精神科デイケアは、精神障害のある方が通い、精神疾患の再発防止や社会復帰などを目的とするリハビリテーションです。
この記事では、精神科デイケアの種類やプログラム内容、利用料金を解説していきます。
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精神科デイケアとは
精神科デイケアでは、精神疾患の在宅患者が通院し、通常の外来診療のほかに日常生活・社会生活一般の機能回復を目的とした、医療チームによる一定の計画にもとづいた治療を行います。
精神科デイケアの種類は4つ
精神科デイケアには下記の4つがあります。
それぞれわかりやすく解説していきます。
デイ・ケア
精神障害者の社会生活機能の回復を目的として個々の患者に応じたプログラムに従ってグループごとに治療します。
実施される内容の種類にかかわらず、その実施時間は患者一人当たり一日につき6時間を標準とします。
ナイト・ケア
精神障害者の社会機能の回復を目的として行うものであり、その開始時間は午後4時以降としています。
実施される内容の種類にかかわらず、その実施時間は患者一人当たり一日につき4時間を標準としています。
日中は仕事などで通えない人におすすめです。
デイ・ナイト・ケア
精神障害者の社会生活機能の回復を目的として行うものであり、実施される内容の種類にかかわらず、その実施時間は患者一人当たり一日につき10時間を標準としています。
ショート・ケア
精神障害者の地域への復帰を支援するため、社会生活機能の回復を目的として個々の患者応じたプログラムに従ってグループごとに治療します。
実施される内容の種類にかかわらず、その実施時間は患者一人当たり一日につき3時間を標準としています。
時間が短いため、「試しに利用してみたい」といった人にもおすすめです。
精神科デイケアの利用対象者
精神科デイケアの利用対象者は、発達障害や精神疾患があり精神科などに通院している人のうち、症状は比較的安定していて入院を必要としない人です。
就学や就職など社会参加を目指したいという方を受け入れてくれる施設もあります。
精神科デイケアの目的と役割
どのような目的で利用するかは患者さんによって違いますが、精神科デイケアを利用することによって社会復帰や精神障害の再発抑制が期待できます。
より健康的に社会生活を送るため、最終的には就学や就労などの社会参加を目指します。
また、数十人の患者さんがひとつの空間で過ごすため、人付き合いやコミュニケーション、社会性を育むことができます。
ほかにも、精神科デイケアの利用で決まった時間に起きて外へ出ることで、通勤や通学を見据えた訓練にもなります。
精神科デイケアに通うために起床時間が安定することで、食事や就寝などのリズムも整ってきます。
精神科デイケアのプログラムの内容
精神科デイケアのプログラムは施設ごとに特色があり、内容はさまざまです。
多くの施設では午前、午後、夕方などに区切りプログラムを実施しています。
定番の活動例としては下記のようなものが挙げられます。
- 運動・スポーツ
・フットサル
・エアロビクス
・太極拳
・空手
・ストレッチ
・筋トレ
・体操
・散歩
・ヨガ
・小弓道
・パターゴルフ
・バドミントン
・ミニバレーボール
・ソフトボール
・卓球 - 創作活動・趣味活動
・アロマテラピー
・音楽活動
・プラモデル
・絵画
・書道
・陶芸
・ペーパークラフト
・貼り絵
・塗り絵
・革細工
・ビーズ細工
・編み物 - 教養プログラム
・ビジネスマナー
・身だしなみ講座
・漢字読み書き
英会話
パソコン - レクリエーション
・遠足
・外出
・ビデオ、DVD観賞
・ボウリング
・カラオケ - ソーシャルスキル・心理教育関係
・心理教育プログラム
・ミーティング、グループワーク
・ソーシャルスキルトレーニング
・認知行動療法
・座談会、お茶会
プログラムへの参加は強制ではなく、体調に合わせて調整可能です
精神科デイケアの利用料
精神科デイケアにかかる利用料は、施設によって異なります。だいたいの目安では、大規模施設で7000円、小規模施設で6000円前後です。(10割負担時)
公的保険が適用されれば、2100円、1800円程度になります。
ただし、精神通院医療の公費負担申請によって、その額がかかった医療費の1割相当額より高い場合は1割相当額となります。
精神科デイケアの利用の流れ
精神科デイケアを利用する場合の流れは下記のとおりです。
主治医に相談
⇩
見学体験~面接
⇩
利用手続き
⇩
利用開始
- 主治医に相談
精神科デイケアを利用するためには、ある程度症状が安定していることが条件です。そのため、精神科デイケアの利用を考えたらまずは主治医に相談しましょう。 - 見学体験~面接
目当ての精神科デイケアを見つけたら説明を聞き、見学や体験を通して改めて利用を検討しましょう。 - 利用手続き
正式に利用を決めたら申し込みをし、手続きに移ります。 - 利用開始
症状や利用の意思などの確認を済ませたら、正式に利用開始です。
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