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介護給付の給付費が20年で3倍超に【10兆2260億円】

介護給付の給付費が20年で3倍超に【10兆2260億円】

介護サービスの給付拡大が止まりません。

利用者負担を除いた「給付費」は2020年度に10兆円を超えたもようです。

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した20年春は一時的に介護施設の利用控えがみられたものの、介護にかかる費用は再び膨張しています。

政府は2021年8月から所得の高い高齢者の自己負担を増やしたが持続可能な制度につなげる効果は限定的です。


介護給付の給付費が20年で3倍超に

介護給付の給付費が20年で3倍超に

要介護認定を受けた人などが介護サービスを受けると、所得などに応じて1~3割が自己負担となる制度です。

残りが給付費で、半分を40歳以上が支払う介護保険料、残りの半分を公費で賄っています。


厚生労働省の「介護保険事業状況報告」の月報(暫定版)を基に集計すると給付費は20年度に10兆2260億円に達しました。

制度が始まった00年度の3兆2400億円から3倍以上に膨らんでいます。


要介護・要支援の認定者数は制度開始当初の3倍

要介護・要支援の認定者数は制度開始当初の3倍

要介護・要支援の認定者数は5月時点で約685万人と制度開始当初の3倍程度になりました。

寿命の延びや高齢者の増加に伴って介護が必要な人が増え、給付が伸びました。


新型コロナの感染拡大で20年4~5月ごろ一時的に通所サービスなどの利用が減りましたが、その後は利用増の流れに戻っています。

政府の推計では、団塊の世代が75歳以上になる25年度に給付費は15兆円規模まで膨らむ見通しです。


自己負担の上限額を引き上げる

自己負担の上限額を引き上げる

政府は介護保険制度の持続性を高めるため段階的に利用者の負担を増やし、8月には1カ月あたりの自己負担の上限額を引き上げました。

一定の所得を超える人の負担上限額は最高で月14万100円と従来の4万4400円から3倍以上になります。


引き上げの対象になるのは、介護サービスの利用者か世帯内に年収約770万円(課税所得380万円)以上の65歳以上の人がいる場合などです。

従来の上限は世帯当たり月4万4400円が最高だった。8月からは所得に応じて上限額9万3000円、14万100円の区分をそれぞれ新設。厚労省の推計ではおよそ3万人が対象です。


これとは別に、8月からは低所得の人が介護保険施設やショートステイを利用した際の食費なども一部で自己負担が増えました。

例えば年金収入などが120万円を超える人が介護保険施設に入所した場合、1日当たりの食費負担額の上限はこれまでの650円から1360円になります。


負担増の抑制効果は限定的

負担増の抑制効果は限定的

これらの負担増による給付費の抑制効果は、単純な試算で給付額全体の1%に満たしません。


ニッセイ基礎研究所の三原岳氏は、制度の持続性を考えれば「所得の高い人の負担が増えるのはやむを得ない。今後もこの流れが続く」と言っています。


財源増のためには介護保険料の増額も一つの手段ですが、保険料は段階的な引き上げで全国平均ですでに月6000円超に達しました。

三原氏は「保険料は基礎年金の平均受給額の1割程度まで上がった。引き上げは限界に近い」と指摘します。


データを活用して費用の膨張抑制

データを活用して費用の膨張抑制

介護にかかる費用の膨張抑制に向けて期待されるのがデータを活用した介護です。

厚労省は今年度から、ケアの内容と介護を受けている高齢者らの状況などをデータベースとして集め、重症化の予防に向けた介護計画に生かす「科学的介護情報システム」(LIFE)を導入しました。

ただこれも「入力負担が大きすぎる」「施設へのフィードバックの具体的な内容が見えない」など普及には多くの課題が指摘されています。







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