発達障害の小中学生は８．８％　前回調査から２．３ポイント増

２０２２年１２月１３日、通常の学級に在籍する小中学生の８．８％に学習や行動に困難のある発達障害の可能性があることが文部科学省の調査で分かりました。

２０１２年の前回調査から２．３ポイント増えました。

３５人の学級であれば３人ほどの割合となります。


増加の背景には保護者や教員の発達障害への認知の広がりがあるとみられています。

授業など学校生活において、個性に応じた支援策の充実が課題になります。


詳しく解説していきます。

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発達障害の小中学生は８．８％

調査は２００２年から１０年ごとに実施しており、今回が３回目になります。

公立の小中学生と高校生約８万８５００人を抽出し、学習や対人関係で困難を抱える子どもの数を集計しました。

医学的な診断基準を参考にした質問項目に担任教員らが答える形で判断します。

回答率は８４．６％（約７万４９００人）でした。


「知的発達に遅れはないものの学習または行動面で著しい困難」を示し、注意欠陥多動性障害（ＡＤＨＤ）など発達障害の可能性があると推定された小中学生は８．８％で、前回調査（６．５％）より多くなりました。

全国の公立小中学校で推計すると７０万人を超えます。


文科省の担当者は増加の要因について「保護者や教員の発達障害への理解が進み、対象者に気づきやすくなった」と分析しています。

　
学習面などに困難が生じる児童生徒の割合は学年が上がるほど低くなる傾向があります。

高校生は今回初めて調査対象となり、発達障害の可能性があるとされた生徒は２．２％でした。

学校として組織的な対応が十分でない

障害や学習の困難を抱える児童生徒はその程度に応じて特別支援学校や学校内の「特別支援学級」で学びます。


今回の調査で発達障害の可能性があるとされた小中学生のうち、通常学級に在籍したまま必要に応じて別教室などで授業を受ける「通級指導」を利用していたのは１０．６％でした。

教室内の座席の配置や本人の習熟度に応じた課題など、教員による「授業での個別の配慮・支援」を受けていない児童生徒も４３．２％います。


文科省は「教員個人の努力に頼り、学校として組織的な対応が十分でない」と説明しています。

児童生徒への個別対応や通級指導の拡充が求められます。

まとめ

通常の学級に在籍する小中学生の８．８％に学習や行動に困難のある発達障害の可能性があることが文部科学省の調査で分かりました。


調査は２００２年から１０年ごとに実施しており、今回が３回目になります。

２０１２年の前回調査から２．３ポイント増です。

３５人学級であれば３人ほどの割合となります。


文科省の担当者は増加の要因について「保護者や教員の発達障害への理解が進み、対象者に気づきやすくなった」と分析しています。

文科省は「教員個人の努力に頼り、学校として組織的な対応が十分でない」と説明しています。

児童生徒への個別対応や通級指導の拡充が求められます。