厚生労働省はマイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」を提示した患者の窓口負担を軽くする方針を決めました。
最大21円の上乗せ分を半額以下に下げます。
通常の保険証を利用した場合の負担は引き上げ、マイナ保険証の方が割安にする方向です。
医療機関や患者のマイナ対応を進め、遅れている医療分野のデジタル化を後押します。
マイナンバー健康保険証を利用すると窓口負担が軽くなる
マイナ保険証を使った方が業務は効率化するはずなのに患者負担が重くなることを疑問視する声が相次いだほか、マイナカードの普及、活用を目指す政府方針に逆行するとの指摘もありました。
4月の制度開始から半年で異例の見直しに追い込まれました。
2022年8月10日の中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)に新制度の案を提示します。
了承されれば今秋にも始まります。
マイナンバー健康保険証を利用した方がお得に
患者がマイナ保険証を使って受診した場合、医療サービスの対価にあたる診療報酬を加算しています。
初診で70円、再診で40円上乗せし、医療費の3割を負担する患者の場合、自己負担はそれぞれ21円、12円増えます。
新制度ではこの加算を引き下げ、初診時に限定されます。
通常の保険証を使った場合、現在は初診時に30円(3割負担で9円)の加算がある。これをマイナ保険証の加算を上回る額まで引き上げます。
マイナ保険証の利用を促す事実上のインセンティブとなります。
医療の質向上への期待できる
マイナ保険証を使うと服用している薬や特定健診(メタボ健診)の結果、医療費などが記録されます。
医療機関同士でデータを共有し、同じ検査を何度も受けるといった無駄をなくす効果が期待されます。
就職や転職、引っ越し後も同じカードを使えます。
マイナンバー健康保険証の利用には申し込みが必要
マイナンバー健康保険証の利用には申し込みが必要になります。
医療機関や薬局に設置された専用の顔認証付きカードリーダーにかざして使えます。
対応できる医療機関は7月下旬の時点で約26%にとどまっています。
厚生労働省は23年度から大半の医療機関に対して対応を義務化します。
特に診療所の導入率が低く厚労省はテコ入れを進めています。
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