社会保障

雇用継続給付とは?失業を予防するための3つの給付制度を解説

雇用継続給付とは?失業を予防するための3つの給付制度を解説

日本の雇用保険には、失業してしまった人の再就職をサポートするさまざまな制度が存在します。

しかし、できることなら失業する前に援助を行い、失業者を1人でも少なくすることが望ましいです。


雇用継続給付では、雇用の継続が困難となる事由が発生した場合に労働者をサポートする制度が整えられています。


雇用継続給付とは

雇用継続給付とは

雇用継続給付とは、職業生活の円滑な継続を援助、促進することを目的とし、下記の3つが支給されるものです。

  1. 育児休業給付
  2. 介護休業給付
  3. 高年齢雇用継続給付


なお、雇用継続給付の育児休業給付は、給付総額が大きくなってきたため、失業等給付から外れ、新しい給付として位置づけられています。



昨今の日本では少子高齢化に伴う雇用情勢の変化の中で、労働者にさまざまな問題が起きています。

加齢による労働能力の低下や介護のための休業の取得により、賃金収入が減少したり、なくなることがあります。

こうした状況を放置してしまうと、労働者の雇用の継続が困難となり、失業してしまうことも十分に考えられます。


そこで、雇用保険では、「雇用の継続が困難となる事由」発生した場合を失業の危険性があるものとして取り扱うことにしました。

雇用の継続が困難となる事由が発生した場合には雇用継続給付が行われます。


育児休業給付とは

少子化傾向や女性の社会進出に対応するため、育児休業を取得しやすくすることを目的とした給付が育児休業給付です。


1歳未満の子の養育を理由に休みを取得できるのが育児休業制度になります。

なお、子が1歳以上になっても保育園に預けられないなどの事情がある場合には、1歳6ヶ月まで、それでも上記のような事情がある場合で働けないときには2歳まで延長することができます。

育児休業給付金は、雇用保険の一般被保険者が育児休業を取得した場合に支給されます。


支給金額は、休業開始時の賃金日額に支給日数を乗じた額の50%(休業開始後6ヶ月間については67%)相当額となります。

また、父母がともに育児休業を取得するパパママ育休プラス制度を利用する場合は、子が1歳2か月になるまで育児休業給付を受けることができます。



介護休業給付とは

被保険者が家族(配偶者や父母、子など一定の家族)を介護するために、介護休業を取得した場合に支給されます。


介護休業給付を受けることができるのは、介護休業開始前2年間に、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上、もしくは賃金支払いの基礎となった時間が80時間以上ある月が12ヶ月以上ある被保険者だけです。


介護休業給付は、介護休業開始日から最長3ヶ月(93日)を限度として取得でき、介護休業開始時賃金日額の67%(原則)相当額が支給されます。


介護休業給付は、同一の家族について3回に分けて支給することもできますが、通算の限度日数は93日となります。



高年齢雇用継続給付とは

今後の急速な高齢者の増加に対応するために、労働意欲と能力のある60歳以上65歳未満の者の雇用の継続と再就職を援助・促進していくことを目的とした給付が高年齢雇用継続給付です。


高年齢雇用継続給付には、下記の2つがあります。

  • 高年齢雇用継続基本給付金
  • 高年齢再就職給付金


それぞれわかりやすく解説していきます。


高年齢雇用継続基本給付金とは

高年齢雇用継続基本給付金が支給されるのは、被保険者(労働者)が定年再雇用などにより、60歳以降の賃金と60歳時の賃金を比較して大幅に低下したときに支給されます。


具体的には、60歳時点に比べて各月の賃金額が75%未満に低下した状態で雇用されているときに、下表のような額の高年齢雇用継続基本給付金が支給されます。

支払われた賃金額 支給額
みなし
賃金日額
×
30日の
61%未満 実際に支払われた賃金額×15%
61%超
75%未満
実際に支払われた金銀額×15%から一定の割合で減らされた率
75%超 不支給


表中のみなし賃金日額とは、60歳に達した日以前の6ヶ月間の賃金の総額を180で割った金額のことです。


高年齢再就職給付金とは

高年齢再就職給付金とは、雇用保険の基本手当を受給していた60歳以上65歳未満の受給資格者が基本手当の支給日数を100日以上残して再就職した場合に支給される給付のことです。


支給残日数100日以上200日未満であれば1年間、200日以上であれば2年間、高年齢雇用継続基本給付金と同じ支給額を受け取ることができます。


なお、令和7年4月からは、高年齢雇用継続給付の支給額が縮小される予定です。

具体的には、60歳時点に比べて各月の金銀額が64%(変更前は61%)未満となった場合、実際に支払われた賃金額に10%(変更前は15%)を乗じた額が支給されることになります。


また、64~75%未満に低下した状態で雇用さてている場合、実際に支払われた賃金額に10%から一定割合で減らした率を乗じた額が支給されることになります。




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