厚生労働省は22023年7月26日、家庭と仕事の両立支援策について議論を始めました。
男性の育児休業を促すため育休取得率の公表義務を課す対象企業を増やすことを検討しています。
休んだ社員を補うために新規採用した場合の費用を補助するなど、人手不足に悩む中小企業の支援策を拡充します。
詳しく解説していきます。
男性の育休取得率の公表義務拡大
労働政策審議会で、育休取得率の公表義務拡大などを盛り込んだ有識者が提言を行いました。
育休取得率の公表義務は、現行の従業員1000人超の企業から300人超に広げる予定です。
政府は制度改正の内容を議論し、2024年の通常国会に育児・介護休業法の改正案を提出することを目指しています。
男性の育休取得率は企業規模が小さいほど低い
日本企業のうち99.7%は中小企業で、従業者数も雇用全体の7割以上に上ります。
一方で2021年度の男性育休取得率は500人以上の企業が17%に対し、5~29人の企業では12.4%。企業規模が小さいほど低いです。
男性の育休取得率を上げるポイントになるのは中小企業です。
育休の代替要員確保に助成
育休取得者や短時間勤務を活用する働き手の業務について、外部の代替要員を雇用したり同僚の負担軽減を行ったりする場合、助成措置を拡充する案が出ています。
代替要員にはパートやアルバイトの採用が想定されています。
テレワークの活用も促ます。
新型コロナウイルス禍でテレワークが一定程度定着したことを受け、テレワークを企業の努力義務として位置づけることが必要と明記されました。
看護休暇の対象となる子どもの年齢を引き上げる
子どもが病気になったときなどに取得できる看護休暇について、対象となる子どもの年齢を引き上げることも検討しています。
現在は3歳から小学校就学前が対象ですが、小学3年生までの拡大する予定です。
男性の育休は2022年に新設された
男性の育休に関しては法改正によって2022年10月に「出生時育児休業(産後パパ育休)」が新設されました。
子の出生から8週間のうちに計4週間分取得できる制度です。
期間を2回に分割できるようにして取得しやすくなりました。
男性育休を含め育休制度の従業員への周知や取得の促進も2022年4月から企業の義務となりました。
日本男性の育休取得率は海外主要国に見劣りする
男性全体の育休取得率は2021年度に約14%と、2012年度から9年連続で前年度を上回りましたが、70%超のノルウェーなど海外主要国と比較すると低いです。
企業の正社員らを対象に行った男性育休に関する調査では、課題として「代替要員の確保」など育休で職場を抜けたときの対応が上位に並びました。
地方や中小企業では制度の周知が進んでいないことが最大の課題といえます。
効果的に制度が活用される方策が必要でしょう。
男性は育休の取得期間が短い
取得期間が短いことも改善が求められています。
政府は男性の育休取得率について2030年に85%の目標を掲げ、足元で取得率は向上しています。
しかし、2021年度の取得者のうち4分の1は5日未満で、中長期にわたり取得した人は限定的でした。
まとめ
労働政策審議会で、育休取得率の公表義務拡大などを盛り込んだ有識者が提言を行いました。
育休取得率の公表義務は、現行の従業員1000人超の企業から300人超に広げる予定です。
公表義務の対象拡大を巡っては、見かけの取得率を上げるための「取らされ育休」や、家事・育児に関わらない「取るだけ育休」につながる懸念も指摘されています。
政府は公務員の男性育休取得率について、2025年までに1週間以上を85%、2030年には2週間以上を85%に引き上げる目標を掲げています。
民間企業も含めて取得を促すだけでなく、十分な期間を休めるかという質も問われています。