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マイナ保険証の運用が開始。マイナンバーカード普及の起爆剤となるのか?

マイナ保険証の運用が開始。マイナンバーカード普及の起爆剤となるのか?

マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」の運用が2021年10月20日に始まりました。

牧島かれんデジタル相は「薬歴や既往歴を見てもらえる安心感がある。保険証の影響は大きい」とカード普及の起爆剤になると期待しています。

しかし、マイナ保険証に必要な設備を導入済みの施設は現時点では全体の1割を下回ります。

普及加速にはもう一段の用途拡大が不可欠となります。


マイナ保険証、初日の利用者は0人

マイナ保険証、初日の利用者は0人

マイナ保険証の初日は低調な出足となりました。

100床台の病床を持つ東京都江東区の病院には100人以上の外来患者が訪れましたが、マイナ保険証の利用は1人もいませんでした。

病院担当者は「保険証を提示する月初めになれば利用者が出るかもしれない」と話します。


東京都練馬区の桜台薬局では約2カ月前に専用のカードリーダーを設置しました。

利用する薬局ごとに「お薬手帳」を使い分ける患者もいるため、マイナ保険証で複数薬局の処方歴を確認できるようになれば調剤時の利便性が高まると期待します。

しかし、関心を示す患者はいても、マイナンバーカードを持たない人が多いため、利用はほとんどないといいます。


必要な設備を導入済みの医療機関などは約8%

マイナ保険証を専用の顔認証付きカードリーダーで読み取ると、即座に本人確認ができて待ち時間を短縮できます。

医療機関や薬局で、検診結果や処方された薬の情報を閲覧できます。

これによって、正確なデータに基づき、適切な医療を受けやすくなります。
 
医療機関側にとっては事務作業の軽減や保険の請求ミスの防止が期待されています。


対象となる病院、診療所、歯科診療所、薬局の数は合計で全国約23万施設にのぼります。

しかし、10日時点でカードリーダーといった必要な設備を導入済みの医療機関などは約1万8000施設と全体の約8%でした。

厚生労働省によると、このうち20日に運用を始められるのは1万施設強とさらに少なくなるといいます。


環境の整備といった負担が医療機関側に生じる

政府は当初、2021年3月に6割の施設で導入する目標を掲げていました。

目標には遠く及ばず、7月時点で13万以上あった導入予定の施設数も今月10日時点では12万8867と1500ほど下回っています。


リーダーの導入のほか、ネットワーク環境の整備といった負担が医療機関側に生じます。

データ入力の不備が発覚するなどしてマイナ保険証の運用開始が後ろにずれたことから消極的になった医療機関もあるといいます。


利用できる施設が広がらなければ、患者の利便性向上の効果は限られてしまいます。

未対応の施設には、患者は従来の保険証を持参する必要があります。


新型コロナウイルス禍は、ワクチン接種の導入時の混乱やオンライン診療の低迷など日本の医療のデジタル化の遅れを浮き彫りにしました。

マイナ保険証の対応とともに、効率的な医療体制作りが急務となっています。


マイナンバーカードの交付率は38・4%

マイナンバーカードの交付率は38・4%

総務省によるとマイナンバーカードの10月1日時点の交付枚数は約4867万枚で、交付率は38・4%です。

ちょうど1年前の20・5%にくらべると倍近くに増えましたが、目標とするすべての日本人への交付に向けた道のりはまだまだ遠いです。


NTTデータ経営研究所が6月実施した調査では、「カードを取得していない理由」で最も多かった答えは「身分証になるものは他にもあるから」(37・5%)でした。

「なくても生活ができる」(35%)、「利用したいと思えるサービスが少ない」(24・9%)との回答も目立ちました。


行政デジタル化を支援するグラファー(東京・渋谷)の石井大地最高経営責任者(CEO)は「課題は使い道開拓のほぼ1点。運転免許証など普段よく使うものと統合することが最も効果的だ」と指摘しています。


新型コロナのワクチン接種証明になる

新型コロナのワクチン接種証明になる

当面予定される使途拡大で、最も注目されるのが政府が12月中の運用開始を目指す新型コロナウイルスワクチンの接種証明書アプリです。

スマートフォンでQRコードつきの接種証明書を取得するには、マイナンバーカードをスマホにかざし、あらかじめ設定した4桁の暗証番号を打ち込む必要があります。


マイナンバーカードが必要な仕組みにした理由について、デジタル庁の担当者は「接種証明はきちんと本人に渡したい。そこは国としてのこだわりがある」と話します。


マイナンバーカードは本人確認の「最上位手段」

マイナンバーカードは本人確認の「最上位手段」

政府はマイナンバーカードを日本での本人確認の「最上位手段」と位置付けています。

最近では民間でもカードのICチップを使った本人確認サービスが広がり始めました。

9月には日本生命が契約確認などに使う自社アプリでマイナンバーカードをかざして簡単に番号登録できる仕組みを導入しています。


運転免許証など競合手段がひしめくなかで、日常生活における利点を実感できるカードに化けられるかどうかが普及の行方を左右しそうです。



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