妊娠期の女性労働者は、通常の健康状態と異なる状態などによりさまざまなストレスを感じていると考えられ、また、子育て期の女性労働者も、育児と仕事の両立などでさまざまなストレスを感じていると考えられます。
財団法人女性労働協会より「妊娠期・子育て期の女性労働者のストレスに関する実態調査」が実施され、この度調査結果が取りまとめられました。
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妊娠した女性の気持ち
妊娠に対する気持ちは、「とてもうれしい」が 71.8 %と最も高く、「うれしい」の26.4 %をあわせると「うれしい」は 98.2 %を占めています。
「あまりうれしくない」1.6 %、「全くうれしくない」0.2%をあわせた「うれしくない」という気持ちの者は 1.8%でした。
また、女性労働者は97.8 %、無職女性は99.2 %が「うれしい」となっています。
出典:財団法人女性労働協会
妊娠期の女性のストレス
妊娠に関連して「ストレスがある」と答えた女性は 79.1 %で、「ストレスがない」と答えた女性は 20.9%となっています。
これを就労の有無別に「ストレスあり」をみると、女性労働者は 82.1 %、無職女性は71.4%となっており、女性労働者の方が「ストレスあり」とする割合が高くなっています。
ストレスの理由
ストレスありと答えた 704人に、その理由を17 の項目を上げ、それをどの程度感じるかを尋ねました。
1 ~ 7の項目及び 17 は無職女性を含む全ての回答者に、8~ 16 の項目については女性労働者に尋ねました。
1~ 7及び 17の項目のうち、最もストレスを感じる理由は、「つわりなど体調不安」75.2 %、次いで「育児に対する不安」68.9 %、「出産に対する不安」67.5 %、「経済的な不安」62.5 %、「胎児の発育に対する不安」59.6%となっており、「夫の協力のないこと」(21.0%)や、「家族の協力がないこと」(11.6%)を理由としてあげる者は他の項目に比べ少ないです。
つわりなど体調不安
「ストレスあり」と答えた者のうち女性労働者の74.2%、無職女性の78.0%がつわりなど体調不安でストレスを感じています。
年齢別にみると、36 ~40 歳層が82.5 %、26~ 30歳層が 76.4%となっています。
妊娠週別にみると、妊娠初期が最も高く86.2%、妊娠中期77.8%、妊娠後期68.8%と後期になるほど低くなっています。
育児に対する不安
育児に対する不安でストレスを感じるのは女性労働者が67.6%、無職女性が72.5%となっています。
これを子の有無別でみると、女性労働者は子がいる者が 59.2 %、子がいない者が73.0%となっており、子がいない者が子がいる者に比べ13.8ポイント高くなっています。
無職女性も、子がいる者が60.7%、子がいない者が84.3%となっており、子がいない者が子がいる者に比べ23.6 ポイント高くなっています。
出産に対する不安
女性労働者の65.7%、無職女性の72.7%が出産に対する不安でストレスを感じるとしています。
これを子の有無別でみると、女性労働者は子がいる者が 52.4 %、子がいない者が73.9 %となっており、子がいない者が子がいる者に比べ 21.5 ポイント高くなっています。
無職女性も、子がいる者が 61.6 %、子がいない者が 83.3 %となっており、子がいない者が子がいる者に比べ、21.7ポイント高くなっています。
経済的な不安
経済的な不安でストレスを感じると回答した者の割合は、女性労働者が 62.5 %、無職女性が 62.4%となっています。
胎児の発育に対する不安
女性労働者のうち58.6%、無職女性のうち62.5%が胎児の発育に対する不安でストレスを感じています。
これを子の有無別でみると、女性労働者は、子がいる者が47.6%、子がいない者が65.4 %となっており、子がいない者が子がいる者に比べ、17.8ポイント高くなっています。
無職女性も、子がいる者が55.3%、子がいない者が69.2%となっており、子がいない者が子がいる者に比べ、13.9 ポイント高くなっています。
夫の協力のないこと
女性労働者の20.1%、無職女性の23.7%、が夫の協力のないことでストレスを感じています。
子の有無別から「ストレスを感じる」をみると、女性労働者は、子がいる者は28.4 %、子がいない者は15.0 %となっており、子がいる者は子がいない者に比べ13.4 ポイント高いです。
また無職女性は子がいる者27.4 %、子がいない者20.0 %となっています。
妊娠・育児を行う女性のストレスの改善方法
これまでの妊娠・出産・育児期を通じて、落ち込んだ状態になったことがあると答えた人に、その状態をどのようにして改善できたかについて尋ねたところ、1,612 名から回答(複数回答)が寄せられた。主な内容は、下記のとおりです。
自分自身による改善
- 気分転換をした- 228件
散歩など外に出て気分転換(79 件)買い物、映画、趣味、旅行やスポーツなどで気分転換をした(72 件)友人と食事やおしゃべり(59 件)泣いた(9 件)、よく眠る(5件)、好きなものを食べた(4 件)など - 何もしない- 174件
何もしなかった(79 件)、時が解決した(71 件)、自然と(24件) - 考えを改めたなど- 155件
我慢しないでやりたいことをした、自分中心に考えた、気持ちを切り替えたなど(92 件)一人の時間を作る、持つ、過ごす(61 件)時間を決めて生活(2 件) - 自分の体の安定- 86件
安静に過ごすように努力した、自分の体の安定(49 件)入院(21 件)、薬や漢方(11件)、整体、マッサージ(5 件) - その他- 150件
改善なし(74件)、がまんした(35 件)、自分で解決した(24件)、忙しさ(8 件)、あきらめた(5件)、相談できなかった(4 件)など
身近な周囲による改善
【家族】
- 家族に相談した- 685件
夫に相談した、夫ととことん話した、夫に愚痴を言ったなど(304件) - 家族の協力- 335件
夫に子育てや家事など手伝ってもらった(121件)実家でのんびりさせてもらったなど - 子供の笑顔や寝顔、子供の成長- 44件
子供の笑顔や寝顔、子供の成長、子供と触れる、子供の体の回復、子供の存在など(34件)保育園に行くようになった(10件) - 家庭の変化- 21件
離婚(9件)、引越し(8 件)、夫と別居(2件)など
【友人や同僚など】
- 友人や同僚などに相談- 626件
同じ立場の・経験のある・ママさんの友人、同僚や先輩に相談した(216件) - その他- 36件
友達作りをした(27件)、友人の協力援助(9 件)
【職場】
- 就労の変更- 84件
職場を休んだ(33 件)、職場に復帰・会社に出る(27 件)、退職した(10件)、産休・育児休暇(7 件)、通信教育などスキルアップ(3 件)、転職した(2件)、就職活動(2 件) - 職場の理解や相談- 74件
職場の理解(47 件)、職場に相談(22件)、企業の相談窓口など(5 件)
【専門機関】
- 専門機関などへの相談- 356件
産科小児科に通院、主治医や看護師に相談など(140 件)自治体の相談窓口、相談会、育児相談、電話相談や保健師への相談など(89 件)インターネットや育児書で情報を得たなど(63 件)母親学級やママさんサークルや育児サークルに参加した(36 件)保育園の先生への相談(28 件)
女性労働者の仕事・家庭生活に対する満足度
仕事及び家庭の満足度は、仕事の満足度が62.7%、不満足37.3%と、約25ポイント以上満足が不満足を上回っていました。
家庭生活の満足度は77.6%、不満足22.4%と、満足が不満足を3倍以上上回っていました。
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