社会保障 社会保障の基礎知識

【障害等級表】障害等級ごとの障害の状態をすべて解説【障害認定基準】

【障害等級表】障害等級ごとの障害の状態をすべて解説【障害認定基準】

日本の障害等級の基準は下記の2つがあります。

  • 国民年金・厚生年金:1級~4級
  • 労災保険:1級~14級


上記の2つはそれぞれ独自の障害認定基準を設けています。


国民年金は、20 ~ 60 歳までの日本国民に加入が義務付けられている公的保険です。

厚生年金は、会社員や公務員に加入が義務付けられている公的保険です。


労災保険は、会社員に加入が義務付けられている公的保険です。


国民年金・厚生年金における障害等級に該当する状態

国民年金・厚生年金における障害等級に該当する状態

国民年金保険の受給要件を満たしている人が障害を負った場合は「障害基礎年金」、厚生年金保険に加入している人が障害を負った場合は「障害厚生年金」の支給も受けることができます。


障害等級には「1級」「2級」「3級」「4級」があり、障害の重症度によって分けられています。数字が小さいほど症状が重いです。

障害基礎年金には1・2級しかありませんが、障害厚生年金には3級もあります。さらに、3級にも該当しない場合は症状に応じて、一時金として「障害手当金」が給付されます。

  障害基礎年金 障害厚生年金
1級障害
2級障害
3級障害
4級(障害手当金)




障害等級 障害の状態
1級 ・両眼の視力の和が0.04以下のもの
・両耳の聴力レベルが100デシベル以上の
・両上肢の機能に著しい障害を有するもの
・両上肢のすべての指を欠くもの
・両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
・両下肢の機能に著しい障害を有するもの
・両下肢を足関節以上で欠くもの
・体幹の機能に座っていることができない程度または立ち上がることができない程度の障害を有するもの
・前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同定度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
・精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
・身体の機能の障害もしくは病状または精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認めらえる程度のもの
2級 ・両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
・両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
・平衡機能に著しい障害を有するもの
・そしゃくの機能を欠くもの
・音声または言語機能に著しい障害を有するもの
・両上肢のおや指およびひとさし指または中指を欠くもの
・両上肢のおや指およびひとさし指または中指の機能に著しい障害を有するもの
・1上肢の機能に著しい障害を有するもの
・1上肢のすべての指を欠くもの
・1上肢のすべての指の既往に著しい障害を有するもの
・両下肢のすべての指を欠くもの
・1下肢の機能に著しい障害を有するもの
・1下肢を足関節以上で欠くもの
・体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの
・前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態にあって、日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
・精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
・身体の機能の障害もしくは病状または精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
3級 ・両眼の視力が0.1以下に減じたもの
・両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの
・そしゃくまたは言語の機能に相当程度の障害を残すもの
・脊柱の機能に著しい障害を残すもの
・1上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
・1下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
・長管状態に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの
・1上肢のおや指およびひとさし指を失ったものまたはおや指もしくはひとさし指を併せ1上肢の3指以上を失ったもの
・おや指およびひとさし指を併せ1上肢の4指の用を廃したもの
・1下肢をリスフラン関節以上で失ったもの
・両下肢の10趾の用を廃したもの
・前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
・精神または神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
・傷病が治らないで、身体の機能または精神もしくは神経系統に、労働が制限を受けるか、または労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するものであって、厚生労働大臣が定めるもの
4級 ・両眼の視力が0.6以下に減じたもの
・1眼の視力が0.1以下に減じたもの
・両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
・両眼による視野が2分の1以上に欠損したものまたは両眼の視野が10度以内のもの
・両眼の調節機能および輻輳機能に著しい障害を残すもの
・1耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの
・そしゃくまたは言語の機能に障害を残すもの
・鼻を欠損し、その機能に著し障害を残すもの
・脊柱の機能に障害を残すもの
・1上肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残すもの
・1下肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残すもの
・1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
・長管状態に著しい転移変形を残すもの
・1上肢の2指以上を失ったもの
・1上肢のひとさし指を失ったもの
・1上肢の3指以上の用を廃したもの
・ひとさし指を併せ1上肢の2指の用を廃したもの
・1上肢のおや指の用を廃したもの
・1下肢の第1趾または他の4趾以上を失ったもの
・1下肢の5趾の用を廃したもの
・前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が制限を受けるか、または労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
・精神または神経系統に、労働が制限を受けるか、または労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの



労災保険における障害等級に該当する状態

労災保険における障害等級に該当する状態

労災保険に加入している人が業務上(通勤途上)の事故等で障害を負った場合、労災保険により「障害(補償)年金」または「障害(補償)一時金」が支給されます。


障害の区分は、重い1級~軽い14級まであります。

1級~7級までは「障害(補償)年金」が支給され、8級~14級までは「障害(補償)一時金」が支給されます。

障害等級 補償
1級~7級 障害(補償)年金
8級~14級 障害(補償)一時金




障害等級 障害の状態
1級 ・両目が失明したもの
・そしゃく及び言語の機能を廃したもの
・神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
・胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
・両上肢をひじ関節以上で失ったもの
・両上肢の用を全廃したもの
・両下肢をひざ関節以上で失ったもの
・両下肢の用を全廃したもの
2級 ・1眼が失明し他眼の視力が0.02以下になったもの
・両目の視力が0.02以下になったもの
・神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
・胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
・両上肢を手関節以上で失ったもの
・両下肢を足関節以上で失ったもの
3級 ・1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
・そしゃく又は言語の機能を廃したもの
・神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
・胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
・両手の手指の全部を失ったもの
4級 ・両目の視力が0.06以下になったもの
・そしゃく及び言語の機能に著しい障害を残すもの
・両耳の聴力を全く失ったもの
・1上肢をひじ関節以上で失ったもの
・1下肢をひざ関節以上で失ったもの
・両手の手指の全部の用を廃したもの
・両足をリスフラン関節以上で失ったもの
5級 ・1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
・神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
・胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
・1上肢を手関節以上で失ったもの
・1下肢を足関節以上で失ったもの
・1上肢の用を全廃したもの
・1下肢の用を全廃したもの
・両足の足指の全部を失ったもの
6級 ・両目の視力が0.1以下になったもの
・そしゃく及び言語の機能に著しい障害を残すもの
・両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
・1耳の聴力を失い、他耳の聴力が40㎝以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
・せき柱に著しい変形または運動障害を残すもの
・1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
・1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
・1手の5の手指または母指を含み4の手指を失ったもの
7級 ・1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
・両耳の聴力が40㎝以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
・1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
・神経系統の機能または精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
・胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
・1手の母指を含み3の手指または母指以外の4の手指を失ったもの
・1手の5の手指または母指を含み4の手指の用を廃したもの
・1足をリスフラン関節以上で失ったもの
・1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
・1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
・両足の足指の全部の用を廃したもの
・外貌に著しい醜状を残すもの
・両側の睾丸を失ったもの
8級 ・1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの
・せき柱に運動障害を残すもの
・1手の母親を含み2の手指または母指以外の3の手指を失ったもの
・1手の母指を含み3の手指または母指以外の4の手指の用を廃したもの
・1下肢を5㎝以上縮小したもの
・1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
・1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
・1上肢に偽関節を残すもの
・1下肢に偽関節を残すもの
・1足の足指の全部を失ったもの
9級 ・両目の視力が0.6以下になったもの
・1眼の視力が0.06以下になったもの
・両目に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの
・両目のまぶたに著しい欠損を残すもの
・鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
・そしゃく及び言語の機能に障害を残すもの
・両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
・1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度のなったもの
・1耳の聴力を全く失ったもの
・神経系統の機能または精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
・胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
・1手の母指または母指以外の2の手指を失ったもの
・1手の母指を含み2の手指または母指以外の3の手指の用を廃したもの
・1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの
・1足の足指の全部の用を廃したもの
・外貌に相当程度の醜状を残すもの
・生殖器に著しい障害を残すもの
10級 ・1眼の視力が0.1以下になったもの
・正面視で複視を残すもの
・そしゃく又は言語の機能に障害を残すもの
・14歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
・両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
・1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
・1手の母指または母指以外の2の手指の用を廃したもの
・1下肢を3㎝以上短縮したもの
・1足の第1の足指または第1の足指または外のの足指を失ったもの
・1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
11級 ・両目の眼球に著しい調節機能障害または運動障害を残すもの
・両目のまぶたに著しい運動障害を残すもの
・1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
・10歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
・両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
・1耳の聴力が40㎝以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
・せい柱に変形を残すもの
・1手の示指、中指または環指を失ったもの
・1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
・胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の運行に相当な程度の支障があるもの
12級 ・1眼の眼球に著しい調節機能障害または運動障害を残すもの
・1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
・7歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
・1耳の耳かくの大部分を欠損したもの
・鎖骨、胸骨、ろく骨、肩こう骨または骨盤骨に著しい変更を残すもの
・1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
・1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
・長管骨に変形を残すもの
・1手の小指を失ったもの
・1手の示指、中指または環指の用を廃したもの
・1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの
・1足の第1の足指または他の4の足指の用を廃したもの
・局部にがん固な神経症状を残すもの
・外貌に醜状を残すもの
13級 ・1眼の視力が0.6以下になったもの
・1眼に半盲症、視野狭さく又は視野変状を残すもの
・正面視野以外で複視を残すもの
・両目のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
・5歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
・胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
・1手の小指の用を廃したもの
・1手の母指の指骨の一部を失ったもの
・1下肢を1㎝以上短縮したもの
・1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
・1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
14級 ・1眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの
・3歯以上に対し歯科補てつを加えた
・1耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
・上肢の露出面にてのひらの醜いあとを残すもの
・下肢の露出面にてのひらの醜いあとを残すもの
・1手の母指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
・1手の母指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸するもの
・1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
・局部に神経症状を残すもの


備考

  1. 視力の測定は、万国式試視力表による。屈折異常のあるものいついてはきょう正視力について測定する。
  2. 手指を失ったものとは、母指は指節間関節、その他の手指は近位指節間関節以上を失ったものをいう。
  3. 手指の用を廃したものとは、手指の末節骨の半分以上を失い、又は中手指節関節若しくは近位指節間関節(母指にあっては指節間関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
  4. 足指を失ったものとは、その全部を失ったものをいう。
  5. 足指の用を廃したものとは、第一の足指は末節骨の半分以上、その他の足指は遠位指節間関節以上を失ったもの又は中足指節関節若しくは近位指節間関節(第一の足指にあっては指節間関節)に著しい運動障害を残すものをいう。



-社会保障, 社会保障の基礎知識

Copyright© 社会保障 と 民間保険 , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.