実現には多額の財源が必要になります。


日本は卒業後の年収が144万円までは返済額が月額2000円で、それを超える場合は所得の9%を返済する所得連動返還型制度があります。

9%以下の返済率も認める案が検証されています。


社会全体の生産性を後押しする施策も講じる

社会全体の生産性を後押しする施策も講じる

学び直しを促す「リカレント教育」の充実に向け、社会のニーズに合わせたカリキュラムづくりなど大学改革を議論しています。


働きながら授業に参加しやすくしたり、学び直しを適切に評価したりする企業側の仕組みを検討します。


内閣官房の資料によると、大学生のうち社会人ら25歳以上の割合は経済協力開発機構(OECD)加盟国平均では16%程度です。

日本は2・5%にとどまっています。


オンライン授業で取得できる単位の上限の緩和

新型コロナウイルスによる対面授業の減少を受け、オンライン授業で取得できる単位の上限の緩和を議題にしています。

文部科学省の大学設置基準は大学卒業に必要な124単位のうち、オンライン授業で取れる上限は60単位と定めています。


20年度と21年度は上限を事実上なくす特例措置を設けました。

経済界からは「恒久制度とすべきだ」といった要望があり、上限緩和を調整します。


教育改革

教育改革は長期にわたり停滞が続いてきました。

教育に関する首相の諮問機関は当時の安倍晋三政権が13年に設置した教育再生実行会議がありました。

教育委員会や大学入試改革などを中心に据えます。


当時は「読む・聞く・話す・書く」の4技能を測れる英語民間試験を英語教育の起爆剤として検討しました。

最終的に大学入学共通テストへの試験導入は断念し「改革が停滞している」と指摘された。記述式問題の試みも見送りとなりました。


新会議は教育再生会議の議題を引き継ぐと説明しますが、英語をはじめとしたグローバル教育の挽回策は打ち出されないままです。

英語の入試改革は8年もの時間を空費しまいした。

国際競争力の向上に時間の猶予はありません。


まとめ

まとめ

岸田文雄政権の教育政策を議論する「教育未来創造会議」を新設すると閣議決定しました。

政府は、2020年度に始まった「修学支援新制度」の対象拡大と「出世払い」制度の導入を検討しています。


修学支援新制度は住民税非課税世帯などの学生を対象に授業料を減免したり、返済不要の奨学金を支給したりします。

現行制度は両親と子ども2人の世帯の場合、対象を年収約380万円未満に限ります。

380万円以上にも広げるだけでなく、多子世帯に配慮した仕組みも探ります。


日本は卒業後の年収が144万円までは返済額が月額2000円で、それを超える場合は所得の9%を返済する所得連動返還型制度があります。

9%以下の返済率も認める案が検証されています。



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