この記事では、公衆衛生について学べるおすすめの本を紹介していきます。
公衆衛生を扱っている本は少ないため、厳選して3冊用意しました。
公衆衛生とは、「共同社会の組織的な努力を通じて、 疾病を予防し、寿命を延長し、身体的・精神的健康と能率の増進をはかる科学・技術である」とされています。
内容としては環境保健、疾病予防、健康教育、健康管理、衛生行政、医療制度、社会保障があげられています。
つまり、予防と健康の社会科学、社会医学になります。
公衆衛生は多くの分野からなりますが、代表的な区分としては疫学、生物統計学、医療制度があります。
また、環境・社会・行動衛生、職業衛生(労働安全衛生)、食品衛生も重要な分野です。
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公衆衛生がみえる 2022-2023
保健・医療・福祉・介護スタッフの共通テキスト『公衆衛生がみえる』が2年ぶりの改訂
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●法制度・統計データは2022年1月時点の最新情報を掲載!
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初めて公衆衛生を学ぶ学生から、保健・医療・福祉・介護の現場で働くスタッフの方まで、幅広くご活用いただけるテキストです。
レビュー・口コミ
資格受験の為に購入させていただきました。
通信教育教材は文章が多く自分の理解が合っているのか自信が無く、こちらを購入し照らし合わせて学習しました。
辞典の厚さですがカラーで可愛いシンプルなイラストとグラフが多く一目でわかりやすく作られています。
初心者にはとても助かりました。
公衆衛生、統計などを勉強したい人は持っていて損はないと思います。
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わかりやすくまとめられて、図や絵で理解しやすいのが一番。
もう少し保健医療福祉行政論の財政や福祉計画が入ればなお良いです!
メディックメディア
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忙しい人のための公衆衛生〜「なぜ?」から学ぶ保健・福祉・健康・感染対策
国試に頻出だけど苦手!という学生のために,臨床につながる目線で根拠とポイントを解説した入門書。
医学と行政,健康を守るしくみ。
合理的な意思決定のための衛生統計が短時間で学べる.理解を助ける国試例題付き!
レビュー・口コミ
網羅する分野が広く、適度な深さなので、必要十分な知識が得られます。
導入としてちょうどよい。
単なる事実の羅列ではなく、筆者なりの解釈や法律の背景が書かれていて理解しやすいですし、どこがどう大事なのか明確にしてくれているので頭にも残りやすいです。
めちゃめちゃわかりやすくて、法律って面白いなーとすら感じます。
構成としては、解説があって、まとめがあって、演習問題がある。そういった構成です。
ただ、これだけでは国試合格には少し足りないのかなって感じです。演習はやはりQBとかでする必要があるでしょう。
それでも本書には公衆衛生のエッセンスが書かれてあるので、理解度は格段にアップすると思います。オススメです!
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公衆衛生学とは「国を挙げて国民の健康を増進させるための取り組み」についての学問です。具体的には、国民の健康を調査し、どういった年代・職種・性別でどのような病気になりやすいか、そして、その病気を患ってしまう原因と対策を考え、実行するのが主な活動です。この公衆衛生学を学ぶ上でとても大切な考えがあるので、まずはそれを紹介したいと思います。それはプライマリーヘルスケアとヘルスプロモーションです。プライマリーヘルスケアとは「国や地域が主体性を持ち、開発の程度に応じて負担可能な範囲で、地域住民の参加のもとに進める保険サービスで、普遍的に利用でき、科学的根拠に基づく、広く社会に受け入れられるもの」のことです。国や地域によって主たる病気が異なるだけでなく、その病気に対して提供できる医療には差があります。例えば、発展途上国では上水道の整備がなされておらず、そのために感染症のリスクが日本やアメリカに比べて非常に高いのです。そのような発展途上国においては最先端の医療を提供するのではなく、栄養失調の改善、上水道の整備が優先されるべきなのです。また、日本においては長野県が県独自の活動として減塩活動に取り組んでおり、平均寿命を延ばすことに成功した事例などがあります。(背景として、長野県民に対して疫学調査を行ったところ、塩分摂取量が多いため、脳卒中で亡くなる方が多いことがありました。)次にヘルスプロモーションについて説明したいと思います。ヘルスプロモーションとは「自らの健康を維持改善する能力を高めること」です。具体的には、人々の健康と生活の質(QoL)の向上を目指すための社会、環境面での幅広い手段(介入)を指しており、健康阻害要因を除去・低減するための様々な活動が含まれています。健康であるためには、お医者さんからの指導だけでは不十分で、「健康でありたい」というモチベーションが必要不可欠です。そして、患者さんの中にそういったモチベーションを育むためにはどうしたらいいのかを考え、実行する戦略のことを指しています。この二つのとても大切な考え方に基づいて公衆衛生学の各単元について説明したいと思います。
まず、保険統計について説明したいと思います。統計と聞くとうんざりされるかもしれませんが大丈夫です。保健統計とは公衆衛生活動を行うための国民の健康水準の資料のことです。具体的には人口動態、死因、疾病統計のことを指します。これらの資料に基づいて疾病の要因を明らかにするのが疫学です。そして、この疫学研究によって明らかになった「人の健康や環境に悪影響を及ぼすリスクに適切に対処する」ためにはリスク・アナリシスを実施する必要があります。このリスク・アナリシスには3つのステップがあります。リスク・アセスメント(リスク評価)、リスク・マネジメント(リスク管理)、リスク・コミュニケーション(リスクの情報伝達)です。リスク・アセスメントでは病気の原因を分析し、国民の健康水準の将来予測をします。リスク・マネジメントではリスク・アセスメントに基づく健康政策を実行します。リスク・コミュニケーションでは病気になりやすい要因について正しい情報を発信し、国民の理解と協力(ヘルスプロモーション)を求めます。続いて、これらの保健統計、疫学研究に基づいたリスクアナリシスの具体的な取り組みについて説明したいと思います。
リスクアナリシスの結果として個人の性格週刊だけでなく、環境や社会にも病気のリスク要因があることが明らかとなりました。(公衆衛生学の別名は社会、環境と健康です。)地球温暖化は熱中症の要因となっていますし、社会疫学によりジェンダーや職種も様々な病気の原因となっていることが明らかとなったのです。これらの病気と原因の関係に基づき、国民の健康増進を推進するための具体的な政策が社会保障なのです。社会保障とは「国民の生活が損なわれた場合に、国民に健やかで安心できる生活を保障することを目的として、公的責任で生活を支える給付を行うもの」のことです。この社会保障制度によって生涯にわたり私たちの生活が支えられているのです。この社会保障制度は社会保険、社会福祉、公的扶助、保健医療・公衆衛生の4つに大別されます。社会保険は生活の安定が損なわれた場合に、生活を支える給付を公的責任で行うもののことを指します。社会福祉は生活上のハンデを持つ者への公的支援のことです。公的扶助は生活が困窮したものに最低限度の生活を保障し、自立を支援する制度です。保健医療・公衆衛生は国民が健康に生活できるような予防や衛生の制度です。そして、社会保障の具体的な取り組みとして医療制度、福祉制度、地域保健、母子保健、成人保健、高齢者保健・介護、産業保健、学校保健などが挙げられます。
最後に公衆衛生学のロードマップについてお話したいと思います。「公衆衛生学がみえる」に目を通しながら、柳川洋の「社会・環境と健康 公衆衛生学」を読みましょう。これで不明点があれば、本書を読むと良いでしょう。あとは実習や現場で知識を活かすことで知識を生きた知恵となっていくでしょう。
これからの医療を担うあなたたちは患者さんが晒されている病気のリスク要因を公衆衛生学的に理解するだけでは不十分で、患者さんの病の語りに耳を傾け、患者さんが主体的に病気と向き合えるようにサポートすること(ヘルスプロモーション)が大切です。そのためにアーサークラインの著書「ケアをすることの意味:病む人とともに在ることの心理学と医療人類学」はとても参考になると思います。あなたが患者さんに寄り添える医療従事者になれることを心からお祈りしています。勉強頑張ってください。
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公衆衛生学は、一人の患者を対象とする臨床医学と異なり、健康な人間を含めた「集団」を対象とする、社会全体の健康をめざす実学です。
本書は、公衆衛生学の基本としくみから、新興・再興感染症、バイオテロ、健康格差の拡大、過労死、自殺、少子高齢化社会における保健医療経済の仕組みづくりなど最新の情報までわかりやすく解説した入門書です。
医師、看護師、保健師、介護福祉士など各種国家試験の副読本としても最適です。
新型コロナウイルスに関連する内容も含まれています。
レビュー・口コミ
公衆衛生は幅広い領域を含むため分かりにくいのですが、必要・重要なポイントを漏らさず、かつ分かりやすい表現でかかれています。
公衆衛生に興味を持った方が、最初に読む本としてとてもよいと思います。
気軽に読めます。
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