社会保障

産後ケア事業とは?産後に支援を必要とする人を助ける事業です

【産後ケア事業とは】家族等から支援を受けられない方を助ける事業です

この記事では「産後ケア事業」について解説していきます。


産後間もない期間、家族の支援を受けられなかったりや心身の回復の遅れなどにより、育児が満足に行えない場合があります。

産後ケア事業では、そんな方たちを支援するための準備が整っています。


この記事を読めば、「産後ケア事業の目的」「サポートを受けられる対象者」「利用料金」などを知ることができます。


 

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産後ケア事業とは

産後ケア事業とは

産後ケア事業とは、産後間もない母子に対して、助産師や保健師等による心身のケアや育児のサポート等を行い、産後も安心して子育てができるように支援する事業です。


利用期間は原則7日以内ですが、市区町村が必要と認めた場合は、その期間を延長することができます。


費用は有料になります。


産後ケア事業の目的

「産後ケア事業」は市区町村 が実施し、分娩施設退院後から一定の期間、病院、診療所、助産所、自治体が設置する場所(保健センター等)又は対象者の居宅において、助産師等の看護職が中心となり、母子に対して、母親の身体的回復と心理的な安定を促進するとともに、母親自身がセルフケア能力を育み母子とその家族が、健やかな育児ができるよう支援することを目的とします。


具体的には、母親の身体的な回復のための支援、授乳の指導及び乳房のケア、母親の話を傾聴する等の心理的支援、新生児及び乳児の状況に応じた具体的な育児指導、家族等の身近な支援者との関係調整、地域で育児をしていく上で必要な社会的資源の紹介等を行います。


実施主体は市区町村

実施主体は市区町村のため、問い合わせ先は住居のある市区町村役場または保健センターです。

ただし、市区町村によっては事業を実施していない場合もあります。


なお、本事業の趣旨を理解し、適切な実施が期待できる団体等に事業の全部又は一部を委託することができます。


サポートを受ける対象者

産後ケア事業のサポートを受ける対象者は、出産直後から概ね産後4ヶ月頃までの母子であり、産後に家族等から十分な支援が受けられず、心身の不調や育児不安があるなど支援が必要な人です。


具体的には下記のような人です。

  1. 出産後の身体的な不調や回復の遅れがあり、休養の必要がある者
  2. 出産後の健康管理について、保健指導の必要がある者
  3. 授乳が困難である者
  4. 産婦健康診査を実施した病院、診療所又は助産所で身体的ケアが必要と認められる者
  5. 出産後の心理的な不調があり、身近に相談できる者がいない者
  6. 産婦健康診査で実施したエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)の結果等により心理的ケアが必要と認められる者
  7. 育児について、保健指導(育児指導)の必要がある者
  8. 身体的・心理的不調、育児不安以外に、特に社会的支援の必要がある者
  9. 家族等からの十分な育児、家事等の支援が受けられない者
  10. 妊娠したことを本人及びパートナー、家族が心から喜び、出産を待ち望んでいた状態でないなど妊娠・出産に肯定的でない者


なお、初産婦の場合は、初めての育児等に不安を抱えていること等があり、また経産婦の場合は、上の子どもの育児等の負担が大きいこと等があり、いずれもそれぞれに身体的・心理的負担を抱えているため、初産・経産については問われません。


また、多胎の場合は、出産・育児等の負担が大きくなることから、産後ケアの利用が考えられます。


サポートの対象時期

出産後の母親の身体的な回復や心理的な安定等を目的とする事業であることから、出産直後から4か月頃までの時期が対象の目安となります。

母子の状況、地域におけるニーズや社会資源等の状況を踏まえ市区町村において判断することになります。


サポートをする人達

産後ケア事業のメンバーは、助産師、保健師、看護師がメインになります。


さらに、必要に応じて専門知識を有する下記の3名がいます。

  1. 心理に関しての知識を有する者
  2. 育児等に関する知識を有する者(保育士、管理栄養士等)
  3. 本事業に関する研修を受講し、事業の趣旨・内容を理解した関係者


利用形態には「宿泊型」「アウトリーチ型」「デイサービス型」がある

利用形態には「宿泊型」「アウトリーチ型」「デイサービス型」がある

実際に産後ケア事業のサービスを受けることになった場合、「宿泊型」「アウトリーチ型」「デイサービス型」のいずれかの形態で利用することになります。


宿泊型

宿泊型の場合、利用場所は病院若しくは病床を有する診療所において本来業務に支障のない範囲で空きベッドを活用して行うことが一般的です。


アウトリーチ型

アウトリーチ型の場合、利用場所は利用者の居宅になります。


利用者と日時を調整し、利用所の居宅を訪問して保健指導、ケアを行うことになります。


デイサービス型

デイサービス型の場合、利用者に病院、診療所、助産所、保健センター等に来所させて産後ケアを行うことになります。


また、デイサービス型には、個別に相談・ケアを行う「個別型」と大人数で行う「集団型」があります。

集団型の場合、保健指導、育児指導に加え、助産師等の看護職とともに母親同士が不安や悩みを共有することで仲間づくりにもつながります。


産後ケア等サービスは有料

産後ケア等サービスは有料

市区町村が実施する本産後ケア事業については、宿泊型、デイサービス型、アウトリーチ型とも、利用者から産後ケア等のサービスに係る利用料を徴収します。


概況調査の結果では、利用料について宿泊型は 4,000 円~10,000 円、デイサービス型では 1,000 円~4,000 円、アウトリーチ型では 500 円~2,000 円が多かったことがわかりました。


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