社会保障

【まとめ】業務上・通勤途上の事故に関する補償をすべて解説

【まとめ】業務上・通勤途上の事故に関する補償をすべて解説

災害補償制度は、労働者(職員等)の業務上(公務・職務上)や通勤途上の病気、ケガ、障害および死亡に対して補償給付を行うとともに、労働者(職員等)の福祉に必要な事業を行うことを目的として、民間労働者については労働者災害補償保険法に基づいて、そして公務員については国家(地方)公務員災害補償法に基づいて運営されるものです。


業務上・通勤途上の事故に関する補償は、労災保険(労働者災害補償保険)から給付されます。



もくじ
  1. 療養(補償)給付とは?補償内容と申請方法をわかりやすく解説
  2. 休業(補償)給付とは?補償内容と申請手続きをわかりやすく解説
  3. 傷病(補償)年金とは?「給付額」や「給付期間」などを解説
  4. 障害(補償)年金とは?「給付額」や「給付期間」などを解説
  5. 障害(補償)一時金とは?「給付額」や「該当する障害の状態」などを解説
  6. 介護(補償)給付とは?「給付額」や「障害の状態」などを解説
  7. 遺族(補償)年金とは?「金額」や「受給資格者」をわかりやすく解説
  8. 遺族(補償)一時金とは?「金額」や「受給資格者」などを解説
  9. 葬祭料(葬祭給付)とは?労働者が死亡した場合は葬儀費用が給付されます

療養(補償)給付とは?補償内容と申請方法をわかりやすく解説

療養補償給付とは?補償内容と申請方法をわかりやすく解説

この記事では「療養(補償)給付」について解説していきます。


療養補償給付は、労働者災害補償保険(労災保険)の保障の一部で、治療や薬剤の支給を無料で受けられるありがたい制度です。

※一部自己負担あり。


この記事を読めば、「現物給付と現金給付の違い」「補償される費用の種類」「手続き・申請方法」「その他のポイント」を知ることができます。



療養(補償)給付とは

療養補償給付とは、労働者が業務または通勤が事由で負傷したり、病気にかかって療養を必要とするとき、療養補償給付(業務災害の場合)または療養給付(通勤災害の場合)が支給されます。


療養補償給付には、「療養の給付」と「療養の費用の支給」があります。


療養の給付とは(現物給付)

療養の給付とは、労災病院や労災保険指定医療機関・薬局等で無料で治療や薬剤の支給などを受けられます。これを現物給付といいます。


療養費用の支給とは(現金給付)

療養費用の支給とは、近くに指定医療機関等がないなどの理由で、指定医療機関等以外の医療機関や薬局等で医療を受けた場合に、その療養にかかった費用を支給する現金給付です。


療養補償給付で補償される費用の種類

療養補償は業務または通勤中に発生した怪我や病気の治療費を補償する制度です。療養補償給付で補償される費用の種類は、下記の6つのうち、必要と認められるものに限ります。

  • 診察
  • 薬剤又は治療材料の支給
  • 処置、手術
  • 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
  • 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
  • 移送費



療養補償給付の「支給期間」と「支給額」

療養補償給付の支給期間

療養補償給付は傷病が治癒するまでその支給が続きます。


なお、労災保険における「治癒」とは、身体の諸器官が健康時の状態に完全に回復した状態のみをいうものではなく、傷病の症状が安定し、医学上一般に認められた医療を行ってもその医療効果が期待できなくなった状態(症状固定)をいいます。


療養補償給付の支給額

指定病院等で診察や治療等を受ける場合、自己負担がなくその場で全額補償されます。

※通勤災害の場合は初診時に一部負担金として200円かかります。


指定病院等以外の病院で診察や治療等を受けた場合、療養にかかる費用を病院に支払い、その後に、被災労働者に対して支払った費用の額が現金で支給されます。



休業(補償)給付とは?補償内容と申請手続きをわかりやすく解説

休業補償給付とは?保障内容と申請手続きをわかりやすく解説

この記事では「休業補償給付」について解説していきます。


「休業補償給付」は、労働者災害補償保険(労災保険)の補償の一部で、働けなくなった時に給付を受けられるありがたい制度です。

しかし、給付を受けるには条件があり、誰でも簡単に補償を受けられるというわけではありません。


この記事を読めば、「休業補償給付の保障内容」「支給が行われる3つの条件」「支給期間と支給額」などを知ることができます。



休業補償給付とは

休業補償給付とは、労働者が業務上または通勤の事由により、負傷や疾病による療養のため労働することができず、そのために賃金を受けていないとき、その4日目から休業補償給付(業務災害の場合)または休業給付(通勤災害の場合)が支給される制度です。


自営業者は休業補償給付の対象外

休業補償給付は労災保険によって給付される制度です。よって、労災保険に加入していない「自営業者」や「代表権・業務執行権を有する役員」は休業補償給付の対象外です。


休業補償給付が支払われる3つの条件

休業補償給付が支払われるには下記の3つの条件を満たす必要があります。

業務上または通勤による負傷や疾病により療養している

休業補償給付は、療養のために休業をしている期間を補償する制度です。そのため、療養中のみ支給の対象となります。


療養とは、入院だけでなく自宅療養も含まれます。


労務に従事することができない

仕事に就くことができない状態の判定は、被保険者の仕事の内容を考慮し、主治医の先生が労務不能と診断していることが求められます。


診断書にかかる費用などは会社が負担することになっています。


賃金の支給を会社から受けていない

平均賃金の60%以上の賃金を受けている場合は、休業補償給付の対象外となります。


賃金ではなく、補償金という形ならば問題ありません。


休業補償給付の「給付期間」と「給付額」

休業補償給付の給付期間

休業補償給付が給付される期間は、休業開始後4日目から休業が終了するまで続きます。


1年6カ月を経過しても治っていない場合、休業補償給付から「傷病補償年金」に切り替わり、新たな制度の下給付が続きます。

傷病補償年金は3年経過したとき、会社が病気を理由に解雇できるようになるので、注意が必要です。


休業補償給付の給付額

休業補償給付制度には、下記の2つの給付があります。

  1. 休業補償給付=(給付基礎日額の60%)×休業日数
  2. 休業特別支給金=(給付基礎日額の20%)×休業日数


休業の初日から3日までを待期期間といい、この間は業務災害の場合、事業主が労働基準法の規定に基づく休業補償給付(1日につき平均賃金の60%)を行います。待期期間中については、会社が被災労働者の平均賃金の60%以上を支給しなければならないことになっています。


その後の期間は、「休業補償給付」と「休業特別支給金」を合わせた金額が給付されます。

休業補償給付の「支給期間」と「支給額」

出典:労災SEARCH


つまり、3日間の待機期間中は1.のみ受け取ることができ、それ以降は1.と2.の両方とも受け取ることができるということです。

給付基礎日額とは

給付基礎日額とは、平均賃金のことを指します。

事故がおきた日や、疾病が確定した日の直近の3ヶ月間、労働者に対して支払われた賃金の総額を、日数によって割った金額が給付基礎日額となります。算出には残業手当も含まれますが、ボーナスや手当のような臨時的に発生した賃金は考慮されません。


給付基礎日額の80%が労災保険から支給されます。



傷病(補償)年金とは?「給付額」や「給付期間」などを解説

傷病(補償)年金とは?「給付額」と「給付期間」などを解説

自立した生活を維持していくには継続した収入が必要になり、賃金収入が得られる就業は多くの方にとって必須のはずです。

日本の社会保障には、障害によって働くことのできなくなった方には公的保険によって、生活するための現金が支給されます。


障害を負って就業ができなくなった場合の公的保険といえば、国民年金から支給される「障害年金」が有名です。

その他にも、障害の原因が業務上・通勤途上の場合は労災保険から「傷病(補償)年金」が併せて支給されます。


この記事を読めば、「傷病(補償)年金」の「金額」「支給要件」「給付期間」などを知ることができます。




傷病(補償)年金とは?

傷病(補償)年金とは、業務や通勤が原因となった負傷または疾病などによって開始した療養が、1年 6カ月を経過しても治っていない時に休業(補償)給付から切り替わって支給される年金です。


傷病(補償)年金とは、業務上または通勤途上の傷病が長びく場合、休業(補償)給付に代えて、その傷病の程度に応じて手厚い保護を行うとするもので、それぞれの法令に定められる傷病等級1級~3級の人に支給されます。

傷病等級は、障害(補償)年金の障害等級の1級~3級に対応しています。




受給要件

業務上または通勤途上に負傷し、または疾病にかかった労働者が、その傷病についての療養を開始して 1年 6ヶ月を経過した日またはその日以降において、下記の要件のどちらにも該当した場合です。

  1. 傷病が治らず、療養の必要があること
  2. その傷病による障害の程度が傷病等級の1級~3級に該当する



問合わせ先

問合わせ先は、管轄の労働基準監督署になります。


労災保険における「治ったとき」とは

傷病(補償)年金は、傷病が 1年 6ヶ月を経過しても治っていない場合に、休業(補償)給付から切り替わって支給される年金です。

つまり、「治っている」か「治っていないか」の判断が重要になります。


労災保険における傷病が「治ったとき」とは、身体の諸器官・組織が健康時の状態に完全に回復した状態のみをいうものではなく、傷病の症状が安定し、医学以上一般に認められた医療を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態をいい、この状態を労災保険では「治癒」(症状固定)といいます。


したがって、「傷病の症状が投薬・理学療法等の治療により一時的な回復がみられるに過ぎない場合」など症状が残存している場合であっても、医療効果が期待できないと判断される場合には労災保険では「治癒」(症状固定)として、傷病(補償)給付を支給しないことになっています。


※治癒(症状固定)した場合は「傷病(補償)年金」の支給は終わりますが、障害が残った場合は、「障害(補償)年金」など、別の制度から支給を受けられる可能性があります。



傷病(補償)年金の給付の内容

傷病(補償)年金の給付の内容は下表のとおりです。

障害等級 傷病(補償)年金 傷病特別支給金 傷病特別年金
第1級 給付基礎日額の313日分 114万円 算定基礎日額の313日分
第2級 給付基礎日額の277日分 107万円 算定基礎日額の277日分
第3級 給付基礎日額の245日分 100万円 算定基礎日額の245日分


それでは、詳しく解説していきます。


年金額

障害の程度に応じて、それぞれ給付基礎日額の1級は 313日分、2級は 277日分、3級は 245日分。

ただし、年金給付基礎日額については、最低限度額・最高限度額が年齢仮想別に設定されていて、その最低・最高の限度額を超える場合には下表の限度額となります。


年齢階層別年金給付基礎日額限度額
年齢 ~19 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44
最低限度額 4,892 5,475 6,000 6,379 6,749 7,031
最高限度額 13,264 13,264 14,226 17,257 19,022 21,365
年齢 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~
最低限度額 7,075 6,902 6,414 5,213 3,940 3,940
最高限度額 23,267 25,192 24,757 19,737 14,973 13,264



傷病特別支給金

上記年金額に加えて、障害の程度に応じてそれぞれ1級は 114万円、2級は 107万円、3級は 100万円の一時金が支給されます。


傷病特別年金

上記年金額に加えて、障害の程度に応じてそれぞれ算定基礎日額(ボーナス年額(年金給付基礎日額の 365倍の 20%相当額か 150万円いずれか低いほうを限度)の 365分の1)の、1級は 313日分、2級は 277日分、3級は 245日分が支給されます。


給付期間

受給要件の状態が続いている間は給付が続きます。


ただし、傷病(補償)年金は3年経過したとき、会社が病気を理由に解雇できるようになりますので、注意が必要です。


障害年金との同時給付による減額

傷病(補償)年金と同時に厚生年金保険の障害厚生年金および国民年金の障害基礎年金が受けられるときは 27%、障害厚生年金だけが受けられるときは 12%、障害基礎年金だけが受けられるときは 12%、それぞれ労災保険の傷病(補償)年金が減額されます。



年金の支払い月

傷病(補償)年金は、毎年 2月、4月、6月、8月、10月、12月の6期にそれぞれの前 2ヶ月分が支払われます。


※傷病(補償)年金が支給される場合には、療養(補償)給付は引き続き支給されますが、休業(補償)給付は支給されません。

※傷病等級が第1級または第2級の胸腹部臓器、神経系統・精神障害があり、現に介護を受けている方は、介護(給付)を受給することができます。
 この給付を受けるためには、別途請求書などを提出する必要があります。


傷病(補償)年金に該当する状態

障害等級 障害の状態
1級 ・神経系統の機能または精神に著しい障害を有し、常に介護を要する
・胸部腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に介護を要する
・両目が失明しているもの
・そしゃく及び言語の機能を廃しているもの
・両上肢を肘関節以上で失ったもの
・両上肢の用を全廃しているもの
・両下肢をひざ関節以上で失ったもの
・両下肢の用を全廃しているもの
2級 ・神経系統の機能または精神に著しい障害を有し、随時介護を要する
・胸部腹部臓器の機能に著しい障害を有し、随時介護を要する
・両目の視力が0.02以下になっているもの
・両上肢を腕関節以上で失ったもの
・両下肢を足関節以上で失ったもの
3級 ・神経系統の機能または精神に著しい障害を有し、常に労務に服することができない
・胸部腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に労務に服することができないもの
・一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になっているもの
・そしゃく又は言語の機能を廃しているもの
・両手の手指の全部を失ったもの


障害等級の区分をざっくりと解説すると下記の様になります。

  • 1級:常時介護を必要とする程度
  • 2級:随時介護を必要とする程度
  • 3級:労務に服することのできない程度の障害





障害(補償)年金とは?「給付額」や「給付期間」などを解説

障害(補償)年金とは?「給付額」や「給付期間」などを解説

自立した生活を維持していくには継続した収入が必要になり、賃金収入が得られる就業は多くの方にとって必須のはずです。

日本の社会保障には、障害によって働くことのできなくなった方には公的保険によって、生活するための現金が支給されます。


障害を負って就業ができなくなった場合の公的保険といえば、国民年金から支給される「障害年金」が有名です。

その他にも、障害の原因が業務上・通勤途上の場合は労災保険から「障害(補償)年金」が併せて支給されます。


この記事を読めば、「障害(補償)年金」の「金額」「支給要件」「給付期間」などを知ることができます。




障害(補償)年金とは

障害(補償)年金とは、業務上または通勤途上の傷病が治ったとき(症状が固定した後)に一定以上の障害が残った場合に支給される年金です。


障害の区分は、重い1級~軽い14級まであります。

1級~7級までは「障害(補償)年金」が支給され、8級~14級までは「障害(補償)一時金」が支給されます。

障害等級 補償
1級~7級 障害(補償)年金
8級~14級 障害(補償)一時金


この記事では、上記の「障害(補償)年金」について解説していきます。


厳密には、業務災害の場合を「障害補償年金」。通勤災害の場合を「障害年金」といいます。

しかし、「障害年金」というと、国民年金保険による障害年金を連想しがちです。

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・障害(補償)一時金とは?「給付額」や「該当する障害の状態」などを解説
・業務災害とは?業務災害に含まれるケガや病気をわかりやすく解説
・通勤災害とは?通勤中の事故で労災保険が適用される具体例を解説



受給要件

労働者が業務上または通勤途上で負傷し、または疾病にかかり、治った後、身体に障害が残った場合で、その障害の程度が障害等級1級~7級に該当するとき。


問合わせ先

問合わせ先は、管轄の労働基準監督署になります。


労災保険における「治ったとき」とは

障害(補償)年金は、業務上または通勤途上の傷病が治ったとき、または症状が固定した後に一定以上の障害が残った場合に支給される年金です。


労災保険における傷病が「治ったとき」とは、身体の諸器官・組織が健康時の状態に完全に回復した状態のみをいうものではなく、傷病の症状が安定し、医学以上一般に認められた医療を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態をいい、この状態を労災保険では「治癒」(症状固定)といいます。


したがって、「傷病の症状が投薬・理学療法等の治療により一時的な回復がみられるに過ぎない場合」など症状が残存している場合であっても、医療効果が期待できないと判断される場合には労災保険では「治癒」(症状固定)として、傷病(補償)給付を支給しないことになっています。



障害(補償)年金の給付の内容

障害(補償)年金の給付の内容は下記のとおりです。

出典:厚生労働省


それでは、詳しく解説していきます。


年金額

障害等級に応じ、それぞれ給付基礎日額(後述)により、1級は313日分、2級は277日分、3級は245日分、4級は213日分、5級は184日分、6級は156日分、7級は131日分が1年間に支給されます。


ただし、年金給付基礎日額については、最低限度額・最高限度額が年齢仮想別に設定されていて、その最低・最高の限度額を超える場合には下表の限度額となります。


年齢階層別年金給付基礎日額限度額
年齢 ~19 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44
最低限度額 4,892 5,475 6,000 6,379 6,749 7,031
最高限度額 13,264 13,264 14,226 17,257 19,022 21,365
年齢 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~
最低限度額 7,075 6,902 6,414 5,213 3,940 3,940
最高限度額 23,267 25,192 24,757 19,737 14,973 13,264



障害特別支給金

上記年金額に加えて、障害等級に応じ、それそれ、1級は 342万円、2級は 320万円、3級は 300万円、4級は 264万円、5級は 225万円、6級は 192万円、7級は 159万円の一時金が支給されます。


障害特別年金

上記年金額に加えて、障害等級に応じてそれぞれ算定基礎日額の、1級は 313日分、2級は 277日分、3級は 245日分、4級は 213日分、5級は 184日分、6級は 156日分、7級は 131日分の年金が支給されます。


給付期間

受給要件の状態が続いている間は給付が続きます。


基礎年金・厚生年金との同時給付による減額

障害(補償)年金と同時に厚生年金保険の障害厚生年金および国民年金の障害基礎年金が受けられるときは 27%、障害厚生年金だけが受けられるときは 17%、障害基礎年金だけが受けられるときは 12%、それぞれ労災保険の障害(補償)年金が減額されます。



年金の支払い月

障害(補償)年金は、支給要件に該当することになった月の翌月分から支給され、毎年 2月、4月、6月、8月、10月、12月の 6期に、それぞれの前 2ヶ月分が支払われます。


障害等級に当てはまる状態

障害等級 障害の状態
1級 ・両眼が失明したもの
・咀嚼及び言語の機能が失われたもの
・神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
・胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
・両上肢をそれぞれひじ関節以上で失つたもの
・両上肢が用をなさなくなつたもの
・両下肢をそれぞれひざ関節以上で失つたもの
・両下肢が用をなさなくなつたもの
2級 ・一眼が失明し、他眼の視力が0.02以下に減じたもの
・両眼の視力がそれぞれ0.02以下に減じたもの
・神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
・胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
・両上肢をそれぞれ手関節以上で失つたもの
・両下肢をそれぞれ足関節以上で失つたもの
3級 ・一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下に減じたもの
・咀嚼又は言語の機能が失われたもの
・神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
・胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
・ 両手のすべての指を失つたもの
4級 ・両眼の視力がそれぞれ0.06以下に減じたもの
・咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
・両耳の聴力が全く失われたもの
・一上肢をひじ関節以上で失つたもの
・一下肢をひざ関節以上で失つたもの
・両手のすべての指が用をなさなくなつたもの
・両足をリスフラン関節以上で失つたもの
5級 ・一眼が失明し、他眼の視力が0.1以下に減じたもの
・神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
・胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
・一上肢を手関節以上で失つたもの
・一下肢を足関節以上で失つたもの
・一上肢が用をなさなくなつたもの
・一下肢が用をなさなくなつたもの
・両足のすべての指を失つたもの
6級 ・両眼の視力がそれぞれ0.1以下に減じたもの
・咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
・両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度に減じたもの
・一方の耳の聴力が全く失われ、他方の耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度に減じたもの
・脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
・一上肢の三大関節のうちのいずれか二関節が用をなさなくなつたもの
・一下肢の三大関節のうちのいずれか二関節が用をなさなくなつたもの
・片手のすべての指を失つたもの又はおや指をあわせ片手の四本の指を失つたもの
7級 ・一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下に減じたもの
・両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度に減じたもの
・一方の耳の聴力が全く失われ、他方の耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度に減じたもの
・神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
・胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
・おや指をあわせ片手の三本の指を失つたもの又はおや指以外の片手の四本の指を失つたもの
・片手のすべての指が用をなさなくなつたもの又はおや指をあわせ片手の四本の指が用をなさなくなつたもの
・片足をリスフラン関節以上で失つたもの
・一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
・一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
・両足のすべての指が用をなさなくなつたもの
・女子の外貌が著しく醜くなつたもの
・両側の睾丸を失つたもの




障害(補償)一時金とは?「給付額」や「該当する障害の状態」などを解説

障害(補償)一時金とは?「給付額」や「該当する障害の状態」などを解説

自立した生活を維持していくには継続した収入が必要になり、賃金収入が得られる就業は多くの方にとって必須のはずです。

日本の社会保障には、障害によって働くことのできなくなった方には公的保険によって、生活するための現金が支給されます。


障害を負って就業ができなくなった場合の公的保険といえば、国民年金から支給される「障害年金」が有名です。

その他にも、障害の原因が業務上・通勤途上の場合は労災保険から「障害(補償)一時金」が併せて支給されます。


この記事を読めば、「障害(補償)一時金」の「金額」「支給要件」「給付期間」などを知ることができます。




障害(補償)一時金とは

障害(補償)一時金とは、業務上または通勤途上の傷病が治ったとき(症状が固定した後)に一定以上の障害が残った場合に支給される一時金です。


障害の区分は、重い1級~軽い14級まであります。

1級~7級までは「障害(補償)年金」が支給され、8級~14級までは「障害(補償)一時金」が支給されます。

障害等級 補償
1級~7級 障害(補償)年金
8級~14級 障害(補償)一時金


この記事では、上記の「障害(補償)一時金」について解説していきます。


厳密には、業務災害の場合を「障害補償給付」。通勤災害の場合を「障害給付」といいます。



受給要件

労働者が業務上または通勤途上で負傷し、または疾病にかかり、治った後、身体に障害が残った場合で、その障害の程度が障害等級8級~14級に該当するとき。


問合わせ先

問合わせ先は、管轄の労働基準監督署になります。


労災保険における「治ったとき」とは

障害(補償)一時金は、業務上または通勤途上の傷病が治ったとき、または症状が固定した後に一定以上の障害が残った場合に支給される年金です。


労災保険における傷病が「治ったとき」とは、身体の諸器官・組織が健康時の状態に完全に回復した状態のみをいうものではなく、傷病の症状が安定し、医学以上一般に認められた医療を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態をいい、この状態を労災保険では「治癒」(症状固定)といいます。


したがって、「傷病の症状が投薬・理学療法等の治療により一時的な回復がみられるに過ぎない場合」など症状が残存している場合であっても、医療効果が期待できないと判断される場合には労災保険では「治癒」(症状固定)として、傷病(補償)給付を支給しないことになっています。



障害(補償)一時金の給付の内容

障害(補償)一時金の給付の内容は下記のとおりです。

出典:厚生労働省


それでは、詳しく解説していきます。


一時金額

障害等級に応じ、それぞれ給付基礎日額(後述)により、8級は 503日分、9級は 391日分、10級は 302日分、11級は 223日分、12級は 156日分、13級は 101日分、14級は 56日分が一時金として支給されます。


障害特別支給金

上記年金額に加えて、障害等級に応じ、それそれ、8級は 65万円、9級は 50万円、10級は 39万円、11級は 29万円、12級は 20万円、13級は 14万円、14級は 8万円の一時金が支給されます。


障害特別一時金

上記年金額に加えて、障害等級に応じてそれぞれ算定基礎日額の、8級は 503日分、9級は 391日分、10級は 302日分、11級は 223日分、12級は 156日分、13級は 101日分、14級は 56日分の一時金が支給されます。


給付期間

障害(補償)一時金は一時金ですので、最初の支給額で終了です。


障害等級に当てはまる状態

障害等級 障害の状態
8級 ・一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下に減じたもの
・脊柱に運動障害を残すもの
・おや指をあわせ片手の二本の指を失つたもの又はおや指以外の片手の三本の指を失つたもの
・おや指をあわせ片手の三本の指が用をなさなくなつたもの又はおや指以外の片手の四本の指が用をなさなくなつたもの
・一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
・一上肢の三大関節のうちのいずれか一関節が用をなさなくなつたもの
・一下肢の三大関節のうちのいずれか一関節が用をなさなくなつたもの
・一上肢に偽関節を残すもの
・一下肢に偽関節を残すもの
・片足のすべての指を失つたもの
9級 ・ 両眼の視力がそれぞれ0.6以下に減じたもの
・一眼の視力が0.06以下に減じたもの
・両眼にそれぞれ半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
・両眼のまぶたにそれぞれ著しい欠損を残すもの
・鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
・咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
・両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度に減じたもの
・一方の耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度に減じ、他方の耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度に減じたもの
・一方の耳の聴力が全く失われたもの
・神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
・胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
・片手のおや指を失つたもの又はおや指以外の片手の二本の指を失つたもの
・おや指をあわせ片手の二本の指が用をなさなくなつたもの又はおや指以外の片手の三本の指が用をなさなくなつたもの
・第一足指をあわせ片足の二本以上の指を失つたもの
・片足のすべての指が用をなさなくなつたもの
・生殖器に著しい障害を残すもの
10級 ・一眼の視力が0.1以下に減じたもの
・正面を見た場合に複視の症状を残すもの
・咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
・十四本以上の歯に歯科補綴を加えたもの
・両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度に減じたもの
・一方の耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度に減じたもの
・片手のおや指が用をなさなくなつたもの又はおや指以外の片手の二本の指が用をなさなくなつたもの
・一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
・片足の第一足指又は他の四本の指を失つたもの
・一上肢の三大関節のうちのいずれか一関節の機能に著しい障害を残すもの
・一下肢の三大関節のうちのいずれか一関節の機能に著しい障害を残すもの
11級 ・両眼の眼球にそれぞれ著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
・両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
・一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
・十本以上の歯に歯科補綴を加えたもの
・両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度に減じたもの
・一方の耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度に減じたもの
・脊柱に変形を残すもの
・片手のひとさし指、なか指又はくすり指を失つたもの
・第一足指をあわせ片足の二本以上の指が用をなさなくなつたもの
・胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
12級 ・一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
・一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
・七本以上の歯に歯科補綴を加えたもの
・一方の耳の耳殼の大部分を欠損したもの
・鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
・一上肢の三大関節のうちのいずれか一関節の機能に障害を残すもの
・一下肢の三大関節のうちのいずれか一関節の機能に障害を残すもの
・長管状骨に変形を残すもの
・片手のこ指を失つたもの
・片手のひとさし指、なか指又はくすり指が用をなさなくなつたもの
・片足の第二足指を失つたもの、第二足指をあわせ片足の二本の指を失つたもの又は片足の第三足指以下の三本の指を失つたもの
・片足の第一足指又は他の四本の指が用をなさなくなつたもの
・局部に頑固な神経症状を残すもの
・男子の外貌が著しく醜くなつたもの
・女子の外貌が醜くなつたもの
13級 ・一眼の視力が0.6以下に減じたもの
・正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
・一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
・両眼のまぶたにそれぞれ一部の欠損又はまつげはげを残すもの
・五本以上の歯に歯科補綴を加えたもの
・胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
・片手のこ指が用をなさなくなつたもの
・片手のおや指の指骨の一部を失つたもの
・一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
・片足の第三足指以下の一本又は二本の指を失つたもの
・片足の第二足指が用をなさなくなつたもの、第二足指をあわせ片足の二本の指が用をなさなくなつたもの又は片足の第三足指以下の三本の指が用をなさなくなつたもの
14級 ・一眼のまぶたの一部に欠損又はまつげはげを残すもの
・三本以上の歯に歯科補綴を加えたもの
・一方の耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度に減じたもの
・上肢の露出面にてのひら大以上の大きさの醜いあとを残すもの
・下肢の露出面にてのひら大以上の大きさの醜いあとを残すもの
・片手のおや指以外の指の指骨の一部を失つたもの
・片手のおや指以外の指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなつたもの
・片足の第三足指以下の一本又は二本の指が用をなさなくなつたもの
・局部に神経症状を残すもの
・男子の外貌が醜くなつたもの




介護(補償)給付とは?「給付額」や「障害の状態」などを解説

介護(補償)給付とは?「給付額」や「障害の状態」などを解説

この記事では「介護(補償)給付」について解説していきます。


重度の障害を負うことになると介護が必要な状態になります。

そうなると、障害年金などだけでは生活していくことが困難なため、その他にも給付が必要になります。


「介護(補償)給付」は介護が必要な重度の障害者に現金を給付する制度です。


この記事を読めば介護(補償)給付の「給付額」「給付要件」「給付期間」などを知ることができます。




介護(補償)給付とは

介護(補償)給付は、業務上または通勤途上の傷病により重度の障害(障害等級1級および2級の精神神経・胸腹部臓器の障害)にあって、その障害のために常時または随時の介護を必要とし、現に介護を受けている場合に支給されます。


介護(補償)給付は労災保険により給付されます。

制度の名前

業務災害の場合を「介護補償給付」、
通勤災害の場合を「介護給付」といいます。




支給要件

  • 一定の障害の状態に該当すること。
    ➝ 介護(補償)給付は、障害の状態に応じ、常時介護を要する状態と随時介護を要する状態に区分されます。常時介護を要する障害の状態は、下記のとおりです。

  該当する方の具体的な障害の状態
常時介護 ・精神神経・胸腹部臓器に障害を残し、常時介護を要する状態に該当する(障害等級1級3・4号、傷病等級第1級1・2号
・両目が失明するとともに、障害または傷病等級第1級・第2級の障害を有する
・両上肢および両下肢が亡失または用を廃した状態にある
随時介護 ・精神神経・胸腹部臓器に傷害を残し、随時介護を要する状態に該当する(障害等級第2級2号の2・2号の3、傷病等級第2級1・2号)
・障害等級第1級または傷病等級第1級に該当し、常時介護を要する状態ではない

  • 「障害(補償)年金」・「傷病(補償)年金」の障害等級1級の人すべてと、2級の精神神経・胸腹部臓器に障害を残す人が対象です。

  • 現に介護を受けていること。
    ➝ 民間の有料の介護サービスなどや親族または友人・知人により、現に介護を受けていることが必要です。

  • 病院または診療所に入院していないこと

  • 介護老人保健施設、介護医療院、障碍者支援施設(生活介護を受けている場合に限る)、特別養護老人ホームまたは原子爆弾被爆者特別養護ホームに入所していないこと


※これらの施設に入所している間は、施設において十分な介護サービスが提供されているものと考えられることから、支給対象とはなりません。


給付期間

十要件を満たしている間、請求に基づき支給されます。なお、請求は 1ヶ月単位となります。


問合わせ先

問合わせ先は、管轄の労働基準監督署になります。


介護(補償)給付の給付額

介護(補償)給付の給付は「常時介護」の場合と、「随時介護」の場合とで大きく異なります。


常時介護の場合

  • 親族または友人・知人の介護を受けていない場合には、介護の費用として支出した額(ただし、165,150円[166,950円]を上限とします)が支給されます。

  • 親族または友人・知人の介護を受けているとともに、
    ➝ 介護の費用を支出していない場合には、一律定額として70,790円[72,990円]が支給されます。
    ➝ 介護の費用を支出しており、その額が70,790円[72,990円]を下回る場合には、一律定額として、70,790円[72,990円]が支給されます。

  • 介護の費用を支出しており、その額が70,790円[72,990円]を上回る場合には、その額が支給されます。(ただし、165,150円[166,950円]を上限とします)


随時介護の場合

  • 親族または友人・知人の介護を受けていない場合には、介護の費用として支出した額が支給されます。(ただし、82,580円[83,480円]を上限とします)

  • 親族または友人・知人の介護を受けているとともに、
    ➝ 介護の費用を支出していない場合には、一律定額として35,400円[36,500円]が支給されます。
    ➝ 介護の費用を支出しており、その額が35,400円[36,500円]を下回る場合には、一律定額として、35,400円[36,500円]が支給されます。
    ➝ 介護の費用を支出しており、その額が35,400円[36,500円]を上回る場合には、その額が支給されます。(82,580円[83,480円]を上限とします)


介護(補償)給付に該当する障害の状態

障害等級 障害の状態
1級 ・両眼が失明したもの
・咀嚼及び言語の機能が失われたもの
・神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
・胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
・両上肢をそれぞれひじ関節以上で失つたもの
・両上肢が用をなさなくなつたもの
・両下肢をそれぞれひざ関節以上で失つたもの
・両下肢が用をなさなくなつたもの
2級 ・神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
・胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの




遺族(補償)年金とは?「金額」や「受給資格者」をわかりやすく解説

遺族(補償)年金とは?「年金額」や「受給資格者」をわかりやすく解説

労災保険といえば、業務上や通勤上によるケガや病気の治療費が無料になる…というイメージを持たれている方が多いと思います。

実は、保険加入者が死亡した場合は、その遺族が補償を受けられる保険でもあるのです。


この記事を読めば、遺族(補償)年金の「年金額」「受給資格者」「手続き」などを知ることができます。




遺族(補償)年金とは

遺族(補償)年金とは、業務上または通勤途上の災害によるケガや病気がもとで死亡した場合には、一定の範囲内の遺族に遺族(補償)給付が行われます。

遺族がもらえる給付は、遺族の条件によって、「年金」か「一時金」に分かれます。


遺族(補償)給付は労災保険によって支払われます。


厳密には、業務災害の場合を遺族補償年金、通勤災害の場合を遺族年金といいます。



年金を受けることができる遺族

受給資格者は、労働者の死亡当時、生計維持関係のあった次の遺族です。


実際に遺族(補償)年金を受ける遺族は、そのうち最先順位者(最先順位者が失権し、同順位者がいないときは次順位者に権利が移る)となっています。

受給資格 優先順位

  1. 妻、60歳以上または一定の障害のある夫
  2. 18歳に達する年度の年度末までにあるまたは一定の障害のある子
  3. 60歳以上または一定の障害のある父母
  4. 18歳に達する年度の年度末までにある孫または一定の障害のある孫
  5. 60歳以上または一定の障害のある祖父母
  6. 18歳に達する年度の年度末までにある兄弟姉妹もしくは60歳以上または一定の障害兄弟姉妹
  7. 55歳以上60歳未満の夫
  8. 55歳以上60歳未満の父母
  9. 55歳以上60歳未満の祖父母
  10. 55歳以上60歳未満の兄弟姉妹

    なお、7~10までの人が実際に受けられるのは60歳になってからです。



遺族(補償)年金の給付の内容


年金額

遺族(補償)年金を受ける遺族およびその者と生計を同じくしている遺族(補償)年金を受ける権利を有する遺族の人数に応じて下記の額。

ただし、上記7~10の人は遺族の人数に含めません。

遺族(補償)年金 給付額

  • 1人…給付基礎日額(年齢により最低・最高限度額あり)の153日分(55歳以上または一定の障害のある妻の場合は175日分)
  • 2人…給付基礎日額の201日分
  • 3人…給付基礎日額の223日分
  • 4人以上…給付基礎日額の245日分



年齢階層別年金給付基礎日額限度額
年齢 ~19 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44
最低限度額 4,892 5,475 6,000 6,379 6,749 7,031
最高限度額 13,264 13,264 14,226 17,257 19,022 21,365
年齢 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~
最低限度額 7,075 6,902 6,414 5,213 3,940 3,940
最高限度額 23,267 25,192 24,757 19,737 14,973 13,264



遺族特別支給金

上記の年金額に加えて、300万円の一時金が支給されます。


遺族特別年金

上記年金額に加えて、遺族の人数に応じてそれぞれ算定基礎日額の、1人の場合は 153日分(55歳以上または一定の障害のある妻の場合は 175日分)、2人の場合は 201日分、3人の場合は 223日分、4人以上の場合は 245日分の年金が支給されます。


給付期間

終身あるいは既婚・養子縁組・離婚などにより死亡した労働者との親族関係がなくなるまで、子、孫、兄弟姉妹については18歳に達する年度の年度末を過ぎるまであるいは一定の障害があったために年金を受けることとなった場合は障害がなくなるまで。


なお、同順位者がなく次順位者がいる場合には、その次順位者に年金を受ける権利が移ります。


基礎年金・厚生年金との同時給付による減額

遺族(補償)年金と同時に厚生年金保険の遺族厚生年金および国民年金の遺族基礎年金が受けられるときは 20%、遺族厚生年金だけが受けられるときは 16%、遺族基礎年金だけが受けられるときは 12%、それぞれ労災保険の遺族(補償)年金が減額されます。



年金の支払い月

遺族(補償)年金は、支給要件に該当することになった月の翌月分から支給され、毎年 2月、4月、6月、8月、10月、12月の 6期に、それぞれの前 2ヶ月分が支払われます。




遺族(補償)一時金とは?「金額」や「受給資格者」などを解説

遺族(補償)一時金とは?「金額」や「受給資格者」などを解説

労災保険といえば、業務上や通勤上によるケガや病気の治療費が無料になる…というイメージを持たれている方が多いと思います。

実は、保険加入者が死亡した場合は、その遺族が補償を受けられる保険でもあるのです。


この記事を読めば、遺族(補償)一時金の「金額」「受給資格者」「手続き」などを知ることができます。



遺族(補償)一時金とは

労災保険に加入している人が、業務上または通勤途上の災害によるケガや病気がもとで死亡した場合には、一定の範囲内の遺族に「遺族(補償)給付」が行われます。

遺族がもらえる給付は、遺族の条件によって、「年金」か「一時金」に分かれます。


遺族(補償)一時金とは、遺族(補償)年金を受けられる遺族がいない時に、一定の範囲内でその他の遺族に支給される一時金です。


遺族(補償)給付は労災保険によって支払われます。


厳密には、業務災害の場合を遺族補償一時金、通勤災害の場合を遺族一時金といいます。



遺族(補償)一時金が支給される条件

遺族(補償)一時金が支給される条件は下記の2つになります。

  1. 労災労働者の死亡の当時、遺族(補償)年金を受ける遺族がいないとき
  2. 遺族(補償)年金の受給権者が最後順位者まですべて失権したとき、受給権者であった遺族の全員に対して支払われた年金が額および遺族(補償)年金前払一時金の額の合計額が、給付基礎日額の1,000日分に満たない場合



一時金を受け取ることができる遺族

一時金を受ける遺族は、下記うち最先順位者(最先順位者が失権し、同順位者がいないときは次順位者に権利が移る)となっています。

受給資格 優先順位

  1. 配偶者
  2. 労働者の死亡当時生計維持関係にあった子、父母、孫および祖父母
  3. 上記 2.に該当しない子、父、孫および祖父母
  4. 兄弟姉妹



年金を受けることができる遺族

受給資格者は、労働者の死亡当時、生計維持関係のあった次の遺族です。


実際に遺族(補償)年金を受ける遺族は、そのうち最先順位者(最先順位者が失権し、同順位者がいないときは次順位者に権利が移る)となっています。

受給資格 優先順位

  1. 妻、60歳以上または一定の障害のある夫
  2. 18歳に達する年度の年度末までにあるまたは一定の障害のある子
  3. 60歳以上または一定の障害のある父母
  4. 18歳に達する年度の年度末までにある孫または一定の障害のある孫
  5. 60歳以上または一定の障害のある祖父母
  6. 18歳に達する年度の年度末までにある兄弟姉妹もしくは60歳以上または一定の障害兄弟姉妹
  7. 55歳以上60歳未満の夫
  8. 55歳以上60歳未満の父母
  9. 55歳以上60歳未満の祖父母
  10. 55歳以上60歳未満の兄弟姉妹

    なお、7~10までの人が実際に受けられるのは60歳になってからです。


遺族(補償)年金を受けられる遺族がいない時に、一定の範囲内でその他の遺族に「遺族(補償)一時金」が支給されます。


遺族(補償)一時金の給付の内容


被災労働者の死亡当時、遺族(補償)年金を受ける遺族がいない場合

遺族(補償)一時金 遺族特別支給金 遺族特別一時金
給付基礎日額の1,000日分 300万円 算定基礎日額の1,000日分



遺族(補償)年金の受給権者が最後順位者まですべて失権したとき、受給権者であった遺族の全員に対して支払われた年金の額および遺族(補償)年金前払金の額の合計額が給付基礎日額の1,000日分に満たない場合

遺族(補償)一時金 遺族特別支給金 遺族特別一時金
給付基礎日額の1,000日分から、すでに支給された遺族(補償)年金等の合計額を差し引いた金額 算定基礎日額の1,000日分から、すでに支給された遺族特別年金の合計額を差し引いた金額





葬祭料(葬祭給付)とは?労働者が死亡した場合は葬儀費用が給付されます

葬祭料(葬祭給付)とは?労働者が死亡した場合は葬儀費用が給付されます

労災保険といえば、業務上や通勤上によるケガや病気の治療費が無料になる…というイメージを持たれている方が多いと思います。

実は、保険加入者が死亡した場合は、被災労働者の葬儀費用が給付される保険でもあるのです。


この記事を読めば、葬祭料(葬祭給付)の「金額」「給付を受けられる人」「手続き」などを知ることができます。



葬祭料(葬祭給付)とは

葬祭料(葬祭給付)とは、労災保険に加入している人が、業務上または通勤途上の傷病により死亡した場合、その労働者の葬祭を行う遺族等に、葬祭費用の補助として支給されるものです。


厳密には、業務災害の場合を葬祭料、通勤災害の場合を葬祭給付といいます。


葬祭料を受けられる人

葬祭料を受けられる人は、通常は遺族になります。

しかし、そのような遺族がおらず、他の親族、友人、縁故者などが変わって葬祭を行う場合には、それら葬祭を行った人が葬祭料を受けることになります。


なお、葬祭を執り行う遺族がなく、社葬として被災労働者の会社が葬祭を行った場合は、その会社に対して葬祭料(葬祭給付)が支給されることとなります。


給付の内容

葬祭料(葬祭給付)の額は、315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額です。

この額が給付基礎日額の60日分に満たない場合は給付基礎日額の60日分が支給額になります。








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