社会保障 社会保障の基礎知識

国民年金の「保険料免除制度」と「保険料納付猶予制度」をわかりやすく解説

国民年金の「保険料免除制度」と「保険料納付猶予制度」をわかりやすく解説

この記事では、「国民年金の保険料免除制度」について解説していきます。


年金の納付は国民の義務ですが、災害や失業、所得が一定以下などによって納付が困難になる場合があります。

日本の年金制度にはこれ等の状況に対応するために、免除制度や猶予制度を設けています。


制度の種類は下記の3つです。

  1. 国民年金の保険料免除制度
  2. 保険料納付猶予制度
  3. 学生納付特例制度


この記事を読めば、上記の制度を理解することができます。



国民年金の保険料免除制度

国民年金の保険料免除制度

国民年金には所得が少なく保険料を納めることが困難な場合は、保険料の納付が免除される制度があります。


保険料の免除には、障害等級1級または2級の障害年金受給権者や、生活保護法の生活扶助を受けているとき等に保険料の全額が免除される「法的免除」と所得の減少や失業等で保険料を納めることが困難な場合に、申請し承認されると免除が受けられる「申請免除」があります。


申請免除には全額免除、半額免除および4分の1免除と4分の3免除の4種類があります。


保険料免除期間中の保険料は追納できる

保険料免除期間中の保険料は10年以内であれば後日さかのぼって納付すること(追納)ができます。


なお、追納がない場合、その全期間が受給資格期間算入されますが(一部免除の場合は免除を受けた残りの保険料を納付していること)、老齢基礎年金額を算出する際には、

平成21年3月以前の免除期間については、4分の1免除はその6分の5、半額免除はその3分の2、4分の3免除はその2分の1、全額免除はその3分の1期間として計算され、

平成 21年 4月以降の免除期間については、4分の1免除はその8分の7、半額免除はその4分の3、4分の3免除はその8分の5、全額免除はその2分の1の期間として計算されます。


保険料納付猶予制度

保険料納付猶予制度

2025年(令和7年)6月までの時限措置として、50歳未満で本人と配偶者の所得が一定以下の場合にも、申請により、国民年金の保険料の納付が猶予される制度が実施されています。

これを「保険料納付猶予制度」といいます。


保険料は 10年以内であれば後日追納することができます。

追納がない場合は、これらの期間は「カラ期間」として扱われ、その全期間が受給資格期間に算入されますが、年金額には反映されません。


ただし、これらの期間中に死亡した場合は、障害基礎年金や遺族基礎年金を受けることができます。


学生納付特例制度

学生納付特例制度

20歳以上の学生は本人の所得が一定以下であれば、申請により国民年金の保険料の後払いができる「学生納付特例制度」が設けられています。


保険料は 10年以内であれば後日追納することができます。

追納がない場合は、これらの期間は「カラ期間」として扱われ、その全期間が受給資格期間に算入されますが、年金額には反映されません。


ただし、これらの期間中に死亡した場合は、障害基礎年金や遺族基礎年金を受けることができます。


保険料免除・納付猶予の承認基準(所得の基準)

保険料免除・納付猶予の承認基準(所得の基準)
  • 全額免除
    前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
    (扶養親族等の数+ 1)× 35万円+ 22万円
  • 4分の 3免除
    前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
    78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

  • 半額免除
    前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
    118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

  • 4分の 1免除
    前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
    158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  • 納付猶予制度
    前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であること
    (扶養親族等の数+ 1)× 35万円+ 22万円


保険料を未納のままにしておくと後悔する

保険料を未納のままにしておくと後悔する

保険料を未納のままにしておくと、老齢基礎年金を、将来的に受けられないだけでなく、障害や死亡といった不慮の事態が発生したときに受けられる、障害基礎年金・遺族基礎年金が受けられない場合があります。


資金に余裕がなく保険料を支払えない等、納付できない場合は忘れずに保険料の免除申請をしましょう。




-社会保障, 社会保障の基礎知識
-